表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空の上の鯨  作者: 大塚束紗
20/20

20

 窓の外からはゆったりとした風が、白いカーテンをふわりと揺らしながら入って来た。僕は一階のソファで目を覚ます。あぁ、寝てしまったのか……。そんなことを思いながら、体を起こした。


 窓の外から、差し込んでくる太陽の日差しが、部屋の中を照らしつける。その外から見えるのは、どこまでも広がっていそうな青空と、そこに浮かぶ白い綿雲。


 それにそんな空を映し出したきれいに水色に染まる海。岸にぶつかる波の音が、この部屋までやってくる。


「あれ……?杏佳は?」


 僕は頭をかいて辺りを見渡す。いつもの部屋、気持ちの良い日。そして、そこから続く家の扉が開いているのに気が付いた。


 僕は立ち上がり、家の扉から外に出る。


日差しがまぶしかった。二人だけ住むここは、草原の広がる丘の上にぽつんと建つ一件の家。そこからは海が見えた。そして青空も。



 僕はそんな世界を歩き出した。




 波打つ音。風の声。


 それに混じって、彼女の歌声が聞こえた。


 僕はその声がする方に歩いた。




 彼女を見つけたのは、坂を下りた岩山に囲まれている、入り江の砂浜。


 海を見ながら彼女は歌っていた。


 そして、僕が砂の上を歩く足音に気が付くと、歌うのをやめて、僕に向かってニコリとほほ笑む。


「湊君、おはよう。よく、眠れた?」


 僕は「うん……」とうなずくと、彼女はまた、笑顔を僕に向ける。




 だけど、彼女のその笑顔から、一筋の涙がこぼれるが、僕はなぜ、彼女がこの時泣いたのかは分からなかった……。




 そんな時、ここから少し遠い、入り江の海の中から、空に向かって巨大な鯨が、水しぶきを上げながら飛び出した。




それはまるで、「この世界にようこそ」と、僕達に言っているように思えた……。



前書きにでも書きましたが、感想やダメ出しなどありましたら聞かせてください。

これからも、あきらめずに頑張りたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