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第1話 惑星強襲のプロローグ

【登場人物1】


■地球の人間

・サノ ツカサ

通称サノ。前作の主人公で23歳。平凡な見た目だが優秀な研究者。


・アイトウ カナ

通称アイト。今作はヒロイン。18歳。運動神経抜群。


・カツモト

20代後半。前作でエーテルボディが暴走し治療室に送られ、その後は行方不明。


―――――――――――――――――――


スピルダラー大統領の承認が下りる。


「ここに、惑星マザーへの次元爆弾投下を認める。マザー奪還プロジェクト『惑星強襲』作戦を承認。直ちに実行せよ!」


承認を得てから正確に12時間後、惑星マザーの地表から約50キロメートルほどの上空にて、次元爆弾が作動した。その爆弾は金属も爆薬も一切使わない、経過時間で発動するただの次元転移装置である。別次元からこの次元に、直径100キロメートルの空間を、ゼロ秒で転移させて持ってくるだけの単純な仕掛けだ。


転移とは別の場所にあるものを、ほんの僅かな時間内で移動させる技術である。転移によって何かが移動してくると、もともとそこにあったものは強制的に外に動かされる。四方を壁で塞いだ満杯の水槽のど真ん中に、突然何かが挿入されるようなものだ。もし巨大な物を転移でその水槽の中に一瞬で持ってくれば、押し出された水は壁に向かって一気に圧力を与える。その物が大きいほど水の圧力は高まり、水槽の中に現れる時間が短いほど水の移動速度は早くなる。状況次第では光速をはるかに超える極大速度で水は周りの壁に激突し、水槽の壁を一瞬で破壊するだけでなく、周囲に超高圧力の衝撃波を四方八方にばら撒く事になる。


つまり次元爆弾とは、ほぼゼロ秒という極小時間内に巨大な空間を新たに転移させる事で、もともとあった空間を超光速で吹き飛ばす爆弾である。そこには爆薬も化学反応もないが、生じる衝撃波速度や爆風は地球のあらゆる爆弾より圧倒的に速い。この次元で極秘裏に開発され、今回の惑星強襲作戦にて初めて使用された最終兵器である。



その次元爆弾が、衛星軌道にあった宇宙船型ラボラトリから惑星地表に向けて投下され、計算通りに上空50キロメートルあたりで炸裂した。宇宙からその爆発の様子を見ていた人間には、マザーに突然ぽっかりと丸い泡が出現したようにしか感じ取れなかった。しかしマザー地表では、超光速で吹き飛ばされた直径100キロメートル分の空気が、轟音と衝撃波による破壊の渦を巻き起こした。超光速で動く粒子同士の摩擦によって周囲の空気や地面が超高熱となって燃え上がり、地表は多重の衝撃波によって巨大なクレータ形状に抉り取られる。無理やり超光速で動かされた空気によって、重力圏内に超々高圧の圧縮波が次々と伝わっていく。


「次元爆弾、成功です。目標の破壊も確認しました!」


結果を伝えてくるオペレータの声に驚愕と歓喜が混じる。それを聞いていた周囲からも大きな声が上がる。


マザー上空へ他次元から突然割り込んできた100キロメートルの空間によって、破壊目標だった地表の建物は巨大な鉄球で押し潰されたように粉砕破壊された。音が聞こえないはずのモニタ映像にも、まるで破壊目標だった建物の爆発音が届いたように錯覚した。



―――――――――――――――――――


【登場人物2】


■他次元の人間


●軍部

・ミガディ

怜悧な軍人。30代前半。前作でサノが所属していた探索チームのリーダ。


・ノルメック

軍の最高幹部の一人だが、軍部での評判はいまいち。60代前半。


・ダランイーバ

将官の一人。60代後半。切れ者で有名。


・タリア

エーテルボディ担当の女性尉官。30代前半。


・モラン

転移制御室の女性チーフ。20代後半。キレイで頭脳明晰だけどすこし変な性格。


・アネッサ

転移制御室の女性オペレータ。20代前半。真面目すぎる性格。


●研究部

・タウズン

高名な研究者。30代後半。サノが使ったエーテルボディ『鬼人』の開発者。


・ロヴァル

研究部の最高責任者。70代前半。タウズンの上司。研究者としては平凡。


・リムラ

研究部の経理。年齢不詳の妖艶な女性。


●政府部

・スピルダラー

首相。政府部の最高責任者。60代後半。この次元の政治家には珍しくタカ派。


・アーネイ

前作ではヘリオスチームのリーダを務めた男。非常にやり手。30代前半。


・マール

美人秘書官。出世のためには何でもする。前作のラスボス。


●その他(故人含む)

・スレン

ミガディの妻。20代後半。見た目は優しげだが元軍人で自他ともに厳しい。


・フェニー

ミガディの娘。


・ニコオーレグ

史上最高の天才。生きていれば100歳越え。エーテル体の基礎を作った。


・メイ

かつて墜落した宇宙船に乗っていた軍人でロヴァルの娘。生きていれば40代。



【用語】

・パウダー

地球より遥かに進んだ素粒子技術。この他次元において、魂も素粒子の一つ。


・エーテル体

自己修復と圧倒的な生命力を有する人工細胞。


・エーテルボディ

『エーテル体』を元に作られた完全な人工身体。


・ゲート

空間転移を行うための入口。


・マゼランポイント

空間転移した時の出口。


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