余暇
一部を除きいつも忙しい住人達にも休日はあります。
さて、そんな住人達ですが休日をどのようにして過ごしているのでしょう。
case1
AM 6:30
工作員|(うわー、今日仕事休みなのにこんな時間に起きちまったよ。二度寝するか)
……
…………
………………
工作員|(寝れねえ!! 何で休日に限って寝れないんだよ。わっけ分かんねえよ。仕事の日はあんなに眠いのに。いや、待て慌てるな。この世界には羊を数えれば寝れるという噂がある)
「羊が一匹、羊が二匹、羊が四匹――――」
三十分後
工作員「羊が千五百三十七匹、羊がって眠れるか!!」
――コンコン
管婆「工作員さん、大きな声なんか出してどうかしたんですか?」
工作員「お、おばあさん。大声あげてすいません」
管婆「そうなんですね。朝食の用意はもうすぐできますからね」
工作員「あ、はい。分かりました」
管婆「それじゃあ、また後で」
工作員「……ニュースでも見て時間つぶそう」
『いただきます』
『ご馳走様でした』
工作員「さて、何をしよう」
(部屋は……掃除するほど汚くない。テレビは……いまいちだな。ん?)
十分後
工作員「おじいさんおばあさん、ちょっと出かけてきます。お昼は外で食べるんで大丈夫です」
管爺「おう、気を付けろよ」
管婆「いってらっしゃい」
工作員さんは海へ釣りをしに行きました。
釣果はそれなりだったみたいですよ。
case2
食堂
『――って寝れるか!!』
管爺「朝から元気じゃの。ほい」
軍師「そうですね、じっさま。最近の若い者にしては珍しい。うーん、ならばこれで」
管爺「軍師さん、あんたも十分に若いのに何を言ってるんだ。何と!! そうきおったか。ムムム、ならばこうじゃな」
軍師「その言葉ありがたくもらっておきますよ。ほほー、良い所に来てくれましたね。ではこうですな」
管爺「もらっておけ。ぬ、これは……」
軍師「どうしますか?」
管爺「軍師、あんたには敬老精神というものはないのか」
軍師「ハハハ、じっさま相手にそんなこと言ってられませんよ。って駄目ですよちゃぶ台返しは」
管爺「安心せえ。約束は守る」
軍師「ならよかっ――」
管爺「秘技天地返し」
軍師「ちょ、じっさま」
管爺「解説しよう。天地返しとは、自陣と敵陣を入れ替える非常に高度な技なのである。さて、ワシの番じゃな。ほい、王手」
軍師「いや、え、ちょっと。え」
管爺「ほれほれ、はよせんか。朝飯まで時間がないぞ」
軍師「こ、の、野郎」
管婆「朝ごはんの準備するから片付けてください」
管爺「ほいほい」
軍師「え、ちょ、待ってください」
管爺「続きは朝飯のあとじゃ」
『いただきます』
『ご馳走様でした』
軍師「続きするぞ、じっさま」
管爺「しょうがないの。婆さんや」
管婆「はいどうぞ」
管爺「ありがとさん」
軍師「すいません……って、おかしいぞこれ」
管爺「何がじゃ? ほれ、玉のお主からぞ」
軍師「こんなん勝てるか」
飛車
飛車 玉
管爺「ちゃぶ台返しはいかんぞ」
軍師「…………ま、ま、ま、マイリマシタ」
管爺「お主もまだまだじゃの」
おじいさんの高笑いと軍師さんの悲痛な叫びが食堂に響きました。
他の住人達は、軍師いい加減学習しろよと思っています。
この後軍師さんは神謀さんに泣きつきました。
case3
妖狐「おばあさんのひざまくら気持ちいいよー。ダメになる」
管婆「妖狐ちゃんの髪も手触りがいいね」
妖狐「うん。わっちの自慢なのさ」
管婆「そうかいそうかい」
妖狐「うにゅ」
管婆「お日様が気持ちいいねえ」
妖狐「……ふみゅ」
管婆「眠いのかい?」
妖狐「…………うん」
管婆「そうかい。今お布団用意するからちょっと待っててね」
妖狐「………………あい」
五分後
管婆「はいどうぞ」
妖狐「……………………おやすみ」
管婆「おやすみなさい」
妖狐「…………………………」
管婆「さて、ちょっと片付けてこようか……おやおや、困ったね」
おばあさんの服の裾を掴んで離さない妖狐さん。
おばあさんが嬉しそうな困り顔を浮かべていると、メイドさんが通りかかりました。
事情を察したメイドさんがおばあさんの代わりに色々しました。
after
工作員「久し振りにしたけど……うん上出来だな」
軍師「……機嫌良さそうだな工作員」
工作員「そういうお前は……またやられたのかよ」
妖狐「目下三十二連敗だね」
軍師「うっさい。じっさまが……じっさまがセコイ手ばかり使うのが悪い」
工作員・妖狐『……軍師(笑)』
軍師「憐れみながら小馬鹿にするの止めれ」
工作員「おじいさんに勝ったら考えてやってもいいかもしれんな」
妖狐「同じく」
軍師「……実力じゃ俺が上だし。正々堂々やれば負けないし」
工作員・妖狐『軍師(笑)』
軍師「それ止めろ!!」
今日も元気な住人達。
軍師がおじいさんに勝つ日は来るのでしょうか。
管爺「いやー勝った勝った」
管婆「おじいさん、大人気ないじゃないですか」
管爺「婆さんや、勝負というのは時に非道な物じゃ」
管婆「まったくおじいさんときたら」
管爺「そう簡単に勝たせはせんよ」
実に楽しそうに語るおじいさんとそれを温かい目で見守るおばあさん。
子供が増えたみたいで毎日が充実しているようです。