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第二十三回 諸葛亮大権独覧 高孝父重建遼国

蜀漢の軍部は、姜維を筆頭に、関興、張苞、張昭、趙広、趙統、馬秋、馬承、黄韜といった若き将たちが掌握していた。彼らは、高順の薫陶を受け、万単位の兵を率いる統率力と、いかなる敵をも圧倒する武勇を兼ね備えた、蜀漢最強の武将へと成長していた。


「我らの力、今こそ示す時!」


「父祖たちの名にかけて、蜀漢に勝利をもたらす!」


「俺の矛で、敵どもを蹴散らす!」


若き将たちは、それぞれの持ち味を発揮し、魏軍を圧倒した。彼らは、高順の期待に応え、蜀漢に数々の勝利をもたらした。


諸葛亮は、若き将たちが軍部を掌握したことで、自身の思惑通りに事が運んでいることに喜びを隠せなかった。


「これで、高順の力を削ぎ、私が蜀漢を掌握できる」


彼は、かつて街亭の戦いで失態を演じ、冷や飯を食わされていた馬謖を御史中丞に任じ、高順弾劾の任を与えた。


「幼常、お前には高順の不正を暴き、弾劾する使命がある。必ずや、高順を失脚させ、私のために働いてもらうぞ」


「はっ、必ずや高順を弾劾し、諸葛亮様の期待に応えてみせます」


馬謖は、復讐の炎を燃やし、高順弾劾の準備に取り掛かった。


馬謖は、高順の過去の行動や発言を調べ上げ、些細なことでも大げさに取り上げ、高順を貶めるための証拠を集めた。


「高順は、蜀漢の国益よりも、自身の保身を優先している。このような男が、大将軍の地位にいることは、蜀漢にとって大きな損失である!」


彼は、高順が若き将たちを危険な戦場に送り込んだことや、高順が私腹を肥やしているという噂などを、証拠として挙げた。


「高順は、蜀漢の敵だ。彼を失脚させ、蜀漢を救わなければならない。」


彼は、諸葛亮の指示に従い、高順弾劾の準備を進めていった。


馬謖は、高順弾劾の準備を着々と進めていた。彼は、高順の過去の行動や発言を調べ上げ、些細なことでも大げさに取り上げ、高順を貶めるための証拠を集めた。


彼は、諸葛亮の指示に従い、高順弾劾の準備を進めていった。


そしてついに、馬謖は高順弾劾の準備を終え、朝廷で高順を弾劾した。


「陛下、大将軍高順は、蜀漢の国益を損ない、私腹を肥やしております。このような男が、大将軍の地位にいることは、蜀漢にとって大きな損失です。どうか、高順を罷免し、蜀漢をお救いください!」


朝廷は、馬謖の弾劾に騒然となった。高順は、蜀漢の建国以来、長年にわたって蜀漢に尽くしてきた英雄である。その高順が、今になって弾劾されるとは、誰も予想していなかった。


劉禅は、高順弾劾の報告を受け、困惑した。高順は、父劉備の代から蜀漢を支えてきた重臣であり、劉禅自身も高順を信頼していた。しかし、馬謖の弾劾は、決して無視できるものではなかった。


「大将軍は、本当に蜀漢の国益を損なっているのか?本当に私腹を肥やしているのか?」


「陛下、高順は、若き将たちを危険な戦場に送り込み、多くの兵士を無駄死にさせております。また、高順は、私腹を肥やし、蜀漢の財政を圧迫しております。これらの証拠は、全て揃っております」


劉禅は、馬謖の言葉に、ますます困惑した。彼は、高順を信じたかったが、馬謖の証拠も無視できなかった。


「高順、そなたに弁明の機会を与えよう。そなたは、本当に蜀漢の国益を損ない、私腹を肥やしているのか?」


高順は、静かに立ち上がり、劉禅に向かって言った。


「陛下、私は、蜀漢のために、ただひたすらに戦ってきました。私の行動が、蜀漢の国益を損なっているというのであれば、それは私の力不足です。しかし、私は、私腹を肥やしたことは一度もありません」


