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終わらないスタンピード  作者: ニシキギ・カエデ
第一章 子どもたちの聖域
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第一話 異世界はスタンピードであふれている

毎日更新でまず二ヶ月は投稿する予定。10時頃に投稿します。

完結までがんばって行きたいと思います。良かったら見てあげてください。

「どこだここ…、夢かな…?」


 気が付けばオレはどこともわからない荒野にいた。


 おかしい。

 確かさっきまで会社の作業机でクラフト作りに励んでいたはずだ。

 たしか隣の佐藤氏とクラフト材の鹿の角は何の木がいいか議論を重ね、ケヤキの枝が最適だと結論が出たところまでは覚えている。

 その後の記憶は一切ないが…。


 少なくとも荒野に来た記憶は無い…と思う。

 なら夢だろう。夢であってくれ。

 そう願いながらもう周りをよく見渡す。

 見事に何もない荒野だった。見渡す限り草木一本無い黄土色の大地しか見えない。

 日本ではありえない光景だろう。

 なら夢だ。一旦そうしておこうと決めた。

 それがオレの処世術。不安に思うことはよく考えない、だ。


「恰好は、作業着のままか…。スマホは……電波無し、…ん? 充電92%?」


 自分の格好とケガが無いか簡単に確認して胸ポケットに入れているスマホを手に取った。

 しかし日本ならどこでも立つはずのアンテナが圏外になっている。

 さらにスマホの充電がほとんど減っていない。朝家で充電したきりなので、気を失ってからさほど時間がたっていないようだ。


「あと気になるのがさっきから響いてるこの地響きか…」


 実は気が付いた時から気になっていたんだが、さっきから下の方で何か大量のトラックでも通っているかのような地響きを感じていた。

 正直見るのが怖くなるような大きな地響きだ。

 だが、他に何も情報のない現状。あまり行きたくはないが、オレは確認しなければいけないようだ。


 ふぅ、と一息入れ覚悟を決めて荒野を歩く。

 するとすぐに崖が見えてきた。

 どうやらオレがいる場所は大きな起伏の頂上あたりらしい。

 さすがに立ったまま崖に近づくのは怖いので少ししゃがみながら崖下を覗き込んだ。


「な…んだよこれ」


 それは、俗にいうモンスターの大群だった。

 アニメや漫画でしか見たことが無いようなモンスター、それがほとんど真下にいる。それも数えることができないくらい大量にだ。

 ヤバい。多分オレがここにいると気が付かれたら死ぬぞ!

 本能的にそう思って片手を口に当て声が漏れないようにしながらモンスターの大群を見つめた。


 どうやら気が付いてはいないようだ。

 隠れるか一瞬検討するが、気が付かれないなら確認しておいたほうがいいと結論付ける。

 どのみちこの荒野の手がかりとか足掛かりとかなんて何もないのだ。

 引いたほうが悪手だろう。

 オレは声を漏らさないよう慎重に眼下に広がるモンスターの大群を見つめた。


 どうやらモンスターはどこかに向かっている、いや進行しているようだ。

 モンスターは獣型、虫型、樹木型など様々な形態を備えているが人型もいるようだ。

 RPGでおなじみのゴブリン、オーク、オーガらしきモンスターが武器を所持して進行に加わっている。

 あんな大群でどこに向かうつもりなんだろうか?

 視線を侵攻の先へ向けてみるが起伏の激しい荒野では先を確認することができなかった。

 モンスターがどこから来ているかも見えない。


 さてどうしよう。

 モンスターの大群は途切れる気配を見せない。

 何故かどんどん増えているような気すらするほどだ。

 気のせいであってほしい。

 というか夢なら早く覚めてくれ。


 そんなことを考えていると突如体重をかけていた部分からヒビが入ったような危険な音がした。

 それは眼下で鳴らされている地響きがやかましい中、何故かよく聞こえた。


「あ」


 思わず口を押えていた手が離れてしまうほどあっけにとられた。

 ちょっとヒビが入った場所から、まるで地割れのように広がりだしたのだ。

 慌ててその場を離れた、駆け足で。


 地割れは大きく広がり、ついに地滑りを引き起こした。


 山崩れだ。


「うわわ!」


 巨大な塊が地面に落ちた爆発的な衝撃と音が響いた。

 岩山が崩れたような衝撃音とモンスターの叫び声らしきものが断続的に聞こえる。

 あまりの衝撃音に立っていられずその場でうずくまってしまった。


 視界の端に何かが流れた気がする。

 いったい何が。


《職業【罠士】を獲得しました》

《職業【石切技師】を獲得しました》

《職業【土木技師】を獲得しました》

《職業【崖崩士】を獲得しました》


《ハヤトは“ゴブリン”を倒した》

《ハヤトは“ホブゴブリン”を倒した》

《ハヤトは“オーガ”を倒した》

《ハヤトは“トレント”を倒した》

《ハヤトは“グレイウルフ”を倒した》

《ハヤトは“メガカブト”を倒した》

《ハヤトは“オーク”を倒した》

《ハヤトは“タウバイソン”を倒した》

――――――

――――――

――――――

《特殊条件『大量撃破』『一騎当千』『初陣英雄』を満たしたため“上級職業”が解禁されました》


 後で知ったことだが、この世界にはファンタジー職業が実装されているらしい。





作品を読んで「面白かった」「がんばれ」「楽しめた」と思われましたら、ブクマと↓の星をタップして応援よろしくお願いします!


作者、完結までがんばる所存ですが、皆様の応援があるとやる気が燃え上がります!

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