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JK4人の異世界暮らし!  作者: 綿あめ真
南の混成魔王と白百合騎士団~学校通うよ!~
75/100

勇者レイン・ライドVSフェル・リル

 勇者レイン視点





 先生と小次郎さんはそれぞれ戦いたい相手のところに行ってしまった。

 初めて会ったときから探していた少女たちにやっと会えたのだから当然か。


 それにしても…先生たちに写真を見せてもらったときはピンとこなかったが、実際見るとどこかで会ったことがあるような…


 もし俺が出会ったことがあるなら、当然一緒にいるライドも見たことがあるはずだ。


「ライド。あの少女たちに見覚え…ないか?」

「ああ。俺も気になっていた。知っているはずなんだが…だが思い出せねえ」

「だな。俺もだよ」


 まあ思い出せないならそこまで親しかった仲ではないはずだ。


 それよりもだ…サシャの匂いがするのだが気のせいだろうか?陽だまりのような温かい匂いがする。

 あの魔王討伐の帰り道でいつの間にかいなくなっていたサシャ。

 あれからもう5年か…

 もう一度サシャのおしっこしている姿を見てみたいものだ…


「おい兄ちゃん!」

「ん?」


 サシャのおしっこシーンを回想していると獣人の少年に話しかけられた。


「俺たちも早く戦おうぜ!姉ちゃんたちはもう始めてるし!」

「ああ。勘違いしているようだが…俺と隣のライドは戦いに来たわけじゃないんだ。先生たちについてきただけだからな」

「そうなんか?」

「どうしても戦いたいなら相手になるがな」

「どうする?リル」


 リルと呼ばれた少女は少年と似ている。恐らく兄妹だろう。

 2人とも10歳くらいか。白い耳がピコピコ動いていてかわいい。


 ん?白い耳?形は狼だが…普通の狼族は黒色か鼠色だ。

 白色の耳を持つのはあるAランクパーティーしか俺は知らない。


「もしや君たちは…Aランクパーティー「フェルリル」の子どもかい?」

「ママとパパを知ってるの!?」

「ああ。先輩だよ。一応ね」

「一緒に組んでクエストに行ったこともあるぜ」

「そうなんか!確かに勇者とクエスト協力したって聞いたことあるぜ!」

「フェルにい!せっかくだから戦ってもらおうよ!修行の成果を芽衣お姉ちゃんに見せよ?」

「だな!勇者の兄ちゃん!いいか?」

「ああ」

「2人とも頑張ってね~。回復は任せて~」


 とは言ったものの…まだ10歳かそこらの少年少女と戦うのは気が引けるな。

 だが2人はすっかりやる気だ。むう。怪我させないよう気を付けよう。


「じゃあ行くぜ!」

「がんばります!」

「いつでもいいよ」

「来い」


 後ろにいる芽衣と呼ばれている女性と5歳くらいの女の子たちは参加しないようだから、2対2か。


 相手の武器はないが、鋭い爪は確認している。

 2人同時に向かってくる。流石あの2人のお子さんだけあってステータスは高いようだが、そんな直線の動きじゃライドの守備を崩すことはできない。


「はっ!」

「うわ!」

「きゃ」


 突進を盾ではじき返される。


「くっそお。行けると思ったんだけどなぁ。油断してくれてれば」

「フェルにい!左右から攻めよ!どっちかは盾の人を抜けるよ!」

「だな」


 そんな作戦を堂々としゃべられるとこちらとしては困るな…聞かなかったことにしよう。


「行くぜ!」

「うん!」


 今度は左右にそれぞれ動き向かってくる。

 俺としては…女の子相手にまともに戦える気がしないからそっちはライドに任せよう。


「ライド。俺は少年とやる」

「わかった」


 右から来る少年に向き合って迎撃する。


「やるぜ!」

「来い」


 爪の攻撃を剣で防ぐ。

 想像以上の力だ。だが当然だけど俺のほうがステータスは上。少年をはじき返す。


「うお!」

「まだ名前を聞いていなかったな。俺はレイン。西の勇者だ。あっちは相棒のライド」

「俺はフェル!ライドさんと戦ってんのは妹のリルだ!」

「フェル君か。よろしく頼む。…うお」

「きゃ!」


 ライドの盾に押し返されてこちらに跳んできたリルちゃんが俺の懐にちょうど収まる。

 ぐわ!いい匂いが!


「あ、ありがとうございます!」

「あ、ああ」


 こちらに上目遣いで振り向いてくるリルちゃん。

 や、やばい…久々に小さい子と触れ合ったから免疫力が落ちてやがる…!

 心臓がバクバクしてる。早く離れないと…!


「気をつけてな…」

「はい!」


 そっと押し出すとそのままライドのところに戻っていくリルちゃん。

 ふう。危なかった。


「よし、やるか」

「リルをかばってくれてありがとな!」

「ああ。気にするな」


 はぁ…やっぱ小さい子は柔らかいな。

 何かいい匂いするし。




「おりゃあ!」

「やるな!」


 よし。少年なら問題なく相手できる。

 最初は加減に慣れなかったが、それもしばらくすれば改善されてきた。

 それにフェル君は素早いが、攻撃が素直だ。どこを狙っているのか非常にわかり易い。


 何度目かの迎撃に成功すると、悔しそうにフェル君が話しかけてくる。


「くそお。全然攻撃が当たらねえ!」

「十分フェル君は強いけど、目線でどこを狙っているかわかっちゃうから、攻撃するところを意識しすぎないほうがいいね」

「そうなんか!?でも難しそうだなそれ。リルも通用しないか」

「フェルにい!全部防がれちゃうよ!」


 リルちゃんもライドにいいようにやられたのか悔しそうに戻ってくる。

 ライドも余裕の表情だ。


「しゃあねえ。やっぱこのままじゃ勝てないな。リル!あれやるぞ!」

「だね!」


 お。何かするのか。

 と思っていると、突然服を脱ぎだす2人。

 なんだと!?