劉禅は、高順の言葉を聞き、高順を信じることにした。


「高順、そなたの弁明を信じる。そなたは、これからも蜀漢のために、尽力してほしい」


馬謖は、劉禅の言葉を聞き、愕然とした。彼は、高順を失脚させるために、あらゆる手段を講じてきた。しかし、劉禅は、高順を信じた。


「なぜだ?なぜ、陛下は高順を信じるのだ?私は、高順の不正を暴くために、どれほどの苦労をしてきたことか…」


高順は、劉禅の信頼に応え、これからも蜀漢のために尽力することを誓った。


高順は、朝廷での騒動、そして劉禅の態度から、潮時を悟った。彼は、静かに劉禅との単独での面会を願い出た。

「陛下、お話したいことがございます」


劉禅は、高順の申し出を快く受け入れ、二人きりで話せる場を設けた。

「大将軍、何か朕に言いたいことがあるのですか?」


「陛下、私は、蜀漢を去ることを決意いたしました」


「大将軍、それは一体どういうことですか?なぜ、今になって…」


「陛下、私は、蜀漢のために、ただひたすらに戦ってきました。しかし、今の蜀漢は、私がいた頃とは大きく変わってしまいました。私は、もはや、この国に必要な存在ではないのかもしれません」


「そんなことはありません!大将軍は、蜀漢にとってかけがえのない存在です!どうか、考え直してください!」


劉禅は、必死に高順を説得しようとした。


「陛下、私の決意は変わりません。私は、将兵三十万を連れて、新天地を目指します」


「大将軍、どうか、蜀漢を見捨てないでください。私には、大将軍が必要です。」


高順は、劉禅に向かって深々と頭を下げた。


「陛下、どうかお許しください。私は、蜀漢の未来を、陛下に託します」


劉禅は、高順の背中を見送りながら、涙を流した。彼は、高順の決意の固さを知り、もはや引き止めることはできないと悟った。


高順は、静かに、しかし着実に、蜀漢を去る準備を進めていった。彼は、将兵たちに事情を説明し、共に新天地を目指す者を募った。


「諸君、私は、蜀漢を去ることを決意した。共に新天地を目指す者は、私についてきてほしい」


将兵たちは、高順の言葉に戸惑いながらも、高順についていくことを決意した。彼らは、高順の武勇と人柄を信じ、高順と共に新たな道を歩むことを選んだ。


高順は、将兵三十万を率い、蜀漢を後にした。彼らは、未知なる新天地を目指し、長い旅路へと出発した。


高順が蜀漢を去った。それは、静かなる嵐の始まりであった。長年にわたり、その存在が諸葛亮の野望の障壁となっていた高順。彼の離脱は、諸葛亮にとって、待ち焦がれていた夜明けを意味した。


「高順殿、ついに貴殿は去ったか。もはや、この蜀漢で私を阻む者はいない」


諸葛亮は、静かに、しかしその瞳には隠しきれない歓喜の光を宿していた。彼は、高順に対して複雑な感情を抱いていた。その武勇、人望、そして何よりも劉禅からの信頼。それらは、諸葛亮がどれほど知略を巡らせても、決して手に入れることのできないものだった。


「高順殿、貴殿は常に私を貶めた。頭脳は冴え渡り、知能は常人を凌駕するが詐術を使う事にのみその真価を発揮する、と。だが、それは嫉妬に他ならない。貴殿は、私の才を恐れていたのだ。」


諸葛亮は、高順の不在を喜び、同時に彼への積年の恨みを吐き出した。


高順が蜀漢を去る直前、劉禅に宛てた書簡の中で、諸葛亮の政治手法を厳しく批判し、警戒するように促していたことを、諸葛亮は知っていた。


「高順殿、貴殿は最後まで私を貶めるのか。だが、無駄だ。もはや、この蜀漢は私のものだ」


諸葛亮は、高順の警告を嘲笑った。彼は、高順が去った穴を埋めるべく、全力を尽くした。高順が育て上げた若き将たちを、自身の駒として扱い、蜀漢の国力を最大限に引き出そうとした。


「関興、張苞、趙広、趙統、馬秋、馬承、黄韜。お前たちは、高順殿の教えを胸に、存分に力を発揮せよ。そして、私の指示に従い、蜀漢に勝利をもたらすのだ」

諸葛亮は、若き将たちにそう命じた。しかし、若き将たちは、高順の教えを忠実に守り、諸葛亮の指示には必ずしも従わなかった。彼らは、高順が託した『民を、蜀漢を、愛せ』という言葉の意味を理解し、蜀漢の民、そして蜀漢の未来のために戦うことを誓っていた。


