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第48話 頼れるのは小百合様だけ

 ここは生徒会室。朝の会までにはまだまだ時間があるからと小百合に連れてこられたのだ。

「かなり難解な問題よね」

「何がだ?」

「マリーのお母さんが絡んできてることよ」

「ああ、そうなんだ」

俺は小百合が俺の立場を正しく理解してくれたことにホッと胸を撫でおろす。


「あれだけの魔力を持っていれば四朗君を消し去るなんて朝飯前よね」

怖いことを平然と言ってくれる。

「逃げたところで黒魔術を使えばすぐに見つけられるだろうし」

おいおいその言葉シャレにならんぞ。

「例えうまく逃げたとしても国力を上げて捜索すれば終わりよね~」

おお! そこまで考えてなかった! ひょっとしてもう終わりなのか?


「どうしたらいい?」

俺は情けないほど小さな声で聞いた。

「どうしようもないんじゃない?」

冷たすぎるぞ!

「お願いだ。何とかしてくれ」

思わず跪いて小百合の手を握ってしまう。もうプライドなんてあったもんじゃねえ。


「方法はただ一つ」

「何だ!? 何でもするから教えてくれ」

「マリーと結婚する前に自害すればいいのよ」

解決策になってねー!


「何とかしてくれよ。頼れるのはお前だけなんだ」

「ふふ」

小百合は優越感に浸りながら頷いている。

「わかったわ。考えてあげる」

「本当か!」

「ただし私一筋になってくれるならね」

「もちろんだ! 約束する」

小百合は笑みを浮かべながら俺を見ている。


 一般人の小百合がどこまで黒魔術に対抗できるのかはわからんが、今は藁をも掴む思いだ。小百合に賭けるしかない。

「とりあえず結婚式を挙げられなければいいわけね」

「そうだ。その通りだ」

「だったらどちらかが欠ければいいのよ」

「と言うと?」

「マリーを欠けさせるのは難しいから」

「それはそうだ」

「四朗君が欠ければいいわけよ。やっぱり自害する?」

「おい!」


 小百合が大笑いをしている。

「冗談よ」

今は冗談を言ってる時じゃねえだろう。


「真面目に考えてくれ」

「わかったわよ。早い話マリーが結婚したくないって思えばいいわけでしょ?」

「それはそうだ」

どういう意味だ?

「マリーに嫌われればいいわけよ」

なるほど、確かにそうだがマリーに嫌われるとか想像がつかないのだが。


「私に考えがあるの」

「どうすればいい?」

「それはお楽しみ」

「内緒にしてどうするんだ!」


「いいから四朗君は私の言う通りにして。もうすぐチャイムが鳴るわね。教室に戻りましょう」

「そうだな」

「いい? もし浮気っぽい行動をとったら覚悟しなさいよ」

小百合の目が怖いんだが。絶対に誤解されるような行動は慎もう。


 教室に戻るとほとんどの生徒が登校していた。俺たちが教室を出た時とは大違いだ。

「どこに行ってたの?」

マリーが腕組みをして俺の前にやって来た。何と答えればいいんだ?

「小百合と一緒に教室に入ってきたけど、二人でいたなんてことはないでしょうね?」

「いやそれは‥‥」


 俺はそっと小百合を見た。すると小百合はマリーの前に立って言った。

「四朗君に聞いたわ。あなたたち結婚するんですってね」

「そうよ。四朗がやっとその気になってくれたの。あなたには気の毒だけど、そうさせてもらうわね」

「ええ、わかってるわ」

え? 結婚を認めるのか?

「さっき四朗君と別れ話をしていたの。私はもう諦めたからあなたたちの結婚を心からお祝いするわね」

え? え? どういうことだ?


 小百合はそっと俺を見て笑みを浮かべた。私を信じてってことか?

「小百合がそういうなら最大のライバルがいなくなったわけだし、もう決定よね、四朗」

「え、あ、ああ」

俺はあやふやな返事を返した。小百合は何を考えてるんだ? さっぱりわからんぞ。


 やがて教室の戸が開くと担任の先生が入ってきた。

「朝の会を始めるぞ。今日の欠席は‥‥日向だけか」

そう言えば日葵がいないな。どうしたんだ?

「日向は心配なことがあるとかで今日は来れないそうだ」

ええ! 心配なことって俺のことじゃねえか? これはヤバい! 連絡とるの完全に忘れてたぞ。ああ、日葵の皆勤賞が俺のせいで終わってしまう。


「どうかしたの?」

隣の席にいる小百合が話しかけてきた。

「何でもない」

日葵の心配をしていたなんてことを知られたら大変だ。

「もしかして日向さんが休んだ理由を知っているの?」

「まさかそんな」

俺の顔が冷や汗でびしょ濡れになるのが分かった。


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