第三十二回 藩王進京中枢乱 残党余孽皆降服
洛陽外城には民が平和を謳歌し、漢の繁栄を顕している。内城は王侯士族の権力争いで殺伐とした雰囲気を醸し出し、皇宮には幾ばくかの悽涼を残し権力の中枢としての威厳が微かに残る程度だ。
俺は城外と王府にそれぞれ兵を残し、息子を縛り上げ参内した。
「臣、陛下に拝謁いたします」
「うむ、高卿、礼は要らぬ。それよりもこの事態は同すべか?」
「はっ、臣の愚見を言わせて頂くと劣子を斬首する他有りませぬ…」
「ふん!そうしてまで助かりたいか!虎に毒があっても子は食さぬと申すが貴様は獣にも劣るという事か!」
「父上!」
「黙れっ!罪人である貴様に出る幕など無い!」
「高卿、極刑とは行き過ぎる気がするが…」
「古来より、銭を借りればその債を返し、人を殺めたらば命をもって返す。と言うでは有りませんか!」
「刑は大夫に上がらず、礼は庶人に下がらず。とも言うぞ?」
「王子も法を犯せば庶民と同罪とも言います」
「朕が東と言えばそちは西を言うのでは埒が開かぬでは無いか!」
「律に依って斬首を…」
「そちの子ぞ?」
「…」
「言いたい事が有れば言え!罪は不問にするっ!」
「なれば、申し上げます。子も軍属の身なれば戦場にて罪を贖う方が宜しいかと…」
「ならば、先の戦にて罪を贖った!それ以上言うのであればそちを斬首する!」
「陛下がそう申されれば臣もこれ以上は言いませぬ。臣はこれにて…」
「待て。そちとは話が終わっておらん、残るように」
「はっ…」
そして、俺と陛下が残った。
「高卿、朕が頼んだ事は?」
「はっ、未だに…」
「良い、一朝一夕で為せる事では無い。卿、息子には良家の縁は結んでおるのか?」
「いえ、特に考えておりませぬが?」
「そうか、ならば朕の娘はどうか?」
「はっ?」
「実はのぅ、朕の公主が高景を見初めてあれ以来…」
「陛下、詔を!」
「うん?何のじゃ?」
「宗室に対する冒涜と言う罪を持って我が子を処断致します!」
「何故じゃ?」
「公主は然るべき者に下嫁するべきであり、劣子はそれに値しません!」
「…、しかし…」
「アレは職務を全うしたに過ぎず」
「そ、そうか、ならば朕からも公主に伝えておこう」
「よしなに…」
「高卿、竇輔は…」
「はっ!高句麗の公主を娶り、帝位を僭称しております…」
「そうか、何時まで戦をするつもりじゃ?」
「臣にも見当がつきませぬ…」
「うむ、ならば良き国を治める策は有るか?」
「はっ!それならば…」
この時代…必要なのあり過ぎだろ!まぁ、良いや。とりあえず、科挙への道を整えるか!
