第13話 決闘前日
決闘まで残り1日となった。
ファルスの加入により戦力は大幅に増加した。
しかし俺は全く戦力にはなれない。闇魔法に高い適性を持ちながら魔力量は人並みで魔術師や魔法使いにおいては少ない部類となる。
「確かにお主の魔力は少ないのう…魔術師は己の魔力を術に変換するゆえ魔力量に依存するからのう…精霊を必要とする魔法とは少し違うが故に今のお主では戦えぬのう…」
ファルスからの俺の評価はかなり低かった。
「やっぱりか…俺じゃ戦力にはなれないよな…アイツらも俺が戦力にならないって分かってて持ちかけた節がある」
そう、ヘルメスとの決闘で俺は明らかに力不足なのは明白だった。それで俺と言う重荷があればライラにも勝てると踏んでの決闘だろう。
「いや、戦い方はいくらでもある…問題はアイツらの戦力だろう…4人に対してこちらは3人だ」
ライラは人数差に関して少し思うところがあるようだ。
「剣士とタンクじゃったか?そ奴らはワシが受け持とう」
ファルスは自信たっぷりにライラに答える。
「それに折角闇の魔法が使える者が居るのじゃ使わん手は無かろう?闇魔法は特に弱体化を得意とするのじゃ」
魔術から魔法に昇格すれば更に戦力になるとの事だが現状俺の魔力による呼び掛けに精霊は応えてくれない。
「まあ気にするでない…お主には今回の決闘では主に妨害をしてもらうでな!」
そう言うとライラも納得したのか頷く。
「それからお主には相手の戦力を教えてもらおうかのう。」
それから俺はエンバーたちについて知っている限りをライラとファルスに答えた。
そしてその日は解散となり翌日に備えて眠るのだった。
翌日俺たちは冒険者ギルドに来ていた。
「エンバーたちはまだ来ないのか?既に約束の時間だぞ…」
ライラは少し苛立った様に呟いた。
「落ち着くのじゃ、どうせ馬鹿らしい理由で遅れておるのじゃろう?その内現れるわい」
その言葉とほぼ同時に扉が開かれヘルメスのメンバーが姿を現した。
「遅れてすまないね、許してくれ」
「謝罪も無しか?プライドが許さないってか?」
ライラは不機嫌な顔をしながら答える。
「すまない、と言ったはずだが?」
「ふん、それで謝罪とは笑えない冗談だな?」
ライラがヒートアップし始めた為俺は慌てて止める。
「ライラ、待て今ここで言い争っても時間の無駄だ。決闘に勝って謝らせればいい」
ライラは納得した様子で少し落ち着く。
「グラム、言うようになったな。Sランク冒険者と組んだからといって勝てると思っているのか?」
エンバーは俺を煽るように言う。
「逆に聞くがお主ら、ワシらに勝てると思っておるのか?」
会話を聞いていたファルスが割って入る。
「誰だ?前は居なかったが…ふむ、いい女だな。俺達が勝ったらヘルメスに入れてやるよ」
「そんなのはこちらから願い下げじゃ、そもそも負けるつもりは毛頭ない」
エンバーは好きに足掻くといいと言うと冒険者ギルドの地下にある訓練エリアに降りていく。
俺達も後に続いて下に降りる。
今から決闘の火蓋は切って落とされようとしていた。




