第二話 異世界はゲームのようで現実だ
本日二話目。
読んでいただきありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
うーん、ここは危険だ。
山にいて山崩れに巻き込まれるほど危険なことは無い。
早く安全なところに移動しなければ命が危うい。
とは思うものの、問題はここが一番安全だというところだろう。
あれから少し経って、辺りを散策してみたが、崖下にはまだまだたくさんのモンスターが犇めいているし、ここは切り立った崖の山頂付近で周囲を崖に囲まれた場所だ。この崖を登れるモンスターは居ないようだし、襲われることは無いだろう。
後は崩れなければな…、ここにいたほうが安心だ。
しかし偶然とはいええらいことをしてしまった。不幸な事故で命を落としてしまったモンスターには冥福を祈っておく。
《職業【神官】を獲得しました》
また視界の端に何かが流れた。神官を獲得?
振り向いてみるが何もない。
いや、視界の端に何かが残っていた。
これは…アイコンか?
アイコンを意識してみると何やらゲームのメニュー画面のようなものが出てきて視界の一部を塞いだ。
「え? ゲームの世界なのか?」
見るからにRPGっぽさのある画面だ。
指で画面を触れてみようとするが突き抜ける。
いや突き抜けたように見えるだけだ。どうやらメニュー画面は実際にそこにあるものではなく幻の類らしい。
「なるほど、考えるだけで操作ができるのか…」
画面のカーソルが視線の動きと連動しているようだ。とはいってもできることは少ない。メニュー項目が二つしかない。
オレはその中の『セルフステータス』をタップしてみる。
するとオレの物と思われるステータスが表示された。
「HP300、MPが120、SP148? 器用値がなんか突出して高い? 本当にゲームだな、しかし基準が分からないからどう判断していいのか…。ん? 職業欄?」
ステータスの数値を追いかけていくと最後に職業欄という項目を見つけた。
『職業欄【罠士LV1】【石切技師LV1】【土木技師LV1】【崖崩士LV1】【神官LV1】』
これは、現在獲得している職業が表示されるらしい。
身に覚えのない職業が5つ…、いつの間に手に入れたというのか。
いや、そういえばさっき“神官を獲得”とログっぽいものが流れていた気がする。
メニューのもう一つの機能はバッグログ機能だったのでそれを使ってログを確認すると大量にモンスターを撃破したログや職業を獲得したというログが残っていた。
例の山崩れを引き起こした時に流れたのはこれだったのか。
ステータスの上の方を見てみるが、他にLV項目は無いようだ。
どうやら職業のLVがステータスに直結するタイプのシステムらしい。
しかし、この職業ってのはどうやって使うんだ?
よく見てみると職業欄の各項目に▼の表示があるのに気が付いた。
視線でタップしてみると各職業の技能欄というものが表示される。
「アーツ? つまりは技か。でも名前だけで説明が無いのはちょっとつらいな」
技能欄には【罠士】-『罠作り』『罠利用』『罠発見』などのアーツが表示されていたが、アーツ名にカーソルを合わせてもそれ以上回覧できないようだ。説明文が表示されないなんてずいぶん不親切な機能だ。
「とりあえず試してみよう。説明も無しじゃわからないし心配だ、この世界が夢なのかゲームなのかもわからないんだから情報は多いほうがいい」
まずは【罠士】の『罠作り』を使ってみるか、最初は使用方法が分からなかったが罠を作ろうとすると《『罠作り』使用》とログが流れた。アーツの使用は自動らしい。
転がっている石で落石罠を作ろうとすると、予想通り手ごろな石をどう配置すれば効率的な落石が生まれるのか何となく分かるようになった。
やはり補助的なパッシブ系の能力のようだ。
早速試して罠を作ってみる。
巨石を落とす罠が割と簡単に出来てしまった。
もちろんこんなもの作ったのは初めてだったが、なぜか効率的な作り方がわかるといった不思議な感じがした。
しかし作ったはいいが、これ普通に石投げるほうがよくないだろうか? 巨石の罠は手動発動タイプなので常にオレが見張っていなくちゃいけない。これでは面倒だ。
というわけで拾った石を崖下に投げてみた。
《職業【投擲士】を獲得しました》
《ハヤトは“ゴブリン”を倒した》
視界の端にログが流れると同時に崖下からモンスターのなんだか潰れた悲鳴みたいな音が聞こえた。
運の悪いモンスターに直撃したようだ。
南無と祈っておく
しかし簡単に職業が手に入るな。
あと、やはり職業を得てから行動すると自動でアーツが使用された状態になりその行動に補正が入る仕様のようだ。
もう一発石を投げてみたら、自動で《『投石』使用》とログが流れ、なんか投げるフォームとか飛距離とかが良くなっていた。しかもかなり…。明らかにキャリーで100m超えていた。
面白くて何回か投げてたらLVが2に上がった。
つまり職業は使えばレベルが上がるということだろうな。
さて、テンション上げながら一通り確認したが、落ち着いてきたら急に降下してきた。
これからどうするか…。
作品を読んで「面白かった」「がんばれ」「楽しめた」と思われましたら、ブクマと↓の星をタップして応援よろしくお願いします!
作者、完結までがんばる所存ですが、皆様の応援があるとやる気が燃え上がります!




