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異世界に妹と行ったらなぜかレジスタンスの一員に  作者: 佐々木ミナミ
秘密の住処
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第1章 秘密の住処 第4話 会議室の食事

 

 和哉が連れてこられたところは朝日が入り込んでいで明るいが木で作られた数個の椅子と机しかない小さな会議室みたいなところだった。

「会話もできないのに連れてきて何を話しろって言うんだよ」

 言葉が通じないことをいいことに毒づきながらも拷問の可能性もあることを内心ビクついていたため少し肩の力が抜けていた。


 ロバートはその部屋の奥にいきゆっくり机に腰掛け和哉を見て椅子を指で指しながら命令した。


「そこに座れ」


 言葉はまったくわからないが、椅子に座れって言ってんだろうと判断し椅子に手をかけながらこいつらと初めてコミュニケーションがとれたような気がしていた。


「やっぱり、人間言葉じゃないな」


 イタリアに毎年行っているくせに和哉はイタリア語がチャオ(やあ、こんにちは)とグラッツィエ(ありがとう)と数字しか話せない。ちなみに夢は母や祖父母から教えてもらいながら独学で勉強したためイタリア語がペラペラである。そのことを両親や友達にいじられた和哉は必ず。


「人間は言葉で話すんじゃない。ハートで話すんだ」


 と厨二クサイ台詞をはくことが決まりであった。


 しかし言葉がまったく通じなくても実際にコミュニケーションがとれたように錯覚して俺が思っていたことは正しかったんだと小さな感動で顔がニヤケそうになるのを我慢しながら椅子に腰かけた。


 そして言葉が通じなくても自分が日本人だと伝えて夢と共に日本に帰ると意気込んだ矢先に、小さな会議室のドアが勢いよく開き、和哉が独り言を呟いたときに怒鳴ってきた牢屋の見張をしていた若い男が箱を手に持ちながら入ってきた。


(顔、怖すぎだろう...)


 和哉がこの男を見てまず思ったことは怖いという感情であったがそれはしょうがない。


 この男はラリーという名前で、身長こそ和哉より小さいがさっき見た時は暗くて気づかなかったが額には大きな剣で受けたような傷がありタダでさえ細い目を細めながら和哉を親の仇のように殺気を含みながら睨んでいる。


 ラリーは手に持っていた箱をロバートに手渡すと和哉を睨みながら部屋を後にした。


 --どんだけ俺ら歓迎されていないんだよ...

 そんな悪いことしてないだろう、俺だって好きであそこにいたわけじゃないし気づいたらだからね。しょうがないんだからね。

 心でそう思い伝えたくてもそれを伝えることができないことが悲しくなり、やっぱ言葉大事なんだな...と先程とは真逆のことを考る和哉であった。


 和哉が一人で歓迎されていないことを悩んでるときロバートは箱から萎れたリンゴのような赤い物取り出した。


 なんだあれ? リンゴ?


 ロバートはその萎れたリンゴを取り出すと和哉に手渡した。そしてジェスチャーで食うように指示したが、和哉にしてみれば何も情報がないなかでこの赤い物は恐怖の塊のようなものである。

 和哉は返そうと思いロバートを見るが腰に大剣してるその剣にビビりそれを許さない。


 断ったらあれで俺を殺す気かな...でも昨日から何を食べてないからお腹はぺこぺこだし水も飲んでいないからカラカラだ...


 和哉は極限状態の緊張感で飢えを認識できていなかった。しかしこのとき暖かい部屋と2日ぶりの食べ物らしいものが目の前にあり緊張感が途切れたのである。


 最初はこの食べ物が恐ろしくてしょうがないものとして認識していたが今では日本で食べる真っ赤な完熟したリンゴより美味しそうに見えていた。和哉の唾液は既に際限なく出ていた。


 二人がいる室内は静寂の中、和哉が赤い物を食す音だけが響いていた。この赤いリンゴのようなものは味などほぼなく萎れた見た目とは逆に水分がこれでもかと出てくる不思議なものであるが和哉は一瞬で食べ終えた。


 うまい... うますぎる... そうだよな、この2日まともに何も口に入れてなかったんだ。当たり前か。この親父は水代わりにくれたのか? 和哉にとったらなぜこれを食わせたのか全くわからない。

 しかしその疑問はすぐに晴れることになる。


「どうだ、うまかったか?」


 ん? なんだ? 日本語が聞こえた... 空耳か。


「おい、答えろよ、うまかったか?」


 この親父が、話しているのか? 日本語を? え?

 --そうか、幻聴か...毒入りリンゴかあれは...

 俺は死ぬのか、まさか。


 ロバートは呆気に取られて間抜けな顔の和哉にもう一度尋ねた。


「もう一度きくぞ、うまかったか? それとも伝わってないのか... さっき食べさせたムチャは偽物だったか...」


 和哉はびっくりして開いた口が塞がらないと言う言葉の例写真のような正顔つきになっていた。


 あ、この人が話しているのか...あ、質問に答えないと...しかし和哉の頭が働くわけがない。


「さっき...食べたものムチャって言うんですか...」


 いや、ちがうだろ!! もっと聞くことたくさんあるだろう!! 頭ではそう思っていても上手く脳が働いてくれない。絞りでた言葉がそれであった。


「お、やっぱり伝わってたか。お前、すげーアホヅラだな。 ふー。

 --ひとつ質問だ。すぐ答えろ。お前は何者だ? 人族か? 闇族か?」


 え? 和哉は理解ができなかった。


読んでいただきありがとうございます!感想、アドバイスお待ちしております。

第5話も明日の昼には投稿予定です。

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