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「さて、お前たち何か言い訳はあるか?」
「ありません!」
「・・・・」
智則が元気よく言った。
「増田は何か言うことは?」
白川が聞いてきた。
「ありません」
どうして俺と智則がこの状況になっているかと言うと、少し前に遡る。
「ようやく着いたな!」
「・・・・そうだな」
20分程歩いてようやく学校へ着いた。
「侑大まさか疲れたのか?」
「少しな」
「運動したらどうだ?」
「・・・・そうだな。考えとく」
まだ4月の終わりなのに少し暑い。これが地球温暖化の影響なのだろうか。
だが智則の言う事にも一理ある。ずっと家に引きこもっていたから体力がないのだ。
「まずは、職員室だな」
「ああ」
職員室に遅刻届けを書きに行かなければならないのだ。めんどくさい事この上ない。
そうして俺と智則は、職員室へと向かった。
そして現在。
俺と智則は、担任の白川に説教されているのだ。いや、説教もどきだったか。
「増田はともかくとして松田は真面目なやつだと思ったんだがな」
あれ?もしかして俺、問題児扱いされてる。俺何もやらかした覚えはないのだが。
「いや〜そんな事ないですよ。それに今回は俺から侑大を誘ったので」
「ほぉー」
そう言って白川が俺を見てくる。
「まぁいいだろう。今回は見逃してやる」
そう言って癖毛を触っている。毎日思うけど本当にすごい癖毛だな。
まぁ癖毛の事はいいとしてお咎めなしとはラッキーだな。少しは怒られると思っていたが、注意だけですむとは、やはり白川先生はかなり緩い先生なんだろう。
「よし。これ書いてさっさと行け」
そう言って遅刻届けを出てきた。
「わかりました」
俺と智則は、遅刻届けを書き始める。
「2時間目って何の授業だっけ?」
「たしか・・・・数学だな」
智則が聞いてきたので答えた。
「お前ら数学なのか?だったら早く言った方がいいぞ」
白川がそんな事を言ってきた。いやな予感がする。
「どうしてですか?」
智則が白川に聞き返した。
「あの先生は、遅刻者には凄く厳しいんだ。課題を多めに出されたりとか、放課後呼び出されて2時間説教とかあるからな」
『・・・・・・・・』
俺と智則は、お互い顔を見合った。
そして顔を近ずけ小さな声で話す。
「どうする?3時間目から行くか?」
「・・・・ああ。それがいいだろう」
まさか数学の先生がそんなにヤバい先生だとは思ってなかったのだ。
俺と智則の選択は正しい。絶対に3時間目から行った方がいい。
「お前らちゃんと授業に行けよ」
不意に声がした方を見ると、白川がニヤニヤしながらこっちを見ていた。
「サボりは許さんぞ?」
『・・・・・・・・』
白川の顔から少し圧のような物を感じた。たがその顔は魔王そのものだ。
こうして俺と智則は、白川の顔の圧力に負け教室へと向かったのだった。
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