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14話

「美和先輩少しまってください」


ゲームを始めようとした美和先輩に待ったをかけた。


「どうしたの?」


不思議そうに、俺を見ている。ルールも決めあとは、始めるだけなのに急に止められたら気になるか。


「さっきルールは変えないといいましたが、少し変更してもいいですか?」


美和先輩は顎に手を置き考えていた。ただ顎に手を置いているだけなのに絵になる人だと思った。どうやら考え終わったのか、俺の方を見てきた。


「いいわ。ただし・・・私が勝った時の条件1つ追加ね」


そうきたか。確かにルールを変えるならそれなりの条件が必要か。


「わかりました」

「よかったわ。それで何を変更するのかしら?」

「手札は1人15枚で、1ゲーム勝負でお願いします」

「わかったわ。じゃあ今度こそ始めましょう」


そう言って美和先輩は、トランプシャッフルしていた。そして次は俺に渡してき、俺もシャッフルをやり終えた。


「俺がくばっても?」

「いいわよ」


俺は自分の分と美和先輩の分を配り終え自分の手札を確認した。

手札は微妙だった。


持ち札は、♥の12 4 5 13 10、♦の9 1 7 8 12、♠️の5 2、

♣︎の5 8 13だ。


美和先輩の手札によるが、勝てる可能性の方が高い。


「美和先輩3持ってますか?」

「持ってるわ」


そう言って♦3を出てきた。こうして大富豪は、美和先輩の先行から始まった。


「まずは・・・これね」


いきなり美和先輩は、6を3枚だししてきた。俺はパスをするしかなかった。


「パスで」

「フフ、いいの?」


美和先輩が挑発気味に言ってきた。


「戦略的なパスなので」

「そう。私をたのしませてね」


美和先輩は品のある笑顔で言ってきた。


次に美和先輩は9を3枚出ししてきた。


「パスで」


今回も出すものがなかった。てか美和先輩の手札強すぎだろ。もしかしてイカサマ?いや、俺だってシャッフルしたし、配ったのも俺だ。だからイカサマは絶対にない。そうなると運が良いだけなのか。


「またパスするの?こんなの相手にならないわよ」


美和先輩は人の悪い笑みで聞いてきた。


「・・・戦略的なパスです」

「ふーん」


美和先輩は俺の顔を見つめてくる。あまりの可愛さに俺は顔を逸らしてしまった。


「私はいいけどね。侑大くんとデートできるし」

「・・・・」


そう言って美和先輩は次のカードを出てきた。7を2枚出しだ。


「これあげるわ」


そう言って美和先輩は♠️の10と12を出てきた。7を出すと相手に自分の手札を渡す事ができるのだ。


俺はようやく反撃できる。まず8を2枚出して流した。8を出すと流すことが出来るのだ。


「ようやく反撃してくるのね」

「もう美和先輩の思い通りにはさせませんよ」

「楽しみだわ」


余裕の表情で美和先輩は言った。その余裕を今から崩してやるぜ。


次に俺は5を3枚出した。5を出すと次の人をスキップできるのだ。だが、出せる物がないのでパスをした。


「パス」

「あら?反撃してくるんじゃなかったのかしら?」

「・・・」


俺は何も言わずに黙ったままだ。これは賭けだ。もし美和先輩に出せるカードがあったら俺の負けだ。だかこれに賭けるしかない。


「私もパスよ」


よし!賭けに勝った俺は次のカードを出した。12を3枚出した。12を出すと指定したカードを相手が持っていれば捨てさせられるのだ。


「2」


俺は2を指定した。俺も捨てなければいけないが、美和先輩も持っていれば捨てなければならない。美和先輩は2枚持っていた。


「やるわね」

「どうも」


美和先輩は、まるで子供を慰めるように言ってきた。一体いつまでそんなこと言えるかな。


「パスよ」


美和先輩はパスをした。そして次に俺は7を出し、美和先輩に♥の4を渡した。もしここで美和先輩がパスをすれば俺の勝ちだ!


だがそんな期待を裏切るように、美和先輩は1を出てきた。


「フフ、私に勝てると思った?」


美和先輩は獲物を狩るような目付きになり言ってきた。まだだ。まだ諦めるのは早い。


「パスで」


俺は出すカードがないのでパスをした。


「フフ、楽しかったわ。侑大くんが必死に勝とうとしているところも見れたし」


みわは楽しそうに笑っていた。


「まだ勝負はおわってませんよ」

「いいえ決まってるわ。侑大くんが12を出した時に」


美和先輩がそう言ってきた。何故それで勝負が決まったんだ?俺は2を指定した・・・・・まさか!!


「気づいたようね」


俺が2を指定したことにより、俺も美和先輩も2を持っていない。もしここで美和先輩が1を出してきたら、俺はパスするしかない。


「チェックメイトよ」


そうして美和先輩は1を出してきた。俺は出す物がないのでパスをするしかない。


「・・・パスで」

「フフ。私の勝ち」


こうして、大富豪は美和先輩の勝ちで終わったのだった。


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