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空の上の鯨  作者: 大塚束紗
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From  佐藤浩平

件名  もう名前も思いだせないお前へ


本文  


今日もこっちは雨が降っている……。相変わらずの雨で、おかげで毎日が憂鬱だ。ちなみに、そっちはどうなんだ?

お前がいなくなってしまって、もう一週間が過ぎようとしている。皆お前がいないことなんて覚えている奴はいない。今朝、とうとう恵もお前のことを忘れてしまったよ……。

かといって俺も、お前の思い出や、顔も性格も、確実にはもう思い出すことが出来ない。全く……、毎日頭がおかしくなりそうだ……。お前と言えば、前にメールで言ってたアンティークの店にもう一度行ってみたんだ。何かお前に繋がる、手がかりがあると思ってさ……。そしたらさ、店が建っていた場所は、もともと何もない空地だったよ。

管理者にも、話を聞いてみたけど、そこは前からずっと空地だったらしい。笑えるよな……。あそこには、初めから何もなかったんだ。

このメールを送った頃には、お前のことを俺はきれいさっぱり忘れてしまっているだろう……。でも、お前は俺の最後の質問にもちゃんと答えてくれたし、まぁ、直接会って言いたいことはたくさんあるが、別に恨んではない……。

まぁ、なんだ……。お前がいったい今、どうしているかはもう分からないけどさ、元気でな……。

                                     by 浩平




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