「諸葛亮殿、我々は高順様の教えに従い、蜀漢のために戦います。しかし、我々は貴殿の駒ではありません」


関興は、若き将たちを代表して、そう言った。諸葛亮は、若き将たちの反抗的な態度に苛立ちを覚えた。彼は、高順が去った今、蜀漢を完全に掌握できると確信していた。しかし、若き将たちの存在が、彼の思惑を狂わせ始めていた。


「高順殿、貴殿は最後まで私を苦しめるのか。だが、私は決して屈しない。必ずや貴殿の呪縛から解き放たれ、蜀漢を私の理想とする国へと導いてみせる」


諸葛亮は、高順への対抗心を燃やし、蜀漢の未来を賭けた戦いに身を投じていく。


しかし、彼の前に立ちはだかるのは、高順が育て上げた若き将たちだけではなかった。高順が去った後も、蜀漢の各地には、高順を慕う人々が数多く存在していた。彼らは、高順の教えを守り、諸葛亮の政治に反発していた。


「孔明、貴殿は高順様の足元にも及ばない。高順様こそが、蜀漢の真の英雄だ」


民衆の声は、諸葛亮の耳にも届いていた。彼は、高順の残した影響力の大きさに、改めて驚愕した。


「高順殿、貴殿は去ってなお、私を苦しめるのか。だが、私は決して屈しない。必ずや貴殿の残した影を打ち払い、私が蜀漢の新たな時代を築いてみせる」


諸葛亮は、高順への憎悪と対抗心を燃やし、蜀漢の未来を賭けた戦いに身を投じていく。高順は生きており、その影響力は蜀漢に色濃く残っていた。


高順は蜀漢を離れ、新たな天地を求めて東へと旅立った。彼の胸には、蜀漢への未練と、諸葛亮に対する複雑な感情が入り混じっていた。


「あばよ、腐れ詐欺師!お前さんの野望が蜀漢をどこへ導くのか、こっちの知ったこっちゃねぇ!だが、邪魔だきゃあするなよ?」


高順は静かにそう呟き、東への航海を決意した。


高順はまず遼東半島に上陸し、拠点を構築した。彼の軍勢は、長年の戦いで鍛え上げられた精鋭であり、その武力は周辺諸国を圧倒した。


「諸君、我々は新たな天地を築くために、この地にやってきた。我々は、この地を支配するために来たのではない。我々は、この地に平和と繁栄をもたらすために来たのだ」


高順は兵士たちにそう語りかけ、略奪や暴力を禁じた。彼の軍勢は、住民との友好関係を築きながら、徐々にその支配領域を拡大していった。


「この地を拠点に、我々は新たな国を築く。民と共に、平和で豊かな国を」


遼東半島を足掛かりに、高順は外域への侵攻を開始した。彼の軍勢は、その卓越した軍事力と統治能力によって、三年足らずで外域を完全に制圧した。


「敵兵を無闇に殺すな。民に危害を加える者、厳罰に処す」


高順は、兵士たちに徹底して民への配慮を命じた。

高順は占領した地域において、民生の安定、経済の活性化、そして文化の振興に力を注いだ。彼は住民の意見を聞き、彼らの生活を改善するための政策を実施した。また、彼は周辺諸国との交易を促進し、地域の経済発展に貢献した。


「民の声を聞き、共に国を創る。それが、私の目指す道だ。」


「我々は、この地に新たな国を築くのだ。我々は、この地を平和で豊かな国にするのだ。」


高順は理想の国家建設に向けて、着実に歩みを進めていった。


高順の統治は、周辺諸国に大きな影響を与えた。彼の軍事力と統治能力は、周辺諸国にとって脅威であると同時に、彼らの模範となった。高順は、新たな天地で、新たな歴史を刻み始めた。