「学問の道を広げ、官吏を増やしては?」
「ほう?」
「官吏なる者、為人を第一とし、学問を二の次、無学の者や、世襲によってなった者を除けば幾らかは賢良な者を得ましょう…」
「わかった。内閣府と話をしてみる」
「陛下、臣より申し上げたき議が…」
「申せ」
「はっ!臣が治める遼州の地が広すぎておりまして…、遷民しては如何でしょうか?」
「うーむ、そうすれば…」
「何も一家揃えて移居せよでは無く、百姓の次男や三男を連れて行き、その地で田を耕したり、一技之長が有る者は其れを活かす事も…」
「何故か?」
「はっ!遼州の地は冬が厳しく、租税も儘りませぬ…。それ故に…」
「うむ、わかった。それと、卿は朕の国丈をどう見る?」
「どちらのでしょうか?」
「どちらもじゃ」
「董承、董大人は陛下の事を思っての事かと…、伏完、伏大人は…些か行き過ぎる様にも思えます…」
「皆まで言うな、今日はこれにて退くと良い」
「はっ!失礼致します」
俺は皇宮から出た。宮門の外にはバカ息子、小説によって勘違いされた全能野郎、ゲームでスキンヘッドにされた元殺し屋と同じくゲームで童顔なアホに変えられた可哀想な護衛が立っていた。
「孝父!待ちくたびれたぞぃ!」
「待てとは言っておらんが?」
「「ハハハハハッ!」」
「さて、我が家に良き茶が入った!我が屋敷にて共に飲もうでは無いか!」
「良いだろう…」
「父上、私は王府に戻ります…」
「うむ、わかった!王府を頼むぞ?」
「はっ!」
馬車に揺られながら、孟徳の屋敷に向かった。
「フハハハハ!どうだ!この魏公府は!」
「うむ。素朴にして雄壮、悽涼にして温和、脆弱にして剛堅。正に矛盾と言うに文字が服を着て息をしているお前らしいではないか!ハハハハハッ!」
「ふっ!お主にはわかったか…。つまらん!」
「うるせぇ!」
「おう!妻を紹介してやる!」
「おい?良いのか?」
「莫逆の友に隠し事なぞないわ!」
「そ、そうか…」
古代中国では余程の仲じゃない限り親兄弟以外には自分の妻を紹介する事は無い。例えば、蔡瑁と曹操だ。曹操が荊州に手を出すと蔡瑁は曹操の軍門に降り妻を紹介した例が有る。
「孟徳の妻、丁瑶と申します。遼王殿下今後ともお見知り置きを…」
「これは…夫人、高順です。宜しくお願いいたします」
「おい!お前、まさか?うちの嫁に…」
「お前と一緒にすんな!」
「チッ!」
「あのなぁ!俺ん家には三人もいるんだぞ!?殺す気か!」
「ふん!遼王ともあろう者が三人の女に臆するとはっ!こりゃあ傑作だ!」
「喧しい!当代一の大学者蔡邕、人臣極めた太師董卓、人中の呂布馬中の赤兎と呼ばれた飛将呂布この三人をどうにかして見せろ!」
「うむ、アレに太刀打ちは…儂でも無理じゃな!」
「殿下、夫君、宜しいでしょうか?」
「ん?どうした?」
「殿下、殿下には息子の命をお助け頂きはや何年も経ちます、その礼を遅ればせながら…」
「いや、曹夫人、礼は要らぬよ。此方にも思惑があった訳ですし」
「殿下のご寛容さに感謝いたしますわ!」
「いえいえ、朝中には何時も孟徳には助けられております故…」
「そうですか!ではっ!男同士の会話に私邪魔ですね!失礼致します」
「うむ、後は頼んだぞ!」
丁氏はそのまま何処かへ向かった。
「おい、孝父思惑とはなんだ?」
「ふん!思い出せよっ!」
「何をだ?」
「俺が飛将の配下ひいては董太師の配下で、お前は旗揚げしたばかりの頃を」
「ふむ、確かに我らは戦っておったのぅ?」
「おぅ!一勝一敗よ!」
「分けた戦もあったな!」
「ふっ、陳留か!」
「あぁ!そうだよっ!」
「フハハハハ!」
「お前と戦えば俺が持たん!間違いなく貴様の詭計に陥しいられて嫁ももってかれるしのぅ?」
「ふん!相変わらず分不相応な男よ!其の様に雄才武略を持ちながら天下を望まぬとはなっ!」
「天下を望む方が分不相応だよ!」
「ふん!晴天の雲の如く猛将、夜空の星の如く多くの精兵悍将を持ちながら無欲とはなァ…、解せぬ…」
「何がだよ?」
「何故、天下を欲しがらぬ?」
「うーん、要らねぇからだろ?」
「何故?」
「俺にはその才と徳が備わっておらん、更に言えば己の保身と何事にも困らない生活が一番欲しいからな、権力は…正しい人間が福と為し、愚かな人間が使えば禍でしたかない。だから、俺は遼州で王になり、中枢から離れて生きていたいのさ!」
「ふん!気楽なものよな!」
しょうがねぇだろ?国賊の子孫を匿ってんだからな!
