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第27話 盗撮されてる?

 俺はいつもの駅前で小百合と待ち合わせをしていた。少し早く来てしまったのか小百合姿はまだない。それにしても久しぶりのデートだ。マリーが現れてから恋人らしい行動は殆どないもんな。それを考えると今日は楽しみかも知れない。


「お待たせー」

小百合が手を振りながらこちらに向かってくる。小百合にしては少し可愛い系のワンピースを着ている。

「ごめんなさい。着ていく服を迷ってたら遅くなっちゃった。どう? 似合ってる」

「とても似合ってる」

俺は恥ずかしさを隠すためにやや下を向いて答えた。


「じゃあ、出かけましょう」

「で? 今日はどこに行くんだ? 言っとくが歴史の勉強系は嫌だからな」

「わかってるわよ。ところで四朗君は織田家と豊臣家と徳川家じゃどれが好き?」

「やっぱり歴史じゃねえか!」

「いいからいいから」

小百合が最近見せたこともない笑顔で俺を見ている。

「最終的に勝ち残った徳川家かな?」

「了解!」

まあ今日は小百合の思い通りにするか。せっかくのデートだもんな。


 俺たちは結構な時間電車に揺られると、とある駅に着いた。

「ここは徳川ゆかりの城よ」

「白と黒の綺麗な城だな」

「そう、この岡崎城は家康が生まれた城なの。まさに徳川氏の原点だと思わない?」

かなり嬉しそうに説明している。小百合ってこんなに歴史が好きだったのか?


「さあ入りましょう」

小百合に引っ張られるように俺は城に入った。はっきり言って城など全く興味なかったので城に入るのは初めての経験だ。入ってみて驚いたのは戦国時代でこれだけ高い建物が造れたんだと言うことだ。なんと5階建てである。


「写真撮りましょう」

「ああ」

小百合は俺にピッタリとくっついて自撮り用の棒で写真を撮った。他の客もそれぞれビデオを撮っている。さすが観光地だな。あれ? 今の人、俺たちを撮ってなかったか? まさかな。小百合だけならともかく俺を撮っても何の得もねえし。


「因みに家康は6歳で織田家の人質に、8歳で今川義元の人質になってたのよ」

「小さい時は苦労してたんだな。辛抱の末の栄光ってことか」

「勉強になったでしょ? 少しは歴史に興味を持てた?」

「ああ、少しだけな」

「次はあっちよ」

小百合が俺の腕にしがみついて俺を引っ張る。これはあれだな。本当にデートって奴だな。俺が長年求めていたのはこれだ。これなんだ!


「どうしたの涙ぐんで」

「あ、何でもない。家康の生い立ちに感動して」

「そうでしょう!」

涙が出てたとは油断したな。あれ? また俺を撮影した奴がいたぞ。本当に偶然なのか?


「小百合、さっきから変な人にビデオを撮られている気がするんだが」

「まさかー」

「そうだよな。気のせいだよな」

小百合はどこまでも笑顔だ。

「ねえ四朗君。この後名古屋城にも行く? ああ、でも時間的に厳しいか」

「そうだな。来るのにも時間かかったからな」

「いっそのことここに泊まってく?」

「ええーーー!」

「冗談よ」

「変な冗談はよしてくれ! 心臓に悪すぎる」

「あら、もしかしてドキドキしたの?」

小百合もこの手のからかいをするのか。これまた大発見だ。


 ジー! 数台のビデオが一斉にこちらを向いている。これは偶然なんかじゃないぞ。誰かが俺たちの行動を監視しているんだ。マリーか? マリーなら人海戦術は使わんだろう。異世界らしく変な雲を使うに決まっている。だったら芽依? これはあり得る。なにしろ芽依は友達が多そうだったからな。しかし、いくら友達が多くても中学生が大量にこんな遠くまで来るだろうか? それにビデオを撮影しているのはどう見ても成人男性だ。


「どうしたの四朗君?」

「さっきから監視されてる気がする。数名が一斉に俺達をビデオ撮影してたんだ」

「そんなことあるわけないわよ」

「本当だ。よく観察してみてくれ」

「わかったわ」


 小百合は周りをよく見て言った。

「怪しい人はいないわね」

「しかし、さっきは・・・・」

「私に任せて」

そう言うと小百合は俺の横に座った。


「ここだったら誰も居ないわ。マリーも芽依ちゃんもそして最近うっとうしい日向さんもね」

「そうだな」

何だこの胸の高鳴りは。

「ねえ、キスしちゃう?」

「え? え? 今なんて?」

小百合が俺の肩を手を回すと、一斉に撮影団が現れビデオに撮り始めた。


「やっぱり撮られてたわね」

小百合が振り向くとビデオを持った連中は慌てて消えていった。

「ええっと-」

「四朗君の言うとおりだったわね」

「あのう、キスは?」

「あれはビデオを撮ってるか確かめるための作戦よ」

「そうですよね」

俺は肩を落として呟いた。


「それにしても誰かしら? 私達のデートをビデオに撮ってどうするつもりなの?」

小百合のもっともな意見を聞いても何も頭に入ってこない俺でなのであった。

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