第8話 パーティ結成
俺は朝食を食べ終わり憂鬱な気分のまま荷物を纏め宿を出る。
「ホントに行かなきゃダメかなぁ…」
ボソッと呟いた言葉に突然後ろか返事が聞こえた。
「ダメに決まっているだろう?」
ビックリして振り向くとライラが立っていた。
何故?と言う言葉を飲み込んだ。
「何故私がここに居るのか疑問、と言うような顔をしているな。私もここに泊まっていたからだ。」
ライラ曰く木漏れ日の姉妹と仲が良く時々泊まりに来ているとの事だった。
「まあそんな事はいい、返事はナタリーを通じて聞いている。このまま冒険者ギルドへ向かうぞ」
そう言って歩いて行ってしまった。俺も急いで後を追う。
冒険者ギルドに着くとライラはのんびりと併設された酒場で寛いでいた。
「何やってるんですか…」
「何やってるもなにもなかなか来ないお前を待ってたんだよ、感謝して欲しいものだ」
なんだこの人…なんて思っているとナタリーさんが声をかけてきた。
「相変わらずですねライラさん。もう少し優しくして欲しいものです。」
ナタリーさんはそう言うと1枚の羊皮紙を手渡す。
パーティ結成にはパーティ登録が必要なのだ。
「はぁ…必要事項は記入してある。後はお前が同意すれば晴れてパーティー結成だ。」
ライラはそう言うと紙を俺に差し出す。これに名前を書いた時点でパーティとなる。ちなみにパーティの脱退は事後でも報告するだけでいい。
「分かりました。コレでいいですか?」
羽根ペンで名前を書きナタリーさんに手渡す。
「はい、コレでライラさんとグラムさんのパーティが結成されました。個人の冒険者ランクの他にパーティのランクもありますが結成直後はどなたでもFから始まります。そしてパーティの活躍や信頼、実力に応じてランクは上がります。個人のランクにも影響があります。」
ナタリーさんはそう言うとライラを睨み付けながら続ける。
「ギルドそのものの信頼を損ねる行為などはくれぐれも避けてくださいね?分かっていますね?ラ・イ・ラ・さ・ん?」
かなり圧がありライラも少し顔が引きつっている。
「それではパーティ結成という事でパーティ名はどうされますか?」
ナタリーさんの発言に俺と共に固まるライラ。誘っておいて何も考えてなかったのかコイツ…。