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朝、僕が住むマンションの部屋で、枕元のすぐ近くに置いてあった、携帯電話のアラームの音で目を覚ました。それはメールの着信だ。
僕は、ベットの上で何回か寝返りをうち、携帯の液晶画面をタッチして中身を見ると、
メールが一件。あて先は、佐藤 浩平だった。文面をスクロールすると、一言だけ『外を見ろ!』とぶっきらぼうに書かれていた。
「はぁ?」
僕はそう口に出しながら、自分の部屋の窓ガラスを開けて外を見ると、二階のマンションの前の道路に、傘を差した浩平の姿があった。
浩平は、ガラスを開けた音に気が付くと「よっ」と手をあげ、そして、次の文面が打ち込まれたメールがさらに届く。
『早く降りてこい。聞きたいことがある……』
今、何時だと思ってんだよ……。僕はそう心の中で叫んだ。