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寂しいから寂しいと云ってなにが悪いんだ

作者: 秋葉竹



永遠なんてありはしないんだと

なんども云ったから

わかってください


愛と呼ばれるものの

なにもかもが

夜桜の写真の中に閉じ込められたみたいな

なにが目的なのか

なにひとつわからないまま

予想した絶望よりも

暗い悲しみがこの世界を覆うから

そしてその定められた痛みに

耐えられなく流れ堕ちてしまいそうだから

白々しい

ずるがしこさを手放したらもっと

楽しい時間になるはずだったのに

いちばん永遠な夜桜がどこにあるのか

わからなくなってしまって

写真の中でゆっくりと散ってゆく様を

名曲に似せて歌いたいだけなのだけれども


永遠というのは

ただの言葉なんだと

それ以外の意味なんてなにひとつ

ありはしないんだと


いまならきっと


サバンナを走るキリンの首が揺れるのを

ずっと夜の夢にみつづけて来た

こんな国で生き永らえながら

海の香りに包まれたこの町で

潮鳴りを子守唄に聴きながら


いまならきっと


そうそう

私の中ではめちゃくちゃとんだ凄いことに

そんな生放送っぽいことになってしまって

あなたにほんとうの心を届けたくて

いまだかつて

口ずさんだこともない歌を

朗々と歌い出そうとしている


のはほんとうなんだがな

それでもきっとあなたには届かないから

だから夜の夢にキリンが走るのかもしれない


ねぇ

キリンはひとりっきりなんだろうか

それともふたり並んで声を掛けあって

走りつづけているのだろうか

まぁそれも夜の夢の中の

ちょっとしあわせなはなしなんだけどね


なにを云っても

なにを歌っても

あなたの心に

私の言葉を届けるのに

邪魔をしているのは

わたしじしんのわたしじしんによる

よるべない絶望的な寂しさなんだろうか







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― 新着の感想 ―
[良い点] 夜のキリンが走る姿が素敵で心に残ります。 わたしには二頭のキリン ふたりで走る姿が見えました。 素敵な詩をありがとうございます。
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