制服の可愛さで学校を決めちゃうこともある
新章突入です!
…がいきなり短いです!申し訳ない!
南の魔王城への遠征から早数年。
その間に起こったことをざっくり思い出す。
まず、遠征帰りにユアとメアがレベル100を超えていることが発覚した。
かなり相手も油断していたとはいえ、レベル100をとうに超えている勇者を曲がりなりにも倒したのだから当然なのかな?
本来は喜ぶべきことなんだろうけど、私たちは素直に喜べなかった。
それはなぜかというと…レベル100を超えると肉体の成長が止まるからだ。
あのロリっ子サシャでさえ成長が止まったのは10歳だ。
ユアとメアはまだ5歳だったからそれは…と思っているとタイミングよく女神様からラインが来た。
その内容は…
神)進化しますか?はい/a いいえ/b
朝)bで!
夕)成長を止めないということですか?bでお願いします。
芽)まだ成長させてあげてください!
葵)bbbbbbbbbbbbbbbbbb
神)( ´∀`)bグッ!
というやり取りがあり、無事にユアたちの体は成長している。
女神様ありがとうございます!
進化キャンセルすると「理の外れし者」の称号を得ることができない代わりに、肉体の成長も止まらないそうだ。
進化したいときは、レベルが上がったタイミングで女神様にラインで知らせればOKのようだ。
他にこの数年で変わったことは、よくお酒を飲むようになったことかな。
あのお酒に酔って酷いことになった例のパジャマパーティーの後もちょこちょこ4人で飲むようになり、中でも芽衣がお酒の美味しさに目覚めてしまったのだ。
私はいまだにビールはマズいと思ってるんだけど、芽衣はそれはもう美味しそうに飲むし、ワインも焼酎も飲めるようになった。相変わらず脱ぎ癖は治らないけど。
ただ酔うと近くにいる人の服まで脱がせようとしてくるので、メアちゃんはお酒を飲むのを反対している。
だから家族みんなが寝静まった後、こっそりとパジャマパーティーを開始するのが日課となっている。
そしてユアたちの学校生活についてなんだけど、これが一番様変わりした。
なんでもユアたちのクラスは歴代の中でも飛び抜けた成績を次々に叩き出して、特例としてSクラスに昇進したようだ。
そのSクラスの7人は「Sセブン」と呼ばれ、中でも成績トップ1,2のユアとメアは初等部にして初の白百合学園生徒会長と副会長に就任。現在は学園のアイドル的存在のようだ。
そんな優秀な2人だから、白百合騎士団の2代目団長兼担任の先生でもあるユイカさんがことあるごとに家に来てはユアとメアを騎士団へ是非と口説かれている。
私たちはユアとメアちゃんが入団したいならその意思を尊重してあげようと思っている。
2人とも最初はきっぱり断っていたけど、ユイカさんの熱烈な説得もあり最近は真剣に悩んでいるみたいだ。
うんうん。悩むことはいいことだ。自分で考えて結論を出す癖をつけないとね。
ちなみに私たち4人も学校に貢献したことがある。
それは学校の制服を作ったことだ。
初めは私服で登校しているユアたちを見て、やっぱり学校と言えば制服でしょ!と軽いノリで始めたんだけど、だんだん熱が入ってきて、最終的には西の街のデザイナー会社の社長であるシオンさんと団長のユイカさんとの共同作業になり、無事に白百合学園の制服が誕生した。
この世界に制服の概念はなかったから、ものすごく難儀したけど、シオンさんとユイカさんに私たちが普段来ている制服をじっくり見せて力説し、大量生産することが決定した。
1つ作れば、騎士団の人の中に【複製】の魔法を使える人がいるからいくらでも増やすことができるらしい。
機械じゃなくて魔法で生産するのは流石異世界だね。
そうして完成した制服は白を基調としたお嬢様学校風に仕上がった。
出来上がった制服を見てうんうん頷く私たち。
やっぱり学校と言えば制服がないとね。
制服のために学校に通っていたといっても過言ではない私たちが言うんだから間違いない。
ユアたちも嬉しそうに着ているしよかったよかった。
………うん。大体こんなことがありつつ数年過ごしたかな。
そして現在はユアたちが中等部に進学し、久しぶりに女神様クエストが更新された。
「みんな!女神様クエストの通知来てるよ!」
「あら。本当ね。内容は何かしら?」
「えっと~。【アルズワルドの最高級ワインを入手せよ!】だって~!」
詳しい説明書きを見ると、東の街の魔王城で造られている最高傑作のワインを貰うとクエストクリアになると書かれてる。
ほほう。これで東西南北の街制覇だ!
ワインが好きになった芽衣もかなり乗り気である。
「最高級のワイン飲んでみたいな~」
「ワインは消毒液みたいな味がきつくて飲めなかったけど、最高級品は違うのかしら?」
「夕陽ちゃんが飲んだのは初心者には飲みづらいよね~。あとでおすすめのワインお部屋に持っていくね!」
「いつから行く?」
「明日からでいいんじゃない?」
「ユアとメアちゃんはどうしよう?学校休ませるわけにはいかないよね~?」
「ユアたちが学校行っている間に活動して、夕方には家に転移で帰ってくるのを繰り返せばユアたちも学校に通い続けられるんじゃないかな?」
「それがいいわね。私だけお夕飯の準備があるから3人より早めに帰らせてもらうわね」
ちょっと今までとは動き方を変える必要があるね。
それから詳しい話を詰めようと思っていると話を聞きつけたフェルリル兄妹が会話に入ってくる。
「なんだなんだ?神様からの依頼来たのか?」
「私たちも混ぜて!」
「2人にも参加してもらうから、これを見てちょうだい」
2人にスマホの画面を見せる。
「おお!東の街に行くんだ!行ったことないから楽しみだぜ!」
「どんな魔王さんがいるんだろうね!フェルにい!」
「東にはサキュバスとインキュバスの魔王がいるらしいよ。前にルコアさんから聞いたことある」
「サキュバスとインキュバスか!父さんから聞いたことある魔物の名前だ!」
「二度と戦いたくない相手だったぜ…ってにやけながら話してくれたよね!珍しくパパが気持ち悪かった!」
そうなんだ。Aランクのフェル君のお父さんでも厄介な相手が魔王化していると…
これは気を引き締めないと!
それから帰ってきたユアとメアに説明をする。
「…というわけで、ユアたちが学校に行っている間、私たちはお家にいないことが増えると思う」
「お夕飯までには帰るわ」
「わかったよ!気を付けてね」
「私たちも行きたかったけど。学校があるからね」
「葵が場所覚えたらいつでも行けるようになるから、休日に一緒に行きましょう」
「うん!」
「楽しみ」
では、東の街へ明日からレッツゴー!




