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外伝 小覇王江東平定記:小覇王破劉繇

孫策は、その『性烈如火』と称される激しい気性と、類まれなる武勇で、江東の地を駆け巡った。


孫堅の死後、孫策は父の軍勢を引き継ぎ、父の棺を故郷へと送り届けた後、高順の後見を受けながら成長した孫策は、その武勇を更に磨き上げ、江東平定へと乗り出した。


孫策は、江東平定の準備を整え、高順に挨拶をするため、徐州へと赴いた。


「叔父御!この孫伯符、江東平定へと出発いたします。この孫策、必ずや高順様の期待に応えてみせます」

孫策は、高順に力強く宣言した。

「伯符、お前の武勇、余は信じている。江東平定、必ずや成功するだろう」


高順は、孫策の成長を喜び、彼の背中を押した。


「叔父御、一つだけお願いがございます。母と兄弟、そして一族の者たちを、高順様にお預けしたいのです」


孫策は、高順に懇願した。


「伯符よ、それは…」


高順は、孫策の申し出に戸惑いを隠せなかった。


「叔父御、江東は遠く、戦乱の地です。もし、私に何かあれば、母や兄弟たちは…。どうか、高順様のお力をお貸しください」


孫策は、切実な表情で高順に訴えた。高順は、孫策の真摯な態度に心を打たれた。


「孫策殿、承知いたしました。そなたの母御、兄弟、そして一族の者たちは、余が必ずや守り抜いてみせる」

高順は、孫策の願いを快く引き受けた。


「叔父御、感謝いたします!このご恩、決して忘れません!」


孫策は、深く頭を下げ、高順に感謝の意を示した。


「伯符、気にするな。お前の頼みだ。無事に江東を平定し、再びこの地で会おう」


高順は、孫策にそう告げ、彼の旅立ちを見送った。孫策は、高順の言葉に勇気づけられ、江東平定へと旅立った。彼は、高順に託された家族のため、そして自身の野望のため、必ずや江東を平定し、高順の期待に応えることを誓った。


