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25.女子高校生によるコイバナ ~各種爆弾を添えて~

side:水橋雫

誰とでも仲良くなれる鞠ちゃんに、前より柔らかくなった門倉さん、

おしゃべり大好きな日下部さんに、ある意味一番喋る宮崎さん。

そこにボクを加えれば、修学旅行の班と同じメンバーの出来上がり。

色々あって仲良くなった皆は、友達と呼べる存在。


「早いもんだねー。正月とか昨日ぐらいだと思ってたら、

 いつの間にやら新学期って」


休み時間に友達と話す。

皆にとって当たり前の日常が、ボクにはずっと遠かった。


「冬休みは短いからね」

「しかしながら、お餅とか色々美味しいものがありまして。

 ……それを消費しきるまでの時間が欲しかった」


お腹を押さえてるけど、日下部さんの見た目は変わってない。

冬服だから分かりにくいというのもあるかもしれないけど。


「冬は痩せないからねー……お餅のカロリーの高さは知ってたのに」

「切り餅1個でご飯一杯分はあるからね。お米圧縮したようなものだから」


そう考えると、お父さんやお兄ちゃんはご飯4杯分か。

どっちも食べる方ではあるけど、お餅って凄いな。


「時におシズよ。君は相変わらずだね」

「……?」

「いやね、お餅は君の武器の感触と酷似しているというのは知ってるよ?

 けど、だからと言ってカロリーまでそこに集まるかね!?」


そう言う日下部さんの視線は、ボクの胸に一直線。

……確かに、冬服ですら目立つようになるとは思わなかった。


「くっそー! それでからに顔とかお腹とかにはつかないし!

 どんだけ都合いい身体を……」

「そこまで。日下部さん、同性間でもセクハラは成立するのよ」

「めんご」


こういう時、門倉さんは止めに入ってくれる。

遮り方も無理矢理じゃなくなったから、すぐに収まる。


「しかしながら、委員長さんも気になるのではなくってー?」

「私のカロリー計算は完璧だから」

「麻美ちゃんのお弁当ってバランスいいしね」


鞠ちゃんのお弁当もバランスいいと思うんだけどね。

最近のお昼ご飯は怜二君としか食べて無いから、構成は分からないけど。


「あたしも悪くないはずなんだけど、世の中不平等なもんだわ。ねぇヒナ?」

「えっと、その、理由、浮かんだ」

「ほう、それはまた」


今度は何を作ろうかな。料理のレパートリーは増えてきたし、

そろそろ飾り切りなんかも……




「雫は、恋、してる、から」




「あ、なるほどー!」


……宮崎さんは軽い吃音症らしいけど、

こうして区切り区切りになら普通に喋ることができるし、

自分の好きなことの話になると一切どもらないどころか、凄く早口になる。

そして……こういう爆弾を投げたりもする。


「彼氏がいればモチベ上がるし、ホルモン的なのもドバドバ出る訳で。

 そりゃ日に日に育ちますわな!」

「それでも成績は維持してる……いや、それ故にと言うべきかしら。

 恋人の存在は学業の妨げになるとは限らないのかもしれないわね」


どっちも思い当たるんだよなぁ……怜二君のおかげで勉強はもっと捗ってるし、

2ヶ月前に買った下着がもうキツくなり始めてる。

遺伝が主要因だと思うけど、怜二君が彼氏になってくれたのも関係してるはず。

どうあれ、成績は志望校に行けるだけのものがあればいいし、

身体は怜二君好みになれればいいんだけど。


「雫ちゃんって髪も綺麗だよね。シャンプー何使ってるの?」

「無香料で髪に優しいものを選んでる」

「というかこのサラツヤ感、トリートメントもしてるでしょ?」

「うん。同じメーカーので揃えてる」

「流石。うちのお母さんはその辺無頓着だからなー。洗えればいいって感じで」


コンディショナーは同じメーカーのシャンプーを使うことを前提にして作られる。

全部が全部そうという訳じゃないと思うけど、相性は考えられてるはず。


「雫の、髪って、天使の、輪、ついてる」

「それなー! こんなキラッキラした髪になりますかね普通ー?」

「髪伸ばしてみない? ロングも似合うと思うよ」

「怜二君の好みによる」

「そっか。怜二君はどっちが好みなんだろうね?」


多分、ボクの意志を優先してくれると思う。

怜二君って優しいから、こういう時の希望を聞きだすのって難しいんだよね。

それでも前よりは、自分の意志を出してくれるようになったけど。


「いずれにしても、どえらい美少女捕まえたもんだよ。

 あ、でもガードはきっちりしときなよ? 男は基本狼だから」

「そうね。藤田君は誠実な人間だけど、彼も男性。

 嫌なことは嫌と言った方がいいわ」

「あー……うん……」


……それ、やらかしたのはボクの方なんだよね。

怜二君の鋼みたいな自制心のおかげで事なきを得たけど、

あの時に色々なことが起きても全くおかしくなかった。

そして……なんなら起きて欲しかったとさえ思ってる自分がいる。


「顔だけ妥協すれば、いい男って捕まえられるもんだね」

「怜二君はカッコいいから」

「それはおシズ視点で……とも言い切れなくなったというのは予想外だわ。

 文化祭の頃から急にカッコよくなったけどマジでアレ何?」

「多分、眼鏡、かけたから」

「それもあるけどさ、何か妙にイケメンというか、男前に見えて。

 時に委員長、伊達メガネって校則的にどうなったん?」

「奇抜なものでなければいいということになったわ。

 深沢前会長もそのつもりで運用してたらしいし」


今ではたまにつけてくるぐらいだけど、怜二君は眼鏡が似合う。

枠で囲うことによる目力アップ効果がピッタリはまるから、

印象が大きく変わってくる。


「あの変わりぶりが春にあったら狙ったね。あたしにも先見の明があれば!」

「あなたはねぇ……私も違った意味で欲しかったけど」


視線を送られた鞠ちゃんも軽く頷いた辺り、神楽坂君のことか。

夏頃までは怜二君が色々とどうにかしてたから、分からなかったよね。


「そろそろ席戻ろっか」

「うーい。次は数学っと」


休み時間が楽しくなったのも、怜二君のおかげ。

毎日が楽し過ぎて仕方ないや。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 修学旅行でのグループの人たちとの交流が、 しっかりと描かれていて、ほっとしました。 出番があれっきりではもったいない、 と思っていたので。 [気になる点] 雫は我慢できるのでしょうか。 […
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