「さて、茶も飲んだ!話もした!そろそろ王府に帰らせてくれんか?」
「泊まって行けば良いものを…」
「ふん、参内したのは必要だからだ。」
「『謀反』か?」
「ふむ、小鳥が集まってさえずればただの騒音よ」
「うむ、確かに煩いな」
「あぁ、孟徳…一つ頼まれてくれんか?」
「お前らしくないな!言ってみろ!」
「尚武、アイツを頼んだ…」
「ふん!父よのぅ?」
「貴様…!」
「ハハハハハッ!我らは『親家では無いか!』」
「ふむ、ともあれ頼んだぞ?」
「うむ!わかった!」
俺はとりあえず、曹府を出て王府に戻る道中に『この国の者では無い』者が行く道を塞いで来た。
言葉は先ず伝わらないだろうよ、なので手話でどいてくれとジェスチャーしたんだけど…どく気配は無い、な。
「…」
「…」
俺は持ってる槍を徐々に構え始め、向こうも胡刀を手にかけて抜こうとしやがる…。嘘?おっ始めんのかよ!
「…待たれよ…」
いや、喋れんなら最初から喋れや!焦るだろが!
「何用か?」
「用が無くばこんな処までは来ぬ」
「という事は、俺の事はもう知っておるようたが…?」
「我が名は馬胡韋だ…」
「ほぅ?続けよ…」
「場所を移せるか?」
あー、嫌な予感がする…。どうする?まぁ、話を聞くだけなら損はしねぇか!
「判った。場所を移すか」
「…」
そこは黙るんだな?まぁ、良いや!とりあえず場所を我が家に案内した。
「早く要件を言え」
「…、西涼の馬寿成をご存知か?」
「うむ、会った事は有るが深くは交わっておらぬ」
「そうか、その馬寿成に危機が迫っておると言ったら?」
「儂にはどうしようも無い事だ。それで?」
「ふむ、知らぬようだな」
「うむ、ならば郿塢城は?」
「郿塢城がどうした?」
「そこの主人がな…」
どうやら牛輔は妻の姉を頼り、羌の地に入ったまでは良かったのだが…理由は解らないが殺された様だ。そこで馬胡韋の部落もとばっちりをくらい全滅したらしい。
「んで?馬寿成が出てくる理由は?」
「俺の父親だ」
「はぁ?」
どうやら、韓遂と仲違いしていた頃に親兄弟を殺され、自身は子供ながらにどうにか逃げ切ったらしい。
「そうか、其れは気の毒にだな!」
「御託は要らん」
「にしても、的確に俺を狙えた理由は?」
「ふむ…、鋭いな」
「其の様な胡服でここまで入り込めるほど、この洛陽城は甘くないぞ?」
「内閣府…」
どっちかだろうなぁ…、まっ!どうにかされる前にどうにかしてやろうかな?
「ふむ、おそらく国丈のどちらかであろうな」
「ふふふ、鋭いな…、だが読みはハズレだ」
ケッ!野郎か!
「一つ分かりやすく言えば、アンタの最大の敵が俺を送り込んだ」
ケッ!劉備、竇輔、伏完…心当たりがあり過ぎる!クソッ!
「では、失礼させてもらうぞ」
返事して無いんだが…、まぁ、良いや!
