女神様ありがとうございます!ありがとうございます!
魔王城への遠征を終え、帰宅した私たちは魔王を助けたクエスト報酬を使って10連ガチャを引くことに。
「姉ちゃんたち。10連ガチャってなんだよ?」
「私も知りたい!」
フェル君とリルちゃんは知らないのか。
ユアとメアも知らないよね。今は疲れて2人とも寝ちゃってるけど。今度説明してあげよう。
「私たちはこの世界を創った女神様の依頼をたまに受けているってのは前に説明したよね」
「「うん」」
「その依頼をクリアしたら、女神様からお礼を貰えるんだ。それが10連ガチャ」
「へえー」
「何を貰えるの?朝日お姉ちゃん」
「それがやってみないとわかんないんだよ。でも、この世界じゃ手に入らない貴重なものだよ」
「すごいね!」
「まーね!」
またかき氷みたいに嬉しいものが出ればいいけど。
「それじゃ、誰から引く?」
「私から引くわ」
トップバッターは夕陽。
スマホのアプリを起動して10連ガチャを回す。
「どう?」
「砂糖、醤油、みりん、お酢、ソース、ケチャップ、マヨネーズ、塩、薄力粉、生クリーム…ね」
「おお!大当たりじゃん!」
「なになに?サトウとかショウユってなんだ?」
「料理がもっと美味しくなる魔法のアイテムだよ!」
「本当!?やったぁ!」
この世界にも砂糖っぽいものやソースらしきものはあるけど、やっぱり慣れ親しんだものを食べたくなる時があるのだ。
夕陽の料理はこの世界に来て料理スキルLV5を習得していることもありプロレベルにまで上がっている。
これは今日の夕食が楽しみ!
「幸先いいね~」
「期待できそう」
「よし!次は私引く!フェル君やってみる?」
「いいのか?」
「いいよー」
フェル君を足と足の間に入れてスマホを握らせてあげる。
「ここを押してー」
「うん」
「右下のガチャってところを押してー」
「こうか?」
「そうそう。それで10連ガチャを引きますか?でハイを押して」
「おお!石が砕けてなんか出てきた!えっと、サッカーボール、バスケットボール、バレーボール、テニスボール、卓球ボール、ビーチボール、野球ボール、ラグビーボール、ゴルフボール、バランスボール…?」
「ボールシリーズね」
「ボールってなに?」
「実際に見てもらったほうが早いかな。葵、何か出してよ」
「ん」
ガチャで引いたアイテムは自動で葵のアイテムボックスに入るのだ。
葵がバランスボールを出してくれる。室内だしちょうどいいね。
「おっきい!」
「これに乗ってみるとなんだかよくわかんないけど面白いよね」
「フェル君乗ってみれば?」
「よっしゃ!乗るぜ!」
フェル君がバランスボールの上に勢いよく飛び乗るとぼよんと弾かれた。
そのまま空中で一回転してきれいに着地する。
「うおおお!?めっちゃ楽しい!」
「うーん。そういうのじゃないんだけど…」
「私もやりたい!」
「俺ももっかいする!」
獣人兄妹が飛び乗っては弾かれて空中でアクロバットなジャンプ技をキメる謎の遊びになってしまった。
まあ楽しそうだからいっか。
「どれかのボール使って今度遊びたいね~」
「だね。メジャーなのは野球かサッカー?」
「どっちもルールわかんないよ~」
「芽衣…」
「温泉で卓球」
「葵それ採用!」
「卓球もわかんないんだけど~」
「覚えなさい。教えてあげるから」
スイナさんの温泉へ旅行に行ったときに温泉卓球をすることになった。
ラケットとか卓球台とかは無いけど…なんとかなるでしょ。
「よ~し!次は私やる!」
「芽衣がんば」
「そりゃ~」
力が抜ける掛け声とともにガチャボタンを押す。
無言で押すより掛け声掛けたほうがいいのが出る気がするよね。
「え~と。ゆ〇ぴりか、つ〇姫、コシヒカ〇、あきた〇まち、ひとめ〇れ、はえ〇き、ヒノ〇カリ、なな〇ぼし、元〇つくし、炊飯器…お米かな?」
「お米食べれるの!?炊飯器まで用意してくれて女神様は神か!?」
「神でしょ」
お米食べたいなーってこの世界に来て何百回思ったことか!ついに食べれる日が来るとは!女神様ありがとうございます!ありがとうございます!
「今夜のメインは決まりね」
「和風でお願いします!夕陽シェフ!」
「前に漁港で獲った謎の魚まだあったわよね?それ食べましょうか」
もうこの際何の魚かわからなくても大丈夫です!見た目和食なら!
ちなみに炊飯器はMPで動くメイドイン女神様だ。電気がこの世界にないからね。
「最後葵よろしく!」
「ん」
「葵ちゃんいいの出してね!」
「任せて」
今のところかなりいい調子だからね。葵もきっといいのが出るはず!
