第14話 決闘1
地下の訓練所に入るとそこにはSランクパーティヘルメスとライラが戦うと知ったギャラリーで賑わっていた。
「なるほどのぉ…ヘルメスとお主らの決闘というだけでこれ程まで人が集まるのは見ていて面白いのぅ」
ファルスは喧騒の中そう言うと面白そうに笑う。
「それではSランクパーティヘルメスとライラさんパーティの決闘を執り行います。審判は公平を期すために冒険者ギルド職員、ヘザーがやらせて頂きます。」
ヘザーと言うギルド職員がそう言うと俺達は殺す事は厳禁なため訓練所にある刃を潰した武器を各々手に取る。
「ふむ…」
ファルスは少し迷うと篭手を手に取りはめる。俺は短剣を手に取りライラは杖を持つ。
エンバーは直剣、ダグラスは大盾と短刀、レティとリースは杖を手に取った。
「それでは決闘を行います。両者準備はよろしいですね?それでは、始め!」
それぞれが武器を手に集まった事を確認するとヘザーは決闘開始の合図をした。
「雑魚はとっとと退場願おうか!」
その声と同時にエンバーが俺目掛けて突っ込んでくる。
ファルスが俺の前に飛び出すとエンバーが上段に構え振り下ろす剣を篭手で受け弾き返す。
「お主の相手はワシじゃ、手加減はしてやるでの。」
そう言うとファルスはエンバーを挑発する。
「チッ!」
舌打ちとともにファルス目掛けて剣を振るう。
「ダウンショック!」
弱体化効果を持つ闇魔術を俺は放つ。
一瞬エンバーの動きが鈍る。
「フレアプリズン!」
ライラがダグラスを巻き込みエンバーとファルスを閉じ込める。
「コレで邪魔なく魔法使い同士、全力でやれるな?」
ライラは不敵な笑みを浮かべ2人を挑発する。
「舐めないでください!ホーリーアロー!」
レティの魔法は不発に終わる。
「なっ!?」
「ぷッ…なんだその間抜け面は、そんなに不思議か?私たちが魔法を使えてお前たちが使えないのが」
ライラはそう問いかけ頷く2人だが答える気は無さそうだ。
「俺の魔術、ブラックアウト…使用した相手は一時的に魔法の使用に制限がかかる」
丁寧に俺が説明する。初級魔法だがその強さは確かで闇に適性を持つものなら必ず覚える魔術だ。
「なるほど、ならリキャストキャンサー!」
リースはありとあらゆる制限を解除可能の魔法、リキャストキャンサーによって制限を解除する。
本来はバインド系の魔法に使用する対抗魔法である。
しかしそんな隙をライラが許すはずが無かった。
「オーバーヒート!」
直後ライラから凄まじい熱気が発せられる。
「焼き切れろ!インフェルノ!」
「待て待て!それは死ぬだろ!」
俺が止めるがライラはリースとレティに向かって言い放つ。
「全力で防御しろよ?やけ死にたくなければな!」
レティとリースは全身を魔力で覆い、耐火魔法をエンチャントし更に魔法壁を張る。
それを確認するとライラは続ける。
「上には上がいるんだよ。見せてやろう」
俺はため息を吐き魔術を使う。
「マジックキャンセラー!」
張られていた魔法壁が消え耐火魔法を途切れる。
ライラは魔法を打ち出す。
「「いやぁぁぁ!」」
2人は悲鳴と同時に気絶する。
直後巨大な火球は消滅する。
「なんだ、少し脅しただけだろうに…」
ライラはそう言うとファルスの方に目を向ける。
ライラは元々インフェルノなんて強大な魔法は使っていない。俺の魔法によってただのファイアーボールを巨大に見せていただけだ。
コレで俺たちの戦いはなんとも呆気ない勝利だった。




