17話
「ワン!」
家に帰ると、いつも通りにモコが出迎えてくれた。可愛いな。
「ただいま」
それから、いつもの様に洗面所へ行き手を洗う。次に風呂のセットをした。その後は台所に行き夕食の準備。
いつもと変わらない風景、いつもと変わらない行動、これが普通何だ。なのに美和先輩に出会ってから少しずつ変わっていってるような気がする。これは俺にとっていい事なのだろうか?
「モコはどう思う?」
「ワン〜」
俺はモコに何を聞いているんだ。答えてくれるはずもないのに。俺が自分てわ答えを出すしかない。
「モコご飯だぞ」
「ワン!」
「いっぱい食べろよ」
モコにご飯をあげたので、俺も食べることにするか。
ブブ!ブブ!
そう思っていると、電話が鳴った。
誰からだ?スマホを見てみると知らない番号だった。出るかどうか迷ったが出ることにした。
「もしもし」
『もしもし侑大くん?』
驚いた。電話の相手美和先輩だったのだ。どうして俺の番号を知っているんだ?教えた覚えもないのに。智則が教えたのか?それは絶対ない。じゃあ誰が・・・・・・
『侑大くんが今何考えてるか当ててあげるわ』
「・・・・・・」
『どうして私が侑大くんの番号を知ってるんだでしょ?』
「・・・・・・」
やはり美和先輩は、エスパーなのだろうか?毎回毎回、俺の考えを読んでくるし。
『で、どうなの?』
「・・・あってます」
『そうだろうとおもったわ』
俺は美和先輩に誰から教えてもらったのか聞くことにした。
「誰から教えてもらったんですか?」
『白川先生よ』
はぁ〜。一体何をしているんだあの先生は。普通生徒の個人情報を教えたり何かしないぞ。今度あったら文句を言っとこう。
「それで。どうやって白川先生に教えてもらったんですか?」
『簡単よ。部活のお知らせなどをしたいから教えてって言ったら教えてくれたわ』
「・・・・・・」
あのダメ教師め。確かに理由になってはいるが、少しは疑ったりしろよな。相手は美和先輩なんだぞ。
「それで何の用ですか?」
『日曜日のことよ。集合場所は言ったけれど、時間はまだ決めてなかったから』
「そうですか」
『10時に駅集合ね』
「わかりました」
『私と出掛けられるのうれしいの?』
電話の向こうからでもわかる。たぶん人の悪い笑みを浮かべてるんだろうなって。
「うれしいわけないじゃないですか」
『フフ。帰る頃には楽しかったって言ってるわ』
そんなこと絶対ありませんよ。
『そろそろ切るわ』
「そうですか」
『日曜日遅れないように』
「はいはい」
こうして通話が終わった。
帰る頃には、楽しかったって言わせてみせるか・・・・・・そうなることはないだろう。
そう考えながら夕食の準備をしたのだった。
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