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寿命「0」の少年との出会い

2話目です

私がついたときには手術は終了しており、医者に案内された部屋にはたくさんの管に繋がれた母の姿があった。


「なんとか一命を取り留めることはできましたが、とても苦しい状況です。千香子さんの体力次第ですが今夜が峠かと…」


母の頭の上の数字を見てみると

「0」

医者が一命はとりとめたといっていたから、今、生死の境をさまよっているのだろう。私はボーゼンとしていた。あのとき学校に行かずに母を見守っていれば…あのとき一時間だけ早く起きて数字の基準が「時間」であることを確かめていれば…様々な感情が私を取り巻き私は膝から崩れ落ち泣き叫んだ。


「なんで…なんでよ!起きてよ!母さん!!」


固く目を閉じた母を前に私は絶望し泣き続けていた。そのとき、

「ヴォン」

という音がした。なんの音かと思い顔を上げてみると母の「0」の数字の隣に

「⬆」

というマークがあった。

(今までこんなマークあったかな…?)

と思い、「⬆」に手をかざしてみると

「フュン」

母の数字が「0」から「1」に変わっていた。それとほぼ同時にそれまでモニターからなり続けていた警告音がピタリと止んだ。何が起こったのかわからずぼんやりしていると、いつの間にか病室を出ていった医者が一目散に病室に飛び込んできた。


「信じられない…あんなに危険な状態だったのに‥心拍数、血圧、呼吸数も安定している…」


驚きを隠せない医者に母の今の状態、さっきまででは考えられないくらいに健康状態を表すすべての数値が安定していることなどを聞いた。

私は母が助かったことに安堵した。それから数分後、母は目を覚ました。数値は安定していたもののいつまた危機的状況になるかわからないので母はしばらくの間入院することになった。


次の日の朝、私は久しぶりに母に起こされずに起きた。朝食は昨日のこともあってかあまり食欲がわかず食べなかった。学校に行くとなつきがホッとしたような顔で近づいてきた。


「えりーーー!!心配したんだからね!試合見てたらいつの間にか帰ってたし、そこから何回連絡しても返事ないし…!」


本気で心配してくれていたのだろう。目に若干涙が溜まっている。


「ごめんごめん。」


私はなつきに謝りながら昨日あったことを話した。母が急に倒れて手術を受けていたこと、危ない状態だったが奇跡的に回復し今はまだ入院していることなど、私の残りの命が見える能力や「⬆」を押したら残りの命が「1」になったことを除いては全て話した。


「大変だったね、ごめんね、なんにもしてあげられなくて…」


なつきは友達の私の助けになれなかったことを相当悔やんでいるらしい。


「大丈夫だよ!なんか数値も安定して今は体調の変化が急に起きた場合のためにいちを入院してるだけだからさ!」


と言ったものの、私も母のことが心配で少し声が震えてしまった。昨日母の「残りの命」に追加された「1」という数字の基準がまだ明確にわかっていないからだ。「1」という数字が出てから私は明け方まで母の様子を診ていたため、数字の基準が「分」や「時間」ではないことはわかったので、あと残された母の命は一ヶ月か一年…どちらにしても短すぎる命に私は少し焦っていた。

これから母とどう向き合えば良いのだろう。残りの短い時間で母にしてあげられることはなんだろう。そんな事を考えながら午前中の授業を受けているといつの間にか昼休みになっていた。母がいないため弁当を作れなかった私はなつきと一緒に購買へ向かった。


購買につくとすでに大半の商品は買われており残っているのはチョコパンが2つとバターパンが1つだった。私はチョコが大好きなのだが今は濃い味のものを食べる気にはなれなかったのでバターパンに手を伸ばした。


「「あっ…」」


私が伸ばした手は同じパンに向かって伸ばされた手と当たった。


「すいません!」


私は顔を上げて手を伸ばした人を見た。


「っっっっ…!」


私は驚いて後ずさりした。手を伸ばした人の「残りの命」は

「0」

私が昨日体育館の向かい側の観客席で見た男子だった。私の頭は今の状況に対応できていなかった。

(昨日見た「0」は見間違いじゃなかったんだ!ってことはなんでこの人普通に生きてんの!?絶対死んでるよね!ってことは霊…!?いやいやいや、霊なんて存在するはずないし‥)

私は色々と考えたがまずはこの場から離れたほうが良いと思い


「ごめんなさい!!!」


といってその場を離れようとした。その時、彼は私の腕を強く掴んでいた。


「ちょっとこっち来い‥」


彼は眉間にシワを寄せ、グイグイと私を引っ張って体育館裏まで連れてきた。

(やばいよね、これ‥そのまま連れてこられたけどもしこの人が霊だとしたら私襲われちゃうのかな…)

そんな事を考えつつ彼の行動を警戒していた。


「なんでそんなに寿命が短くなってんだよ……」

「へっ…?」

2話目を読んで頂きありがとうございました!!三話目も随時投稿する予定なのでよろしくおねがいします!!それと、星でこの小説を評価してくれたり、感想を書いてもらえると大変やる気になります。どうぞ、よろしくおねがいします!!

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