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第32話 記念写真

翌日の昼休み、太郎と花子は先に屋上へと向かっていた。階段を上りながら、二人は軽く会話を交わす。


「ねえ太郎、屋上って色んな思い出があるよね」花子が意味深な笑みを浮かべる。


太郎は少し困ったような表情を見せる。「まあ...ね」


屋上のドアを開けると、初夏の爽やかな風が二人を出迎えた。青空が広がり、遠くには街並みが見える。


花子がクスクスと笑い出す。「ねえねえ、太郎。ここに来るとあの時のこと思い出すね?」


「あの時?」太郎が首をかしげる。


「そう、あの時よ」花子がからかうように言う。


太郎は少し考え込む。「思い出したくないけど、神崎に振られたのも屋上だったな...」


花子はニヤリと笑う。「違うよ~。おっぱい揉んだ日でしょ?」


「えっ!?」太郎の顔が一気に赤くなる。「あ、あれは...」


花子がくすくすと笑う。「ほら、顔真っ赤だよ」


太郎は慌てて言い訳を始める。「あれはほら、花子が...その...」


言葉につまる太郎を見て、花子はさらに楽しそうに笑う。「ふふふ、太郎ったら本当に面白い顔するんだから」


その時、屋上のドアが開く音がした。


「ごめんね、遅くなっちゃって」


美咲の声に、太郎と花子は振り向く。


「美咲!」花子が嬉しそうに手を振る。


美咲は二人に近づきながら、首を傾げる。「なになに?二人とも何か楽しそうだけど」


花子はニヤリと笑う。「実はね、前にここで太郎が...」


「わああああ!」


突然、太郎が大声を上げる。花子の言葉を遮ろうとしたのだ。


美咲は驚いて目を丸くする。「鳴海くん?どうしたの?」


太郎は必死の形相で花子に向き直る。「花子、その話は...」


花子はくすくすと笑う。「ふーん、人に物を頼むときはなんて言うのかな?」


太郎は覚悟を決めたように深呼吸をする。「許してください、花子様!」と大きな声で叫ぶ。


花子は満足げに頷く。「よし、許す」


美咲は困惑した表情で二人を見つめている。「え、えっと...何があったの?」


花子は意味深な笑みを浮かべる。「機会があったら教えてあげるね」


太郎は焦ったように「機会があってもダメだって!」


太郎の言葉を聞かず花子が明るく言う。「さあ、写真撮影の時間よ!」


三人は屋上の端に立ち、背景に街並みが見えるように位置を調整する。


「はい集まって~」花子が宣言する。


太郎と美咲は花子の両脇に立つ。花子がスマートフォンを掲げ、自撮り棒を伸ばす。


「ほら太郎、もっと近くに寄りなさい。見切れてる」


おずおずと太郎は花子に近づく。


花子はため息をつく。「もう、これじゃいい写真撮れないわよ」


なかなか距離のつまらない太郎にしびれを切らした花子は「位置交代!太郎真ん中ね!」


花子が太郎の腕を引っ張る。


太郎は少し遠慮がちに真ん中に立つ。


花子は強引に太郎の右側に寄り添う。左側には美咲が立つ。


「さあ、みんな笑顔!」


花子がスマートフォンを掲げる瞬間、太郎は右ひじに柔らかな感触を感じた。。


(うわっ...)


太郎の顔が一瞬こわばる。花子はニヤリと笑い、「ほら、カメラ見て」と言う。


カシャッという音と共に、3人の写真が撮影された。


「よし、撮れた!」花子が嬉しそうに宣言する。


三人は撮影した写真を確認する。


「わあ、いい写真だね」美咲が笑顔で言う。


「うん、みんないい表情してる」太郎も頷く。


花子は満足げに笑う。「よかった。これで素敵な思い出ができたね」


チャイムが鳴り、昼休みの終わりを告げる。


「さ、教室に戻ろう」太郎が言う。


三人は屋上を後にしながら、それぞれの胸に様々な思いを抱えていた。


太郎は右ひじの感触を思い出しながら歩く。(花子はどうして...)


美咲は物思いに耽りながら歩く。(一回振っちゃったけど今の関係なら...)


花子は楽しそうに二人の後ろを歩く。(ふふふ、これからどうなるかな)


屋上での撮影は終わったが、三人の関係はまた新たな局面を迎えようとしていた。これからどんな展開が待っているのか、誰にもわからない。ただ、この日の思い出が、彼らの心に深く刻まれたことは確かだった。


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