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第18話 第5世代のエーテルボディ

マヌエアリーフの統合本部にある中央会議室。そこには軍、研究、そして政府から選出された合同プロジェクトのメンバーが集結していた。それぞれが各所属の最重要人物や幹部クラスのため、出席人数自体は多くはない。とはいえ、司会進行役の政府秘書官は緊張の極地で、プロジェクトの進捗状況を告げなければならなかった。


「第5世代のエーテルボディですが、本日無事に50名が契約を終えました」


おお!と到るところから感嘆の声が上がる。いよいよ、マザー地表探索における虎の子、最終兵器が準備できた。


「第5世代については、ボディ適合度が65%を越えるまでを研修期間と定めております。もし全員が、65%を越えなかったとしても、50名のうち8割が目標を越えた時点でマザー捜索プロジェクトの開始フェーズに移ります。その50名の現状について、共有リストを提示します。本日以降、本会議室に出席の方々は、いつでもリストを確認できるようにしました」


中央モニタに、たくさんの人物の顔と名前が映し出される。リストの一番上には『第5世代 選抜人員 習熟状況』と書かれており、今後も定期的にリストが更新されていく。研究部の参与であるタウズンは、リストを注意深く見守っていた。


まず最初に並ぶのは軍所属の人物だ。軍の人間はほぼ全員が『ナイト』か『ガード』の第四世代ボディを使用しているが、その中でもとりわけ適合度の高い人間が、今回の第5世代の人員に選ばれていた。エーテルボディをどこまで理解し潜在能力を使いこなせるかの目安になる『ボディ適合度』を見ると、殆どが70%代である。一つの指標だけで評価はできないが、それでもボディ適合度は分かりやすく信頼に足るという数値ではあった。



第一宇宙軍所属、リオ。地位、大尉。第四世代エーテルボディ『ガード』適合者。

ボディ適合度70%以上の「ランク3」到達者。第五世代エーテルボディ候補者

第五世代エーテルボディ『ガーディアン』を受領。


第一宇宙軍所属、トニーロ。地位、少佐。第四世代エーテルボディ『ナイト』適合者。

ボディ適合度70%以上の「ランク3」到達者。第五世代エーテルボディ候補者。

第五世代エーテルボディ『パラディン』を受領。


第二宇宙軍所属、カンタル。地位、大尉。第四世代エーテルボディ『ガード』適合者。

ボディ適合度80%以上の「ランク4」到達者。第五世代エーテルボディ候補者。

第五世代エーテルボディ『ガーディアン』を受領。


第ニ宇宙軍所属、ミガディ。地位、大佐。第四世代エーテルボディ『ナイト』適合者。

ボディ適合度80%以上の「ランク4」到達者。第五世代エーテルボディ候補者。

第五世代エーテルボディ『パラディン』を受領。



軍所属の次には、政府所属の候補者が羅列される。軍人が使うボディは主に2種類だが、政府機関の人間は間接的な役割が多いためボディの種類が多い。またボディ適合度は60%台が多い。そんな中で、とある機関に所属する名前をタウズンは軽く睨みつけていた。その機関名は『ヘリオス』。惑星ミヌエトにて、エーテルボディ適用検査を目的としていた組織である。実際、ヘリオス所属のメンバーは、ずば抜けてボディ適合度が高かった。



政府調査機関ヘリオス所属、モリア。地位、主査。第四世代エーテルボディ『ウルフ』適合者。

ボディ適合度80%以上の「ランク4」到達者。第五世代エーテルボディ候補者。

第五世代エーテルボディ『ケルベロス』を受領。


政府調査機関ヘリオス所属、ネイロ。地位、主査。第四世代エーテルボディ『ギガント』適合者。

ボディ適合度80%以上の「ランク4」到達者。第五世代エーテルボディ候補者。

第五世代エーテルボディ『ギガンテス』を受領。


政府調査機関ヘリオス所属、イザイア。地位、主査。第四世代エーテルボディ『パイク』適合者。

ボディ適合度80%以上の「ランク4」到達者。第五世代エーテルボディ候補者。

第五世代エーテルボディ『ファランクス』を受領。


政府調査機関ヘリオス所属、ネクト。地位、主査。第四世代エーテルボディ『パイク』適合者。

ボディ適合度80%以上の「ランク4」到達者。第五世代エーテルボディ候補者。

第五世代エーテルボディ『ファランクス』を受領。


政府調査機関ヘリオス所属、アーネイ。地位、主幹。第四世代エーテルボディ『リザード』適合者。

ボディ適合度90%以上の「ランク5」到達者。第五世代エーテルボディ候補者。

第五世代エーテルボディ『ドラグーン』を受領。



研究所属の人員からは、軍用エーテルボディの候補者は居なかった。理由はエーテルボディの中に入るのではなく、エーテルボディの運用や開発に研究員を充てていたからである。地上探索で得られた調査結果を分析し、それを元にさらにエーテルボディを改良していく、それが研究所属メンバーの重要な役割であった。一部の研究員は、エーテルボディの性能評価のために自らボディを纏うものも居たが、あくまで短期間のテストに限られていた。


軍、政府、研究すべての協力において、第5世代エーテルボディは50体が用意された。現在までに48人が契約を完了し、第5ボディを受領した後、マザー地表で活動を開始している。第5ボディの残りは2体だが、候補者選定に時間を要していた。事情をよく知らない関係者は、重要戦力の第五ボディを少しでも早く現場に投入するように訴えていた。しかし軍や研究部署の上層部から、この2体の候補者は特例のために時間を要するとの回答だった。


そしてこの日、とうとう最後の2体について、使用者が決まった。リストの一番最後に追加された情報を見た関係者は驚きの声を上げる。驚かずに安堵の息をついたのは、研究部のダウズンとロヴァル局長だけだった。


地球人アイト。地位、客員軍人。第四世代エーテルボディ『金狐(キンコ)』適合者。

ボディ適合度80%以上の「ランク4」到達者。第五世代エーテルボディ候補者。

第五世代エーテルボディ『天狐(テンコ)』を受領。


地球人サノ。地位、客員軍人。第四世代エーテルボディ『鬼人(キジン)』適合者。

ボディ適合度90%以上の「ランク5」到達者。第五世代エーテルボディ候補者。

第五世代エーテルボディ『鬼神(キシン)』を受領。



「やれやれ、これで舞台俳優が揃った。次は第一幕、果たして脚本家はどんなシナリオを用意しているのやら……」合同会議の終わりに、政府の最高責任者、スピルダラー首相がそう発言して会を閉めた。マザーの災厄から30年、そしてエーテルボディが開発されて10年、ようやくマヌエアリーフは準備を整えつつあった。


タウズンはスケジュール調整と医務室の予約を指示したメッセージを秘書に送る。隣に座るロヴァル局長に、これで私の主演者も揃いました、と伝えながら。

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