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冴島君は死んだ。  作者: 海琴
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クラスメイト1-1

あの時のことはあまり話したくないんですけど...学校側を通しているなら仕方ありませんね。

私の知っている限りのことをお話します。


あなたのクラスにも1人は「いい奴」っていませんでしたか?...そうです、ちょっとしたことだけど、めんどくさくて皆ががやりたがらないこと、そういうことを進んでやるような人です。そういう人って、2パターンに別れると思うんです。

凄く好かれるか、凄く嫌われるか。その違いはやっぱり「心からそれをやろうとしてるか」だと思うんです。皆に好かれようとか先生に気に入られようとか、そういったところがちょっとでも見え隠れすると「いい奴」なはずのキャラだからこそ、途端に凄く嫌われるんじゃないでしょうか。

冴島君はまさにそれでした。表面上では「全然嫌じゃないよ!」みたいな雰囲気を出しているんですけど、内心は嫌そうな感じがありありとこっちに分かっちゃって。そういうのを見ていると何か少しムカっときますよね。

そういう意味では彼はクラスから嫌われていたのかも知れません。けど、イジメ何かは全くありませんでした。多少いやいや感はあれど、冴島君が雑用をやってくれていたのは本当ですし、皆感謝していたんです。


ご存知かもしれませんが、私たちの学校にはM大学への推薦枠が1枠だけあります。M大学は新しい学校ですが科学系の学部が多く、そういう学部を狙ってる人にとってはM大学は凄く魅力的な学校です。

なので、毎年ものすごい激戦区なのですが、今年はもうほぼ決定したようなものでした。

笹塚君が立候補したからです。笹塚君は成績はいつも5番以内だったし、サッカー部の部長で人当たりもいいという、絵に描いたような完璧人間でした。彼は科学者になるのが夢で、M大学の推薦を取るためにこの学校に来た、と皆に言っていたため誰もが彼がM大の推薦枠を手に入れると思っていました。実際、笹塚君に勝って推薦枠を取ることなんて出来ないはずでした。

しかし、結果から言うと笹塚君がM大学の推薦枠を取ることはありませんでした。

M大学の推薦枠を取ったのはあの、冴島君でした。

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