表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/55

5.不意打ち

フライドチキンにかぶりつき、味の染み込んだパエリアを食べる。

流石は渚さんだ。どれもこれもめちゃくちゃ美味しい。


「渚さん、パエリアのレシピって教えてもらえませんか?

 今度、料理研究会で作ってみたいです」

「勿論! 学校でも作って頂戴」


こういうスペックの高さがあるから、本気で嫌われたりしない。

雫にとっては、それ故に複雑な気持ちを抱いてしまうんだろうけど。


「ところで古川先輩、冬の小説コンテストの調子はいかがですか?」

「今回はね、恋愛小説に挑戦してみようかなって思ってるんだ。

 その……丁度、雫さんと藤田くんみたいなカップルの」

「んふっ!?」


俺と雫をモデルにした恋愛小説!?

え、そんなん書こうと思ってたんですか!?


「ゲホッ、ゲホ、ゲホッ!」

「藤田くん!?」

「いや、ちょっと……驚いて」

「うん……ごめんね? だけど、二人って素敵なカップルだから、

 冬に合うあったかい小説が書けそうって思って……」


謝ることではないんですが、驚きますって。

雫も驚いて……いや、この表情は違うな。満更でもないって感じ。


「完成したら、是非読ませて下さい。

 まぁ、どう書かれてもボクと怜二君そのものの方が素敵ですが!」

「雫!?」

「それは私も思うよ。幸せそうだもん」

「先輩!?」

「二人ともお似合いだからね♪」

「鞠!?」

「文句なしの校内ナンバーワンカップルです!」

「八乙女!?」


集中砲火が! 集中砲火が過ぎる!

女三人寄れば姦しいとはよく言ったものだが、全部俺にキてる!

正確には俺と雫にだけど、雫はめっちゃ楽しんでる!

実質4対1! めっちゃくちゃ恥ずかしい!


「そりゃ、ウチの雫をオトした男だもの!」

「怜二君には頼りがいがある。雫を任せるには十分だ」

「シスコン兄ちゃんとしても合格点だってばよ」

「ちょっ!?」


7対1になった! そっちまで乗ってくんの!?

あぁもう、こうなったら仕方ねぇな!


「皆ありがとな! 俺もそう思ってる! 雫の隣に立つ男は俺だ!

 この場で宣言する! 俺はずっと最高の彼氏であり続ける!

 雫! 絶対に離さないからな!」


いっそのこと、この場にいる全員を証人にしてしまえ!

俺は一生をかけて、全力で雫を愛する!


「うん! ボクも絶対に怜二君を離さないから!」

「最高ー! やっぱり婚姻届取りに行くわよ!」

「落ち着け。……娘を、宜しく頼むぞ」

「親父、それ完全に結婚の挨拶に来られた時の答え」


雫の誕生日会だってのに、なんかおかしなことになったな!

だが、この気持ちに嘘偽りは一切ない!

絶対に、絶対に、絶対に俺は雫を愛し続け、

雫に大好きでいてもらえる俺であり続ける!

これが俺の決意だ!




会話を楽しみ、美食に舌鼓を打つ中、ケーキが登場。

……だが、ここで一つの疑問が浮上した。


「ケーキ様のおなーりー!

 雫の希望通り、いちごたっぷりで焼きましたー!」

(……ん?)


ということは、これは渚さんのお手製。

あれ、それじゃ源治さんと海が取りに行ったケーキは一体……?


「んじゃローソク立ててね。もう一個持ってくるから」

「うん、お願い。……ふふっ」


雫はこのこと知ってるっぽいけど、何の意図があるんだろ。

渚さん手作りのと、店売りので2種類食べたかったのか?

スイーツが好きなことは知ってるから、無くはない話だが。


「はい、怜君」


運ばれてきたケーキは、至って普通のホールケーキ。

渚さんが、それを俺の前に置いた瞬間。




「「「「誕生おめでとう、怜二(藤田)君(先輩)!」」」」」




「……は?」


何故か、誕生日……いや、『誕生』を祝う声が俺に。

困惑しながら視線を落とすと、そこには文字が書かれたチョコレート。


(Happy Birthday、怜二君……?)


え……これ、どういうことなんだ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