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初出勤

1年A組の担任の名前をアンに変えました。

1年B組の担任の名前をアレックスに変えました。

4月1日 初出勤だ。緊張のなか学校へ向かう。

学校につくと、応接室に案内され、会議の時間になり、会議室へ向かう。

今年新任の先生が二人いるようだが、彼らは別の場所にいるのでまだ学校へは来ていない。

転任の先生が紹介されていくなかで瑠衣の順番がきた。

「国語科の水川先生です。」

「よろしくお願いします。」

パチパチと温かい拍手で迎えられ少し安心した。


職員会議が終わると、それぞれ自分の席に移動することになった。


「水川先生。」

「はい。」

瑠衣に声をかけてくれたのは、背の高い男性だった。見上げて顔を見て瑠衣はポカンとしてしまった。

イッイケメーン

「1年B組の担任のアレックスです。よろしくお願いします。」

「あ、どうも水川瑠衣です。よろしくお願いします。」

「先生の机に案内しますね。あと、クラスの説明も」

「はい。お願いします。」


アレックスはオリーブ色の髪の毛で緑に灰色を混ぜたような眼をしたイケメンだった。

こんなイケメン見たことない。芸能人にもいないよ。

瑠衣はドキドキしたが必死に平静を装った。

「1年生のA組とB組は留学生クラスなので、教室が離れたところにあって、職員室もその近くにあるんです。留学してきて一年間はまずこちらの常識を覚えるためにクラスを離しておいて、二年から混ぜていくんです。」

「そうなんですね。」

「先生も異文化で大変だと思いますが、頑張ってくださいね。何かあったらいつでも相談してください。」

「ありがとうございます。」


職員室につくと、二人の先生がいた。金髪ロングのストレートロングの女性がこちらを見てほほ笑んだ。

「1年A組の担任のアンよ。留学生科の主任も兼ねてるわ。よろしくね。」

「よろしくお願いします。」

「あっちは、うちの副担任の加瀬先生。」

「よろしくお願いします。」

さわやかな男の先生が挨拶をしてくれた。ジャージをきている。

「よろしくお願いします。」

「この部屋は4人だけなので気軽にいきましょう。」

「はい!」

いきなりのゴージャス美人にびっくりしたが、気さくな人のようだ。

「昼食後に会議をするから、それまで片づけたり、ゆっくりしていてね。」

「はい。ありがとうございます。」


机は二つ横並びでそれを向かい合わせにして並んでいた。

本棚に持ってきた参考書を並べたり、支給されたパソコンをセッティングしたりとしていたら、お昼休みになっていた。

「水川先生、お昼ご飯はお弁当?」

「はい。今日はコンビニで買ってきました。」

「そう。なら、また慣れたらランチに行きましょう。」

「はい。是非。」


昼食後、会議となった。

まず配られたのは、行事予定表だ。

二週に一回は外に出る課外授業のようだ。

入学してすぐに、宿泊研修があり、夏、秋、冬にも一度ずつある。遠足や買物実習、農園体験、国会訪問、会社訪問などなど人と交流することが多いようだ。

宿泊研修のしおりが配られ読み合わせをしていく。生徒の名簿を見るとクラスの人数が6人ずつなことに驚いた。

これならすぐ覚えられそうだ。


会議が終わったところで、アン先生にソファ席へ呼ばれた。

「水川さん、これが校則なの。少し変わってるから慣れるまで大変だと思うけど、これが守れないと2年生になれないからよく覚えてね。」

「はい。」



    瑞穂高校 留学生規則


一.制服をきちんと着用すること

  身だしなみを整える

  髭をそる・羽根はきちんとしまうこと。

    

「え・・・羽根?」


一.携帯電話の使用は禁ずる

  授業中のテレバシーも禁止


「てればしー?」


一.学校は徒歩か自転車、公共交通機関で通うこと

  空を飛ぶ、もしくは跳んではいけない。


「そらを飛ぶ?」


一.その他、この国の学生らしく生活すること。

  


・・・・・・・・


「え?あの??これは?」

「具体例出したらキリがないから、最後はまとめちゃった。」

違う。そんなことを聞きたいのではない。

「あの?留学生って?」

「あら?聞いてない?アヴァロンからよ?」

「アヴァロン?・・・アーサー王伝説の?」

「そうそう。昔の人の名前よく知ってたわねー」

「え?冗談?」

「・・・校長先生から聞いてない?」

「留学生だとしか・・・」

「あら?じゃあ説明するわね。」

「え?あ、はい。」

どういうこと?頭がついていかない。

「大戦中にわたしたちアヴァロン人たちはね怒ったのよ。結界の外とはいえドンパチドンパチうるさい!ってね。そしたらイギリスは大騒ぎよ。顔見せたついでにイギリス以外の国も見たいわ!ってなった人たちがね、イギリスの首相たちを脅して留学させろ!って言ったから植民地を色々見せてもらったのだけど、あまり気に入らなかったのよね。それで困ったイギリスが第二次世界大戦で、負けた国の中の日本に押し付けたら、気に入っちゃったってこと。それで年に16人だけ留学できて、1年間頑張って合格して、そのあと2年高校に通って卒業したら、日本で自由に暮らせるって制度よ。」

「・・・はい。」

「まあ、日本語は話せるようになってから留学してるから大丈夫よ!」

何が大丈夫なのだろうか。

「わかりました。。」

混乱しすぎて、他の返事が出てこなかった。


  


読んでくださってありがとうございます。

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