三日後、西涼の大小の軍閥が王を称し西涼連合王国みたいなのが出来上がって、朝廷内がまた荒れだした。
「どれもこれもあの叛臣がっ!」
「其の叛臣なら此処に居るぞ!」
「貴様ァ!」
「喧しい!今それどころじゃねぇんだよ!どけっ!」
「臣順、陛下に拝謁いたします!」
「け、卿よ、ちょうど良い処に来た!こ、この、この叛乱はっ!」
「何を今更…」
「なっ!」
「陛下、とりあえず詔勅を一つ頂きたいのですが…」
「どうするつもりだ?」
「どうも何も…、叛乱を鎮めたければ馬騰を天水王にするしか御座いませぬ」
「しかし…!」
「あの者であれば西涼の中でも唯一の名家、あえて言えば陛下と同じ先祖を有しております故」
「はぁ?!」
「世祖光武帝の子顕宗明帝の妻は伏波将軍馬援の娘、その子孫が馬翼、馬騰の二人に御座います」
「…」
「北軍中侯馬翼を使者に立て赴かせましょう、其れと臣に兵十五万お貸しください。さすれば賊軍なぞひと思いに蹴散らしましょう!」
「そ、そうか!では頼んだぞ!」
「はっ!」
俺は軽蔑の眼差しで伏完に一瞥して王府に戻った。
「虎児!諸将を呼んで来い!」
「はっ!」
諸将が集まる前に、一人の若将軍が俺の前に立っている。
「父上!此度の…!」
「待て、お前は既に陛下より討寇将軍に任ぜられた身だろうが」
「しかし!」
「此度動くのは儂の府兵と陛下の禁軍である。貴様は陛下より兵を拝領し、その任に当たって居るはずだぞ?」
「ふん!討寇将軍なんて名ばかりですよ!やってる事はたかが羽林衛と変わりません!」
「甘ったれんじゃねぇ!クソガキッ!殺すぞ!?テメェが引き受けたんなら最後までやらんかい!」
「…!また、怒鳴りつけて…!今日という今日は私も我慢致しません!」
「テメェの考えなんざお見通しなんだよ!どうせ手柄立てて威張り散らしたいだけだろうがぃ!」
「ふん!この老耄が!」
「…、もういいや…お前…、表出ろよ、その腐った根性をきっちり叩き直してやるわ!」
「上等だよ!その代わり勝ったら連れてけよ?」
「寝言は寝てから言え!テメェごときに負けるくらいなら首ぃ括って死んでやるよっ!」
親子喧嘩が遂にヒートアップして互い、槍を構えて撃ち合う若い高景は飛びかかりつつ槍を縦に小さく回して叩きつけた。其れに対して高順は槍を浅く突き出して高景の穂先を叩く。叩かれた高景は其の勢いのまま回転して叩き返す。高順は上体を反らして躱す、槍を大振りに払う、互いの背を合わせた状態になったが、高順は反転して突く。高景は躱しきれないため上に飛び空中で横回転する。後に高順は鰐の食いちぎり方見たいだなと回想したという。
ここまでは互いに五分と思っているのは高景の方であり、高順は余裕をかましていた。
高景は槍を再び突き出し、高順が再び躱し槍を低く払う、高景は小さく飛び槍をしならせ高順を叩こうとするが、高順は槍を背負う形で高景の槍を弾く、そして、其の背負った反動を利用して槍を大振りさせて高景に当てるように軌道を修正する。当てられた高景は槍の反動に従い、一歩下がって槍を構え直す。
「ふん!年取りすぎて弱くなったか?」
「抜かせェ!」
高順は槍を上から叩き、左右にしならせ縦に回転させて突いて槍を思いっきり上に持ち上げる。高景の槍は高景の手から離れてカランカランと鳴らしつつ地面に転がった。トドメには地面に槍の石突を地面に立ててドロップキックで漸く勝負有った。
「どうだ参ったか!ドラ息子っ!お前なんざこんなもんだ!年寄りにすらまともに勝てんとはな!」
ゼーハーいいなが言う事でもないと少し自分が大人気なく感じた。
「クソォ!」
「先ずは治軍を学んでからだ!」
何事も順序よく!ってな。そういう事で諸将も集まった事だし、西涼に向かうとするか!
