第7話 宿屋木漏れ日
俺はあの後違約金も無く一応竜種討伐に貢献したとして金額10枚を貰い少し懐も潤った。
「だけどまさかあのライラさんが…ね…」
俺は先程パーティに誘われた少女ライラの事を考えた。何故か俺を誘いパーティを結成しようとしている。
ナタリーさんも何かを知っているようだった。
「まあ考えても分からない…か」
考えても分からないのだから仕方ないと割り切り俺は宿を取りに王都を歩いていた。
見た目は木造で質素な感じだが雰囲気が良さそうな宿を見つけた。
「ここでいいか」
俺はその宿に決めると扉を開け中に入る。
中には若い女性とその人とそっくりの女の人がカウンターに座っており若い女性が口を開く。
「いらっしゃいませ、お1人ですか?どの程度ご利用されますか?」
「はい、1人です。7日程は滞在しようかと」
「はい、かしこまりました。それでは7日間で金額1枚です。朝晩7時から9時まで食事をご用意致します。過ぎてしまうと食べられませんのでお気をつけください。また別料金でお昼もお弁当をご用意できますのでお申し付けください。」
若い女性が説明を終え俺は金貨1枚を私鍵を貰う。
「部屋は2階でございます。」
女性はそう言うと階段を指さした。俺は部屋に行きそのまま寝てしまったのだった。
「おはようございます…朝食の時間が過ぎてしまいますよ?」
翌朝俺は女性の声で目が覚めた。
「ふぁーい」
間の抜けた返事をし着替えて下に降りる。
「ようやく起きたかい?」
昨日は一切話さ無かった女性が話しかけてきた。
「すみません」と謝ると女性は笑いながら言う。
「あんた、冒険者だろ?昨日は竜種が出たと騒ぎになってたからね。巻き込まれて疲れてたんだろ?」
そう言うと食事を並べ「食べな」と言ってカウンターに戻っていってしまった。朝食はパン、ベーコンエッグ、野菜たっぷりのスープとサラダだった。
「姉が申し訳ありません、ああいう性格なので…」
よく似ているとは思っていたが姉だったのか…。
「私は妹のルルと言います。姉はマーシュです。似ているので昨日名乗るべきだったんですけど気にしておられなかったので」
そう言うとルルは頭を下げて去っていった。
「ん、美味い…」
俺は朝食に舌鼓を打ちつつこの後のことを考え憂鬱になったのだった。
おはこんにちは!Tobariです。
【キャラクター紹介】
宿屋の若女将 マーシュ
種族 人間
職業 宿屋木漏れ日の若女将兼料理人
年齢 19歳
性別 女
【概要】
宿屋木漏れ日の若女将。勝気で短気な性格で少し口が悪い。度々上から目線な発言があり妹が尻拭いをしている。料理上手で木漏れ日のキッチンも担当している。見た目は美人だが人当たりが悪いため誰も寄り付かない。金色の髪を後ろでまとめポニーテールにしている。目の色は緑。胸は大きめ。
宿屋の若女将 ルル
種族 人間
職業 宿屋木漏れ日の若女将
年齢 16歳
性別 女
【概要】
宿屋木漏れ日の若女将その2。基本的に料理人以外を担当している。お淑やかで冷静な性格で姉とは対極だが仲はいい。
姉の起こした問題の尻拭いを良くしている苦労人。姉によく似て美人でお淑やかな雰囲気などから人気。しかし姉が目を光らせているため未だ恋には出会えていない。金色の髪を腰まで伸ばしている。目の色は碧。胸は対極に全くない。