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私、鳴瀬恵は、今日の朝はいつもより早く家を出て、学校の校門の前でとある女子生が来るのを待っていた。それは、ただ一人、突然現れた泥棒猫……。南杏佳だ。
昨日浩平から、二人の様子が怪しいという連絡をもらって、部活動を早退し浩平と合流して、二人を尾行したのだが、それはまるで、私にはカップルそのものようにも見えた。
私は、彼女が湊のことをどう思っているのかずっと気になっている。しかし、彼女はそんな私の思いなんて知らないだろう。けれども、確かめないと私の気が済まない。
私が、校門で数分間待っていると、彼女はやって来た。まだ、届いていないのか別の学校の制服を着ていたため、一目で彼女だと分かった。
「……ねぇ、ちょっといい?」
たぶん今の私は、どうしようもなく嫌いだ。自分のことしか考えることが出来ない私なんか、消えて無くなってしまえばいいのに……。私は強くそう思った。