遼州では張郃、徐栄、張遼、張繍、甘寧の五人が揃って軍事会議をしていた。五人の将軍では埒が明かないので、軍事に賈詡が会議を進めていた。
「諸将、これより殿下不在の軍議を始めます。仰りたいことが有れば…」
「おう!ほんなら…ワシから一つええか?」
「甘将軍、どうぞ」
「おぅ、野郎共を陸地にゃ追い込んだが、一向に出て来やせんのじゃ」
「…わかりました。一先ず奴らを海に出さないように」
「おぅ!ほんならワシに任せぇや」
艦隊運用に関しては甘寧の右を出る者がそもそも居ないから、彼の好き勝手だ。
次に張遼が発言した。
「宜しいか?」
「どうぞ」
「北の諸部落は今の所大人しくして居るが…いつ動くか…」
「わかりました」
次に張郃が発言した。
「私から…、軍を北東まで進軍させており、行けば行くほど極寒の地に進んでおる。どうにか将兵を交代させ、休ませてやりたいが…」
「わかりました。では、将兵の選任儁乂将軍にお任せ致します」
「わかった」
次に張繍が発言した。
「甘将軍とほぼ変わらぬが、奴ら城より出て来ぬ、先程将軍方の発言を聞けば何やら不穏な空気を感じ取れます…」
「なるほど、わかりました」
かつての主従関係ではある会話がスムーズに進み無駄な会話が一切無い。
最後に諸将の筆頭である徐栄が口を開いた。
「うむ、話をまとめれば何やら断ち切れて居らぬようだな…!ここは飛燕らを動かし、遊軍を繰り出そうと思うが、文和先生どうか?」
「わかりました。概ね、その通りにお願い致します。私はこれを持ち帰り、銭糧の予算を出します」
「頼む…」
賈詡はその場を後にした。諸将はそれぞれに参謀がついてる為、臨時の独断専行権力を高順から与えられている。高順が特段指示を出さなくても大抵の事なら諸将で解決出来る体制である。逆に高順でさえ口を出せない部分も生まれたが、当の本人は面倒事が減ったと喜んでいた。
統帥本部の下に騎兵を司る騎軍都督府、歩兵を司る歩軍都督府、水軍を水師都督府を設立し、高順の安全を確保する為に創設された近衛都督府を王直属の機構とした。
統帥本部には賈詡、諸葛瑾、沮授らが分担し、騎軍都督府には都督張燕、督辦曹性、歩軍都督には簫建、督辦宋憲、水師都督府には都督甘寧、督辦蘇飛、近衛都督府には都督呉資、督辦章誑をそれぞれ配置しているため、王が居なくとも国家の軍政両立は成りなっている。
高順の戦略としては草原を睨みつつ半島を手に入れて日本列島を放置する予定である。海上封鎖した理由は後世の日本人が日本人らしく在る為である。朝鮮の人々が全員渡れば前での日本という国はただ土地を移しただけの朝鮮出しかない。そう思っている高順は多少の移民を認めつつも制限をかけているのである。
竇輔もただ傍観している訳では無い、高順が軍拡している間も何とか内政の立て直し、制海権を放置し、鴨緑江以南の防衛を測った。それだけに張繍も攻めあぐねていた。
これらの報告を逐一錦衣衛より聞いた高順は目を細め、何処か楽しんでいる節すら見えた。
まぁ、そうだよな!俺は軍人でましてや皇室外の藩王だ!中枢に警戒され、外敵には恨まれる。ヨーロッパ風に言えば辺境伯の位置だしなぁ…。敵を全て討ち滅ぼせば、其れこそ中枢の廷臣どもが声をたからかに高順討つべし!と叫び出すだろうよ…。そうならない為に竇輔を生かし、草原の諸部落を調子に乗らせる。完璧な生存戦略じゃねぇか!俺ってすげぇ!
傍から見れば敵を討ち滅ぼせない愚者に見えるだろうが、これも高順の生存戦略である。これを知っているのは賈詡と張遼のみでその二人が文臣武将を抑えている。
高順は軍十五万を率いて西涼に赴いた。