高順は、孫策の家族を丁重に扱い、彼らが安心して暮らせるよう、手厚く保護した。そして、孫策の江東平定の成功を、心から祈っていた。


孫策は、高順に家族を託し、江東平定へと旅立った。長江を渡ると、その若き血潮は沸騰し、内に秘めたる覇気が迸った。


「江東の虎、孫堅の息子、孫策!我が覇道を阻む者、断じて容赦はせぬ!」


孫策は、先陣を切り、瞬く間に張英が守る当利口を制圧し、その勢いに乗り、樊能、于糜が守る横江津も陥落させた。


孫策は、劉繇との戦いで、その武勇を遺憾なく発揮した。劉繇の部将、樊能は孫策の大喝に驚き、落馬死してしまう。


「孫策様のお通りだ!抵抗する者は、塵と消えよ!」


孫策は、于糜を腕で抱えたまま自陣に戻ったが、于糜はすでに窒息死していた。その大声と怪力から、人々は孫策を『小覇王』と呼んだ。


「伯符、やったな!敵は恐れおののき、逃げ惑ってるぞ!」


周瑜が、戦況を報告した。


「よし、この勢いのまま、劉繇の首を獲る!牛渚の要塞を攻め落とすぞ!」


孫策は、劉繇が籠る牛渚の要塞へと軍を進め、電撃的な攻撃で陥落させた。


「劉繇め、もはやこれまでか!観念して首を差し出せ!」


孫策は、劉繇に降伏を勧告したが、劉繇は抵抗を続けた。


「小覇王、孫策!貴様などに屈するものか!」


劉繇は、曲阿へと逃走した。


「逃がすものか!劉繇を追撃し、江東を平定する!」


孫策は、劉繇を追い、その部将である秣陵城の彭城国相薛礼、県南の下邳国相笮融へと狙いを定めた。


「まずは笮融からだ!奴の首を獲り、見せしめにしてくれる!」


孫策は、笮融を攻撃したが、笮融は兵を出し、両軍は激突した。


「孫将軍!我が軍の勢い、止まりませんぞ!」


孫策軍は、その勢いのままに五百級余りの首を斬り、笮融は陣門を閉ざし、籠城戦へと持ち込んだ。


「臆病者め!出てこい、笮融!貴様の首、この手で獲ってくれる!」


孫策は、笮融を挑発したが、笮融は動こうとしなかった。


「ならば、薛礼を攻める!長江を渡り、奴を討ち取る!」


孫策は、長江を渡り、薛礼を攻撃した。薛礼は、孫策軍の猛攻に屈し、逃走した。


「薛礼め、逃げ足だけは速いようだな!だが、逃げても無駄だ!」


孫策は、薛礼を追い、更に江東を平定しようとした。しかし、その隙を突き、于慈が再び軍勢を集め、牛渚の屯営を襲撃し、奪い返した。


「何だと!?于慈め、裏切りおって!許さんぞ!」


孫策は、怒りに震え、軍を反転させ、樊能らを攻め破り、男女一万人余りを捕虜にした。


「裏切り者どもめ!二度と逆らうな!」


孫策は、捕虜たちに厳命を下した。その後、孫策は再び長江を下り、笮融を攻めた。しかし、その戦いで流れ矢に当たり、股を負傷してしまう。


「くそっ、こんな所で…!だが、まだ終わらんぞ!」

孫策は、馬に乗ることさえできず、輿に乗せられ、牛渚の屯営へと引き返した。


孫策が死んだと思った笮融は、部下の于慈を送り、追撃を仕掛けさせた。しかし、孫策は伏兵を後方に配置しており、于糜軍を待ち構えていた。


「伏兵だ!敵を挟み撃ちにしろ!」


周瑜は、伏兵による挟撃を成功させ、于慈軍を大いに撃破し、千級余りの首を斬った。



周瑜は、孫策に報告した。勢いに乗った孫策軍は、笮融の陣営へと攻撃を仕掛け、左右の者に『孫策はここにあり!』と叫ばせた。笮融は、それを聞き、恐れをなし、濠を深くし、ますます陣営を固めた。


「臆病者め!出てこい、笮融!貴様の首、必ずやこの手で獲ってくれる!」


孫策は、笮融を挑発したが、笮融は動こうとしなかった。


「ならば、笮融は後回しだ!劉繇の別働隊を叩き潰す!」


孫策は、笮融を捨て置き、劉繇の別働隊の部将を広陵郡海陵県で打ち破り、さらに同郡の湖熟県、江乗県を占領した。


「江東は、我が孫策が平定する!逆らう者は、誰であろうと容赦はせぬ!」


孫策は、江東の地を駆け巡り、その名を轟かせた。彼の活躍は、高順の耳にも届き、高順は孫策の成長を喜び、彼の活躍を称賛した。


「孫策殿、よくやった。貴殿の武勇、天下に轟くであろう!」


高順は、孫策に手紙を送り、彼の活躍を称えた。孫策は、高順の言葉に感激し、更なる活躍を誓った。


「叔父御、必ずや叔父御の期待に応えてみせます。そして、高順様と共に、天下を平定し、民が安心して暮らせる世を創りましょう」


孫策は、高順への忠誠を誓い、江東平定を更に進めていった。


この頃、青州東萊郡の太史慈は劉繇の元に身を寄せていた。


「太史慈殿、貴殿の武勇ならば、必ずや孫策を打ち破れるでしょう」


劉繇軍の中には、太史慈を大将軍に任命し、孫策軍と当たらせるべきだと進言する者もいた。しかし、劉繇は客将を重く用いることで、部下たちに笑われることを恐れ、太史慈には偵察任務だけを与えた。


「太史慈殿、偵察任務、ご苦労であった。孫策軍の動きは、いかがでしたか?」


劉繇は、太史慈に尋ねた。


「孫策軍は、勢いに乗っており、油断なりません。しかし、必ずや打ち破れると信じております」


太史慈は、劉繇に答えた。ある日、太史慈は偵察に出ていたところ、同じく偵察に出ていた孫策ら十三騎と出くわした。


「孫策!貴様が江東を乱している張本人か!」


太史慈は、孫策に声をかけた。


「貴様こそ、劉繇の部下か!我が覇道を阻むならば、容赦はせぬ!」


孫策は、太史慈に言い返した。


両者は、一騎打ちを始めた。太史慈は、その武勇で孫策を圧倒したが、両軍が殺到したため、両者は一旦退いた。


「太史慈…、只者ではない。だが、必ずや貴様を配下に加えてみせる!」


孫策は、太史慈の武勇に感嘆し、彼を配下に加えることを決意した。


その後、孫策の勢いを恐れた劉繇は、曲阿では持ちこたえられないと判断し、逃亡した。劉繇配下の郡守たちも、守備を放棄し、劉繇と会稽郡丹徒県で合流し、長江を渡って豫章郡彭沢県を拠点とした。


「劉繇め、逃げおって!だが、江東は我が孫策が平定する!」


孫策は、劉繇を追い、江東の平定を急いだ。

劉繇を失った太史慈は、反乱軍を糾合し、丹陽太守を自称し、孫策に対抗した。


「孫策!貴様の好きにはさせぬ!この太史慈が、貴様の野望を打ち砕いてみせる!」


太史慈は、孫策に宣戦布告した。


曲阿県に入った孫策は、今まで戦った部下たちに恩賞を労い、多くの民を安定させるように治安の秩序に尽力した。そのため、揚州は安定した。


「皆の者、よくぞ戦ってくれた!貴様らの働きに、心から感謝する!」


孫策は、部下たちを労った。


同時に、孫策は寛大な政令を出した。『劉繇、笮融の配下の中でも降伏したり帰順する者がいれば、快く歓迎して一切の罪を問わぬこと。また、従軍を希望する者がいれば、その家族の賦役を免除せよ。さらに従軍を拒む者がいれば、そのままにして強制してはならない』」という内容であった。


「降伏する者は、罪を問わぬ!共に、この乱世を生き抜こうではないか!」


孫策は、降伏を呼びかけた。多くの人々は、この政令に狂喜し、わずか十日間で四方から多くの募兵志願者が集まり、孫策の軍勢は三万人ほど増加し、孫策の勢いはますます強大となった。


