第15話 決闘2
一方ファルスはと言うと。
「なんじゃ?もうへばっておるのか?情けないのう」
悠々と攻撃全てを跳ね除け無傷のままぐったりしたエンバーとダグラスを見下ろす。
「お、お前は何者なんだよ!」
エンバーの悲痛な叫びを無視しファルスは拳を構える。
「こんな強い人間がいるなんて聞いた事がない」
ダグラスはそう呟くがそもそも人間ですらない。
「まだワシはお主らに攻撃しておらぬからのう…一方的に攻撃を受けたのじゃ、ならば次はワシの番じゃろ?」
ダグラスは咄嗟に大盾を構える。
ズガッ!と言う音ともに遥か後方まで飛ばされ壁に衝突しダグラスは倒れる。
「なんじゃ?タンクの癖に随分脆いのう?」
拳1つで大盾がひしゃげ壁にもクレーターを作る。
そんな相手に勝てるわけが無い。エンバーの中で何かが壊れる音がした。
エンバーはその場にへたり込む。
「なんじゃ?もうお終いなのかの?ワシはまだ1発パンチをしただけじゃぞ?」
ガタガタと震えエンバーは声が出せない様子だ。
「俺達も終わったが、ファルスも…終わりか?」
俺はファルスに話しかける。
獄炎の檻もいつの間にか消えている。
「……ない。」
エンバーが何事か呟く声が聞こえる。
「認めないぞ俺は!そんな雑魚を抱えて俺たちに勝てるはずがないんだ!そうだ!これは夢だ!悪い夢」
半狂乱で叫ぶエンバーは血走った目を俺に向ける。
「全部、全部お前が悪いんだ!」
とんだ逆恨みだ。
「私は前々から断っていたはずだが?お前の誘いを断るためにパーティを結成したが…コレは逆効果だったか…」
ライラはそう言うがエンバーは俺を睨みつける。
「お前さえ、お前さえ消えれば!」
エンバーが叫んだ直後エンバーの耳には声が聞こえていた。
「力を欲するか?」
俺の耳に男の声が響く。
「力を欲するか?」
また俺のあの男の耳に声が響く。
「だ、誰だ!」
「あの者達を倒す力が欲しいのだろう?私が貸してやろう」
男の声は答えない。だが俺は勝てる力が欲しかった。
「欲しい!力を寄越せ!」
声の主は少し笑ったような気がした。
「その願い聞き届けたぞ、クックック」
エンバーからドス黒い魔力が溢れ出る。
「何をしおった!お主!馬鹿な真似はよすのじゃ!」
俺は見たことがあった。俺は過去に1度その状態の人間を見たことがある。
「悪魔…悪魔と契約したのか!」
ヨダレをダラダラと流し血走った目を俺に向ける。
「ゲヘヘハ!力だ!俺の!」
「馬鹿者が!」
言葉と同時にファルスの拳がエンバーの顔面を殴りつける。
「効かねえなぁ?」
ドス黒い魔力によって攻撃が阻まれる。
「ヒヒャッ!コレはイイ!イイぞ!」
黒い魔力は瘴気と言われ体を蝕む魔力だ。
「コレは気絶などと言える状況では無いな!」
ライラは杖に魔力を込める。
「オーバーブレイズ!」
ファルスに身体強化の魔法を施す。
「すまぬが手加減は出来んぞ!悪魔の囁きに乗り契約が成立した今どの道こやつは殺される運命じゃ!」
ファルスの拳には魔力が載せられている。
「すまない…エンバー!シャードーバインド!」
俺はエンバーを拘束する。
「こんなもの!俺の力の前には!無意味なんだよ!」
エンバーは力ずくで拘束から抜ける。
「くたばれ雑魚が!魔剣 インデュラ!」
俺目かけてエンバーが斬撃を飛ばす。




