19話
家を出て歩きながら考える。
今日何事もなく無事に帰れるだろうか?何か嫌な予感がするんだよな。俺の勘はかなり当たるからな。
それから15分程歩くと集合場所である駅が見えてきた。
いよいよか・・・・・・
俺は覚悟を決めて駅へと向かった。
駅へ着くと、美和先輩が来ていないかどうか探す。辺りを見渡したがまだ来てないようだ。
そもそも今日は、何処へ出掛けるのすらしらないのだ。何かを買いに行くのか?それとも映画でも見るのだろうか?どちらにしても目立つことは変わりないが・・・・・・
そんな事を考えていると、まわりが騒がしくなってきた。
俺は、まわりが騒いでた方へと視線を向けると、そこには1人の女性が歩いて来ていた。
美和先輩だ。
予想はしていたが、ここまで目立つ人だとは思わなかった。美和先輩は俺を見つけるとこちらに歩いてくる。
だが、そこで2人の男が美和先輩の前に立ちはだかった。何かを話しているようだが此方には聞こえてこない。
あれは、絶対ナンパだ。ただ歩くだけでナンパされるとか、めんどくさいんだろうな。
それから暫くたっても2人の男は、美和先輩に道を譲らない。かなりしつこいようだ。そう思っていると美和先輩お目があった。逸らそうと思ったが圧が凄いので無理だった。
ブブ
ふと携帯が鳴った。
確認してみると美和先輩からのメッセージだった。俺は、見たくないが見るしかないので見た。
メッセージの内容は・・・・・・
『この2人の男どうにかしてくれる?しつこいのよ。ちなみに断るのはなしだから』
美和先輩は、俺にどうにかしろと言ってきたのだ。
絶対に断りたいが、こっから見ても分かるほど圧が凄い。それにもしこのまま行かなかったら後でどうなるかわからない。
俺は、ここで行って目立つのと、行かずに後でどうなるかを考え、天秤に賭けてみた。
「・・・・・・行くか」
行くことにしたのだった。ここで行って目立つの嫌だが、行かなかったら後で何をされるか分からない方が怖いのだ。
美和先輩の方へと歩いて行き、段々近ずいて行くと男が何を言っているのか聞こえてくる。
「ねぇねぇ俺達と遊ぼうよ」
「そうだよ。君こんなに可愛いんだから。それで名前は何ていうの?」
そんな声が聞こえきた。よくこんな所でナンパ何かできるな。
「あ、侑大くん!」
そう言って美和先輩が俺の方へ走ってきた。そして俺の左腕に抱きついてきたのだ。
これには流石の俺も驚いた。
おいおい!何をしているんだ!めちゃくちゃ目立ってるんですけど!
普通抱きついてこないでしょ!!
俺は、チラッと美和先輩の方を見ると、悪魔のような笑みで俺の方を見ていた。
わざとでしょ!絶対わざとしてるよね。それにさっきから左腕に凄く柔らかい物が当たってるんだが。
そんな事を思っていると、2人の男達が此方に近ずいてきた。
「お前誰だよ」
「もしかして彼氏とか言わないよね」
俺と美和先輩に聞いてくる。
ここは正直に彼氏ではないと言おうとした時
「侑大くんは私の彼氏よ」
『は?』
美和先輩が爆弾発言をしたのだ。
男2人は驚いている。わかるよ、俺も驚いているから。
そんな事より・・・・・・
何言ってんだこの人は!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
馬鹿なのか?普通そんな事言わないだろう!せめて友達とかって言うだろう。
めんどくさい事になった。もしこの事が学校にバレたら大騒ぎになるじゃないか!どうしてくれるんだ!
そう思っていると、2人の男かま美和先輩に言葉をかける。
「そ、その男が彼氏って、う、嘘だよね?」
「そんな、パッとしないやつなんかちがうよね?」
そう男達が聞いてくる。それに美和先輩は
「あってるわ」
肯定してしまっ。これはもう後戻り出来ない。
「こ、こんな冴えない奴のどこがいんだよ!」
「そうだ!俺達の方がかっこいいだろう!」
2人の男が美和先輩に文句を言っている。
「黙りない。侑大くんの事を何も知らない癖に好き勝手言ってくれるじゃない」
いや、あんたもそんなに知らないだろう。
「私は侑大くんの良いとこをいっぱい知ってるわ。あなた達みたいに、ナンパするような人達に文句を言われる筋合いはないわ」
美和先輩は怖くないのか?
「ふざけんな!」
「女の癖に調子にのりやがって!」
ほら!男達キレてるよ。どうするんですか?この状況。
そう思って美和先輩の方を見ると、俺の方を見てニコッとしてきた。
つまり後はよろしくと言うこだろう。
美和先輩が挑発しておいて、キレた後は俺に任せるってどう言うことですか。
仕方なく俺は2人の男に話しかける。
「少し落ち着いでください」
「うるせぇ」
「テメェは黙ってろ」
どうやら俺の事は眼中に無いらしい。
こうなっならめんどくさが奥の手を使うか。俺はポケットからスマホを取り出した。
「これ以上騒ぐんだったら警察呼びますよ?」
そう言うと・・・
「あんま調子のんなよ!」
「やれるもんならやってみろ!」
聞き分けのない奴らだな。そう思いながら少し説明してやる。
「言っとくけど悪いのは全部あなた達ですから。目撃者もこんなにいるんです、もし警察沙汰になっならどうなるでしょうね」
そう言うと、男達は段々顔が青くなっていき
「お、俺達は、な 何も悪くねぇ!」
「お、覚えてろ!」
そう言って2人の男は去っていったのだった。
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