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悪役になりたい王子の国づくり  作者: プルル二世
第一章
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宣戦布告②

 ウルシェラ王国は、ユーリシア王国とは対称の場所に位置する国だ。地図上で見ると、国境付近の森林が境となっている。

 そんな国からの宣戦布告に、王が本音と思える言葉を漏らす。


「なぜ宣戦布告などされるのだ。我らは何もしていない筈だぞ」


 戦うことを決意した父上だが、理由も分からず宣戦布告されたことへの疑問は消えていないようだ。

 ウルシェラ王国とは友好的ではないが、嫌悪な関係でもない。だからこそ、急に戦となることには、疑問を抱かないのは難しいだろう。

 関係性が浅いため、ウルシェラ王国の情報は多くはない。

 俺が知っているのは、エンターテイメントが盛んな国であるということ。特に有名なのが、色んな国の実力者が集まるコロシアムだ


「強いんですか?その、ウルシェラ王国の軍は」


 ユリウスが珍しく興味を示した。


「個々の兵士の強くないと思う。だが、数が多い。戦いは、人数が増えるほど、力よりも知力が重視される。そう考えると、強いかは分からないな」


 俺の言葉を聞いた瞬間の反応から、ウルシェラ王国というより、敵の軍に興味を持っているようだ。結局、考えていることは戦うことばかりなのだろう。

 そんなユリウスと、フレンを側に置いた俺は、大勢の兵の前に立った。

 兵を率いる四人の王族が、兵士の前に並び立っている。


「諸君、単刀直入に言おう。隣国のウルシェラ王国が、我が国を攻めようとしている。これは許されて良い行為ではない。だからこそ、我々も武力をもって対抗する。その為にも、力を貸してくれ」


 第一王子が、言葉で兵士たちを鼓舞する。

 兵士たちは、雄叫びを上げて答えた。


「こんな数の兵士がいたんですね」

「ああ、ここにいる奴らは全員、国が所有する軍の兵士たちだ」


 ユリウスが兵士の数に驚くのも無理はない。

 この国では、国に所属する兵団と、各王族が所有する騎士団の二つが存在する。国に所属する兵団は、普段は主に王国内の警備だ。そして、全指揮権は国王が所有している。

 王族が所有する騎士団とは、主に仕えている王族の守護がメインだ。ただ、場合によっては、戦に参加することもある。

 それが今回だ。

 今回の戦では、三万の兵団に加えて、第三王子と第二王女が所有する騎士団が参戦することになった。少数ではあるが、騎士団の者たちは一人で、兵団の百人に匹敵するとも言われている。


「行くぞ、お前ら!」


 第一王子に続いて、第三王子が声を上げた。

 第三王子の言葉で、兵士たちの進行が始まった。

 王族や、その側近たちは、馬に乗って進んでいく。


「もっと急がなくてイイんですか?」


 兵士たちの様子を見ているユリウスが、疑念を示した。


「バッカじゃないの。こんな時こそ、急がずに体力を残してくべきでしょうが。敵は、兵を配置しただけで、まだ攻めあぐねているだろうから」


「そういうものですか・・・」


「アンタは、早く戦いたいだけでしょうが」


 ユリウスとフレンが、いつも通りの何気ない談笑をしている。

 これから、戦に向かうと言うのに、二人からは緊張感が一切感じられない。かく言う俺も、思いのほか緊張していないようだ。

 数時間、進み続けていると、所定の位置にまで着いた。


「随分と、拓けた場所だね」


「まぁ、ここは国境付近ということもあって、建物は建てずに、広大な平原となっているのさ」


「なるほど。でも、それが良い戦の場になるってことか・・・」


 流石のフレンでも、この場所を目にするのは初めてのようだ。地図上での知識として知ってはいたのだろうが、実際目にすると新鮮に感じるのだろう。初めて訪れる場所とは、そういうものだ。

 そして、兵たちには、待機の命令が下された。

 その間、王族たちは後方のテントに集まり、話し合いを行うことになった。


「聞いてくれ、俺たちは、王位を争うライバルで、敵対心を抱いているかもしれない。だが、王国に敵対する者が現れたのならば、我々は排除する義務がある。だからこそ、この間だけは協力しようじゃないか」


 俺たちを集めた第一王子が、俺を含めた三人の兄妹たちに語りかけた。

 今この場で、第一王子の言葉に反論する者などいる筈もない。


「いいぜ、今回だけは、お前の指示にだって従ってやるぜ」


「そうね、勝つための良い策があるなら、乗ってやってもいいわ」


「僕は、兄さんや姉さんたちの指示に従います」


 この瞬間、一時的ではあるが、四人の王族たちの協力体制が築かれた。

 

「それじゃあ、全体の指揮は俺が執ろう。ギールとミランダは、自分の騎士団の指揮を執ってくれ。作戦は俺が伝える。そして、アレンには、五千の兵団を渡すから、そこの指揮を執ってくれ」


 戦いになると口うるさいギール兄さんでも、ルート兄さんが喋ったことには口出ししないようだ。

 俺も、五千の兵を受け持つことを了承した。

 兵の数だけで言えば、敵軍と五分に近い。勝負の分かれ目は、指揮官の采配だろう。

 あとは、イレギュラーがないことを願うしかない。

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