「力による支配は長続きしない。民の心を得てこそ、真の国が築ける。」


高順は外域を拠点に、周辺地域への影響力を拡大していった。彼の軍勢は海軍力を増強し、海上交易路を確保することで、広大な領域を効率的に統治した。


「海を制する者が、世界を制する。交易路を確保し、国を豊かにするのだ。」


「諸君、我々は広大な領域を手に入れた。しかし、これは終わりではない。我々は、この地を拠点に、さらに世界へと進出するのだ。」


高順は兵士たちにそう語りかけ、新たな目標を示した。


高順は外域を拠点に、朝鮮半島への進出を開始した。彼の軍勢は、その卓越した軍事力と統治能力によって、抵抗勢力を圧倒し、半島全域を制圧した。


「朝鮮半島の民よ、恐れることはない。我々は、共に平和な国を築くために来たのだ。」


高順は占領した地域において、民生の安定、経済の活性化、そして文化の振興に力を注いだ。特に、朝鮮半島の民族との同化政策を積極的に推進した。


「異なる文化を持つ者たちが、互いに尊重し合い、共に生きる。それが、私の理想だ。」


文化交流の促進は始皇帝に倣い書同字、車同軌、銭同幣更に人同族を付け加えただけである。どうせ中世に入るまでハングル文字なんて存在せず二十一世紀初頭まで漢字を使っていたし(日本も使ってるからハングルのみにした)早い段階で同化すれば未来で『日中韓の殆どは韓国発祥である!』とか訳の分からんことをほざく事も無いだろう。


婚姻の奨励は単純に高順が未来人として韓国のクソみたいな政治体制を好まないからである。


人材の登用は曹操に倣い唯才是挙を基にして集めた。


これらの政策によって、高順は徐々に民族間の垣根を取り払い、一体感を醸成していった。


民族融合が着実に進む中、高順はついに新たな国家の樹立を決意した。国号は「遼」。それは、かつて高順が率いた軍勢「陥陣営」の旗印に描かれていた黒龍に由来する。


「遼は、新たな天地における我々の希望の象徴である。我々は、この地で新たな歴史を築き上げるのだ」


高順は建国の宣言において、そう高らかに述べた。


「民と共に、この国を創り上げる。それが、私の使命だ。」


遼は高順の卓越した統治能力と、民族融合政策によって、急速に発展を遂げた。高順は周辺諸国との交易を積極的に行い、経済の発展を促進した。また、軍備の増強にも力を入れ、強固な国防体制を築き上げた。


「交易は、国を豊かにするだけでなく、文化交流の架け橋となる。積極的に周辺諸国と交流し、互いに発展を目指すのだ。」


高順は、そう語り、交易の重要性を説いた。


「国防は、国の礎である。強固な軍備を整え、外敵から国を守るのだ。」


高順は、そう語り、国防の重要性を強調した。

遼の建国は、中華の勢力図を大きく塗り替える出来事となった。高順は、新たな天地で、新たな歴史を刻み始めた。


高順が遼を建国し、その勢いを拡大しているという報告が司馬懿の元に届いた時、彼は深い焦燥感に襲われた。


「高順め、まさかこのような事態を引き起こすとは…」


司馬懿は、地図を前にして唸った。高順が外域と朝鮮半島を掌握し、新たな国を築いたことは、魏にとって大きな脅威だった。高順の軍事力、統治能力、そして何よりも、彼が民衆から得ている支持は、司馬懿にとって無視できないものだった。


「このまま高順の勢力拡大を許せば、いずれ魏を脅かす存在となるだろう。早急に対策を講じなければ…」


司馬懿は、高順の動きを警戒し、情報収集を強化した。高順がどのような戦略で勢力拡大を図っているのか、どのような人物を重用しているのか、そして、民衆の支持をどのように得ているのか、詳細な情報を求めた。


「高順の動きを逐一報告せよ。奴が何を考えているのか、全て把握する必要がある。」

司馬懿は、部下にそう命じた。


同時に、司馬懿は魏国内の防衛体制を強化した。高順がいつ魏に攻め込んでくるか分からない状況下で、彼は万全の備えをしようとした。


「高順め、貴様がどのような策を弄しようとも、この司馬懿が必ずや阻止してみせる。」


司馬懿は、高順への対抗心を燃やし、魏の命運をかけて戦う覚悟を決めた。


「魏の威信にかけて、高順を打ち破る。必ずや、奴の野望を阻止してみせる。」


司馬懿は、そう強く誓った。


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