交流キャンプ
寮に向かって歩いていると、加瀬先生に会った。
「おはようございます。」
「あ、水川先生おはようございます。」
「先生は部活言ってきたんですか?」
「はいひと泳ぎしてきました。」
「寒くないんですか?」
「うち温水プールなので一年中入れるんですよ。」
「へえ。いいですね。水泳部強いんですか?」
「県大会には行けますよ。」
「そうなんですね。」
「あっ、あの子たち今日の参加者ですよ。」
加瀬先生は、前を歩く六人の男女を指さした。
「前の左から二番目の男の子と、後ろの右側の女の子、日本とアヴァロンのハーフなんですよ。対外的には日英ハーフ。」
「え、異世界人との?」
「あ、アヴァロンって異世界は異世界ですけど、結界があるだけで地球上にはあるらしいですよ。あの子たちのお母さんがアヴァロン人なんですけど、アレックス先生と親戚だそうです。」
「先生お詳しいんですね。」
「三月に挨拶にいらっしゃってたんですよ」
「そうなんですね。ちなみに僕もアレックス先生もうちの卒業生です。
「卒業生多いんですか?」
「うちの学校は特殊なので卒業生集めてるみたいですよ。だから説明はしょることもあるんで困ったら遠慮なく聞いてくださいね。」
「ありがとうございます。助かります。」
寮につくと、アレックス先生が一人の男の子と話していた。
「何かあったんですかね。」
「ね、いってみます?」
加瀬先生と近づくと、
「もうやらないって!!そもそも校則にそんなのかいてないじゃなですか!」
「校則以前の問題なんだ!」
二人は言い争っているようだ。
「アレックス先生、もうそのへんでいいですよ。ランス、二度としてはいけませんよ。見られてしまったものはもう仕方ないので、どこでどんな子に見られたのかをあとで詳しく話してください。アレックス先生も心配なのはわかりますが、落ち着いて。」
「はい」
「じゃあみなさん集合しているので、ここからクジを引いて班に分かれましょう。」
生徒たちはみんなクジを引いていく。ABCにの三班に分かれていった。
「班は留学生科4人と普通科2人の組み合わせになるはずです。向こうについたらありきたりですが、カレーを作りましょう。」
キャンプ場についた。
生徒たちはそれぞれの場所に分かれカレーを作り始めた。
「私たちは会議よ。」
アン先生が言った。
「アレックス先生、さっきのことを詳しく話してください。」
「ランスが、今日学校まで下りてきていまして、学校の外が見渡せる木の上に魔法を使って登ったんです。それを、外から小学生ぐらいの女の子が見ていて、そこですぐ隠れればいいのに、ランスは手を振っていたんです。それを見て、慌ててしまって・・・
「そう。小学生ぐらいの女の子なら気のせいでごまかせるかもしれないわね。少し様子を見ましょう。」
「キャー」
そんなとき生徒たちのほうから叫び声が聞こえた。見てみると、カレーの材料が舞い上がって勝手に切れていく。
「こらー!」
アレックス先生が怒りながら走っていった。
「はあ。風魔法で切ったほうがはやいものね。気持ちはわかるのだけれど・・・」
「使ったのは誰だー!」
アレックス先生は怒っているが、生徒たちはキャッキャと笑っている。
今度は、炭がゴウゴウと燃えている。
「アレックス先生はまだ若いから・・・」
アン先生あまり変わらないと思っていたのに、違うのだろうか・・・
「はい。留学生のみなさん、日本に来た意味を忘れずに。魔法なしで生活できるようにならないと、アヴァロンへ帰ってもらいますよ。」
アン先生は笑顔のはずなのに、生徒たちには何か感じるのか、ふざけるのをやめて作業をし始めた。
読んでくださってありがとうございます。