「ビールセット、サワーセット、酎ハイセット、カクテルセット、シャンパンセット、ワインセット、焼酎セット、日本酒セット、泡盛セット、ウイスキーセット…お酒」
「「「………」」」
最後で微妙なのキター。
「ま、まぁ。あれね。私たちも20歳は超えているのだし、そろそろチャレンジしてもいいのかもしれないわね」
「そうだね。これはあれだよ。女神様から飲んでみれば?って勧められてるんだよきっと」
「じゃあ今夜、久々に4人で集まって飲みながら寝ようよ~。ユアちゃんとメアも2人で寝れるくらいしっかりしてきたし」
「それ楽しそう!いいね!」
「パジャマパーティー」
「たまにはいいわね」
私たちが盛り上がっているとバランスボールで遊んでいた兄妹がやってきた。
「なになに?夜遊ぶのか?俺たちも入れてくれよ!」
「夜遊びたい!」
「誘いたいけど、これは大人になってからじゃないとダメなんだなー。2人がもうちょっと大人になったら誘ってあげよう」
「えー!けち!」
「早く大人になりたいね!フェルにい!」
「だなー」
ごめんよ2人とも。でもお酒は20歳を超えてから!
そんなこんなで今回の10連ガチャは大勝利かな?
「それじゃ、お夕飯の準備するわね」
「うん。よろしくー」
「夕陽姉ちゃん!手伝うぜ!」
「私も!」
「ふふ。じゃあお野菜切ってもらおうかしら」
「「任せて!!」」
ひと段落したので夕陽とフェル君リルちゃんが台所に向かう。
私たち残りの3人はユアとメアちゃんの寝顔を見ながら今回の旅についての反省会をした。
戦力を分散させてしまったことについてだね。
仕方なかったとはいえ、バラバラに戦うことになり危ない場面も多かった。
現に夕陽は宮本武蔵に負けている。もし宮本武蔵が危険人物だったら命の危険すらあったのだ。私もギリギリの戦いだったし。
「今度戦うときは、1対1になるような状況はなるべく避けよう」
「だね~」
「ん」
「今回のケースだと、例えば葵が転移でルコアさんとかミユちゃんを助っ人で呼んでくるとか」
「それいいね~」
「あり」
やりようは他にもあったと思う。今後はもっと多くの選択肢を持てるように視野を広くして対応していこう!という結論になった。
「ご飯できたわよ」
「お、ちょうどいいね」
「お腹すいた~」
「芽衣はいつもでしょ」
「それは言わないでよ~」
みんなで食卓に着く。
「ユアとメアちゃんはどうする?」
「起こすのもかわいそうだし、起きてきたら準備してあげるわ」
「それがいいね」
食卓に並んでいる素晴らしい食事を眺める。
今日のメニューはお米!そして謎の魚!最後にサラダだ。
「日本を思い出すね!」
「そうね」
「早く食べよ~」
「「「「「「いただきます!」」」」」」
なんと醤油も食卓に置かれている。
魚に垂らして一口ぱくり。
「うまっ!!」
「懐かしいね~」
「米って初めて食べたけどふわふわでうまいな!」
「お魚に合うね!おいしい!」
何か感動して泣けてきた。
「お、おいしいよ~~」
「ちょっと朝日。何泣いているのよ」
「うぅ…懐かしいものを食べると自然と涙が出るんだよ~」
「芽衣まで!?怖いんだけど…」
まさかの大号泣で夕陽が引いてる。
引かないでよ!止められないんだから!
暫くして泣き止んでからはバクバク食べる私たち。
「おかわり!」
「俺も!」
「わ、私も」
「はいはい。ちょっと待っててね」
夕陽がご飯をよそってくれる。お母さんレベルが日に日に上がるマイワイフ。
「このサラダ俺たちが作ったんだぜ!」
「食べて食べて!」
「お!フェル君たちが作ったんだ!どれどれ…?うん。おいしいね!」
「やったぜ!」
「よかったぁ」
フェル君とリルちゃんは最近夕陽の料理を手伝っている。
今では1品夕陽から任されているほどだ。
失敗はほとんどなくて、どれもおいしい。夕陽直伝なだけはあるね。
「ふぅ。食べたー」
「お腹いっぱい」
「多めに炊いたのに無くなっちゃったわ。ユアたちの分炊き直さないと」
久々のお米最高!
それから腹ごなしに軽くバランスボールで遊んでからお風呂に入る。
結局ユアたちは起きなかったから私と夕陽の部屋で寝かせて、私たちは芽衣たちのお部屋にお邪魔する。
「待ってたよ~」
「準備万端」
部屋の真ん中に置いてあるテーブルの上にはたくさんの種類の串焼きやらお酒が置かれている。
「それじゃ、大人の時間始めますか!」
「「「おー」」」
初めてのお酒に挑戦だ!