「孫将軍、ありがたきお言葉!我らも、将軍のために戦います!」


民たちは、孫策に感謝し、志願兵として集まった。地盤を確保した孫策は、江東の平定を更に進めていった。


一方、豫章郡に入った劉繇であったが、その時豫章では、高順がそれぞれを自身が治める豫州と徐州の太守に任じた為、諸葛玄と朱皓との間に争いは起こらなかった。


「劉繇殿、ここは高順様の勢力圏です。争いを起こさぬよう、ご注意ください」


劉繇の部下たちは、劉繇に忠告した。劉繇は、高順の勢力を恐れ、争いを避けることを決めた。そして、笮融と共に、豫章郡に留まり、再起を図ることにした。

「高順め…、いつか必ず、この借りを返してくれる!」


劉繇は、高順への復讐を誓った。


高順は、孫策の江東平定の報告を受け、劉繇の処遇について思案していた。劉繇は、孫策に敗れ、豫章郡へと逃れたものの、その地で再起を図ろうとしていた。


しかし、高順は、劉繇の才能を惜しみ、彼を配下に加えることで、更なる戦力増強を図ろうと考えていた。


「劉繇殿、貴殿の才能は、この乱世において、必ずや役に立つ。どうか、我が配下となり、共に天下を平定する道を歩んでいただきたい」


高順は、劉繇に使者を送り、降伏勧告と共に出頭を促した。劉繇は、高順の申し出に戸惑いを隠せなかった。


「高将軍…、貴殿は、私をどのように扱うつもりだ?私は、孫策に敗れた身。もはや、貴殿の役に立つとは思えぬ」


劉繇は、高順の使者に尋ねた。


「劉将軍、貴殿の才能を、吾は高く評価している。過去のことは水に流し、共に天下を平定する道を歩んでいただきたい」


高順の使者は、劉繇に答えた。


劉繇は、高順の言葉に心を動かされ、降伏を決意した。


「高将軍…、貴殿の言葉、しかと受け止めた。私は、貴殿の配下となり、共に天下を平定する道を歩むことを誓おう」


劉繇は、高順の使者に告げ、降伏の意を示した。

劉繇の降伏を受け、高順は自ら豫章郡へと赴き、劉繇と対面した。


「劉繇殿、よくぞ参られた。貴殿の決断、心より歓迎する。」


高順は、劉繇を温かく迎え入れた。


「高順殿、私は、貴殿の言葉に心を動かされた。どうか、私を貴殿の配下として、お傍に置いていただきたい。」


劉繇は、高順に懇願した。


「劉繇殿、貴殿の才能は、余にとって、かけがえのないものとなるであろう。共に、この乱世を終わらせ、民が安心して暮らせる世を創ろう」


高順は、劉繇にそう告げ、彼を配下に加えた。劉繇は、高順の寛大な処遇に感激し、高順への忠誠を誓った。そして、高順の配下として、その才能を遺憾なく発揮し、大きく貢献した。


高順は、劉繇を配下に加えたことで、更なる戦力増強に成功した。


高順は、劉繇を配下に加えた後、その才能を高く評価し、下邳国相に任命した。また、朱皓を東海太守、諸葛玄を琅邪太守に任命し、それぞれの土地の統治を任せた。


「正礼兄、下邳の地を治め民を安んじていただきたい」

高順は、劉繇にそう告げ、下邳国相の印綬を渡した。


「高将軍…、私のような者に、このような大役を任せていただけるのですか?感謝感激です!」


劉繇は、高順の厚遇に感激し、忠誠を誓った。


「文明兄、貴殿には、東海太守として、徐州の守りを固めていただきたい。胤誼兄、貴殿には、琅邪太守として、内政を充実させていただきたい」


高順は、朱皓と諸葛玄にも、それぞれの役割を伝え、太守の印綬を渡した。


「高順様、この朱皓、命に代えても、海の守りを固めます!」


「高順様、私も琅邪の地を、必ずや豊かにしてみせます!」


朱皓と諸葛玄も、高順の期待に応えようと、それぞれの土地へと赴任していった。


高順の勢力拡大に、曹操は焦りを募らせていた。


「高順め…、劉繇、朱皓、諸葛玄まで配下に加えるとは、もはや手に負えん!袁紹め、余計なことを…!」

曹操は、袁紹が高順と同盟を結んだことを後悔し、怒りを露わにした。


高順は、劉繇、朱皓、諸葛玄という新たな戦力を加え、その勢力を更に拡大した。そして、天下統一への道を、着実に歩みを進めていった。


高順は、劉繇、朱皓、諸葛玄の才能を最大限に活かし、それぞれの土地で民政を安定させ、経済を発展させた。その結果、高順の勢力圏は、民が安心して暮らせる豊かな土地となり、高順は民からの支持を更に高めた。


曹操は、高順の勢力拡大を阻止しようと、様々な策を講じたが、高順の勢いは止まることを知らず、曹操はますます焦りを募らせていった。


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