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異世界に妹と行ったらなぜかレジスタンスの一員に  作者: 佐々木ミナミ
プロローグ
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プロローグ

 

  空港には色々な集団が存在する。出張に向かう覇気のないサラリーマン。まるで大阪のおばちゃんかと突っ込みたくなるようなギラギラした服をきた外国からのツアーで来たおばちゃん達。旅行雑誌を広げながらどこを観光するか話し合うカップル。嬉しいそうにとても迷惑に暴れまわる子供をつれた家族。

 

  そうなると俺、武藤和哉はどの集団に属しているのだろうか?


  大きい集団で分けるとすればやはり家族ではあるが細かく分けると兄妹である。まあ、そんなことは特別に重要なことではない。


  「お兄ちゃん、チェックイン始まったから早くお兄ちゃんも並んで!」


  「おう」


  「もう、お兄ちゃんまた違うこと考えてでしょう。それとも浮かれてたの?まあ、しょうがないよね。こんなに可愛い妹がいて、その上に二人でイタリア旅行するんだから。お兄ちゃんは幸せもんだね」


  毎度毎度思うが俺の妹、武藤夢はすごいな。

  なぜ自分のことをこんなにも自信満々で可愛いと言えるのか? 俺は身長だけは180ぐらいあるが他のスペックは髪の長さも普通、顔は日本人によくある顔といわれる。そんな俺はまったくこんなこと思わない。思えるわけがないんだ。

 

  ...しかしこいつは確かに女の子らしいショートカットは可愛いし、ほんのりと茶髪がかった髪はとても似合う。既に高校二年生だというのに幼い顔もとても可愛い。身長は150センチ、体格も小柄で保護欲がそそるところは素晴らしいの一言だ。特に周りが身体つきが成長しているなか自分の胸が一向に大きくならないことを気にしていることもかわいい。自分のことを可愛いと思ってもしょうがない。

 

  しかし一言伝えたいことがある。別に恋愛感情などは微塵もない。

  ただ他の兄妹がいる家は知らないが、おれは妹が世界で一番可愛いと思っている。ただそれだけだ。


「どつしたの? じっと見て」

「お前の胸小さいなって」


「ふん!」

 

「うっ...」


  的確に溝内を狙うとは痛い...

  相変わらずだ暴力振るうのだけは早いな...


「キモにい、早くチェックイン」

「おい、ゆめ! キモにい良くない! ちゃんとお兄ちゃんってよべ!」

「......」

 

  おー、ジト目が半端ないな。


「よし、チェックインに急ごう」

 

  だめだシカトか、胸をいじられるとほんとこいつは怒るな。


「イタリア楽しみだな、ゆめ!」


「ーー相手が普通のお兄ちゃんだったらね。早くおじいちゃんとおばあちゃんに会いたいな。元気かな? 二人とも」


「先月にそっちへ夏休み行くって電話したときは元気だったし、たぶん元気だろう」


  俺とゆめはこの夏休みにイタリアの有名な観光地、水の都ベネチアに行くつもりである。

  別に観光しに行くわけではなく、ベネチアには俺ら兄妹の祖父母が住んでいる。


  それによりだいたい一年に一度は会いに行くことが恒例だった。今までは両親と行っていたが今年は俺が大学に入学したこと両親の仕事が忙しいのもあって兄妹だけでいくことになったのである。


  まあ、ベネチアに祖父母が住んでるのでもしかしたらと思うかもしれないが、俺たち兄妹は俗に言うクォーターだ。母方の祖父がイタリア人なのであるため、俺たちは四分の一だがイタリアの血が流れている。


  しかしおれはその血はどこに言ったのかというほどただの日本人顔である。両親を恨む。

  反対にゆめは四分の一のくせして初対面の人にはハーフと思われるぐらいの欧米系の血が強い。神を恨む。

 ま、チビではあるがな。

 

  夢は中学生のとき髪の色と顔立ちが周りと違うという理由で虐められたことがある。それからか俺と夢は色々あって冗談を言えるようになったのである。


----------------------


 面倒くさいチェックインも終わりやっと飛行機に乗れたことは乗れたが疲れた...

 なんで飛行機は新幹線や電車と違ってあんなにめんどくさいものが多いんだ。事件や事故の防止のためと頭では分かっても本当に面倒くさい。


 ゆめに至ってはそんなこと考えてないんだろうけどよ。


「お兄ちゃん!! みてみて、外めっちゃ綺麗だよ!!」

「綺麗ではあるけどよ。別に飛行機乗るの初めてじゃねーし。毎年見てるだろう。見飽きるだろうそんな景色」


 こいつはなんで毎回毎回飛行機からの景色にこんなに感動できるんだ


「はー。ほんと冷めてるよね」


 え? 俺が悪いのか?


「なにか熱中できることとかなんもないの?」


「ない! おれの人生目標は普通に生きて普通に死ぬことそれだけだ」

「寂しい人... そんな人が良くおじいちゃんとおばあちゃんの家にだけは熱心にいくよね」

「じーちゃんの飯は世界一だからな。行けるなら毎月行きてーよ」


 じーちゃんは昔、ローマの有名なイタリア料理店で修行していた。そのときイタリア語留学に来ていたばーちゃんと知り合い結婚。そのとき俺らの母が産まれたらしい。母が就職し日本支社に転勤して父と知り合い誕生したのが俺とゆめだ。

 その祖父は今もベネチアでイタリア料理に日本料理のテイストを加えたお店をしていて大人気である。じーちゃんの料理を一年に一度は食べに行く。これは義務なのである。


「ま、確かに本当に美味しいよね。おじいちゃんの料理。おばあちゃんも優しいし」


「早くつかねーかなイタリア。おれ寝るわ」

「え?寝ちゃうの?早いよ。暇だよ私。だいちち時差ボケなっちゃうよ」

「早く寝たら早くつくだろう。時差ボケなって寝れなくなったらゲームでもして時間潰すからいいんだよ。お前は映画でも見てなさい。新作たくさんあるだろう。おやすみ」

「はー。ほんとつまらない人だね。お兄ちゃん。おやすみ」

一人でも読んでくださる方いたら完結させたいと思います。よろしくお願いします。


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