「ちょちょちょ!!ちょっと何してんの君たち!?」

「まあ見てろって!」

「は、恥ずかしいけど仕方ないんです!」


 フェル君は堂々と脱いでいる。

 リルちゃんはさすがに恥ずかしいのか後ろ向きで服を脱いでいるがお尻が丸見えじゃないか!

 くっ…!まさか俺の性癖がばバレたのか!?確かにこれは有効すぎる…直視できない!!


 まさかのピンチに俺はふと先生の言葉を思い出す。

 あれは先生と旅を始めてしばらくのこと。いつものように稽古をつけてもらって軽くあしらわれた時だ。



ーーーーーー



「レイン。相変わらず攻撃が単純だな」

「では一体どうすればいいのですか?」

「そうだなぁ。もっと空間全体を見んだよ。レインは相手に集中しすぎだ。もっと全部を感じろ」

「はあ…」

「風の流れとか、相手の後ろにいるカエルとか、そこら辺の石とか、飛んでる鳥とかな」

「それって戦闘に関係ないんじゃ」

「お前、俺と戦ってる時どう感じてる?」

「えっと。隙が無くて、大きく見えます」

「俺も強いやつと戦うときはそう思う。実際よりも相手が強大に見えるんだ。んで身体が硬くなっちまう。でもな。全体を俯瞰すると俺も相手もおんなじちっぽけな存在なんだ。そう感じちまえばあとは動きが軽くなる。やりたいこともどんどん思いつくし、身体は自由自在だ」

「はあ…」



ーーーーーー




 その会話の後に俺は目を瞑った先生にボコボコにされた。

 今こそあの「全体を感じる」という極意を掴まなければいけないのではないだろうか。


 感じるんだ…風を。空を。大地を…


「よし。リル!やるぞ!」

「うん」

「「獣化!!」」

「へ?」


 世界を感じていると2人の声で意識が戻る。

 視線の先には白い狼となった2人が。

 隣のレインがなるほどと呟く。


「服がダメになってしまうから脱いだわけか」

「そうだぜ!母さんたちはお構いなしに破いて変身するけどな!」

「私たちはお小遣いが少ないから服は破けないの」


 あ。そうなんすか。

 なんだよ風を感じるとか…意味不明だよ…


 とにかくこれで心置きなく戦うことができる。


「さっきまでの俺たちだと思ったら痛い目見るぜ!」

「行きます!」


 2匹の白狼が向かってくる。

 確かに格段に動きは良くなっているが…


「攻撃の癖までは変わっていないな」

「だな」


 ライドと問題なく攻撃を防ぐ。


「まだまだ!【風纏い】!」

「【雷纏い】!」

「おお」

「む」


 フェル君は風を。リルちゃんを雷を身体全体に覆うように展開している。

 フェル君のほうが俺より風を感じてるな。


「風爪!」

「雷爪!」


 5本の風の爪と雷の爪が飛んでくる。

 意外に避けずらい。


「は!」

「おら!」


 俺は真ん中の爪を剣で消し飛ばしてやり過ごす。

 ライドは盾で防いだようだ。


「やるな。こんな技まで隠していたとは」

「ああ。ん?」


 風で舞い上がった土埃が晴れると2人の姿がなくなっていた。


「貰った!」

「ここです!」


 土埃に乗じて移動していたのか、今度はリルちゃんが俺に、ライドにはフェル君が左右から攻撃してきた。

 攻撃の癖を読まれたから相手を変えたか。それはいいんが、俺にリルちゃんの魔法が通用しないのは運がなかったな。


 雷を纏っている獣化したリルちゃんを掴む。

 直接捕まえられたことに驚いたのだろう。リルちゃんが固まる。


「なんで痺れないの!?」

「運が悪かったな。俺も雷魔法を習得しているんだ。だから雷撃は効かない」


 手から雷を出して見せる。

 それを見てリルちゃんが諦める。


「そうだったんですね…うう。負けちゃいました」

「こっちも終わったぞ」

「くっそお」


 ライドもフェル君を倒したようだ。変身が解けている。


「悔しいです!」

「いや、なかなか強かったよ。流石あの2人の子供なだけはある」

「本当ですか!?」

「ああ」

「次はもっと強くなって勝ってやるからな!」

「ああ。待ってる」


 リルちゃんも変身を解いて…解いちゃった!?


「ちょ!リルちゃん!?」

「あ。気が抜けたら獣化が解けちゃった」


 さっきは白狼だったから抱きしめていたが、獣化が解けて生の女の子を直で抱きしめる格好になってしまった。


 体中の血液が沸騰する。

 慌てて話してマントを被せてリルちゃんを視界から消す!


「あ、これ…」

「それで隠して、早く着替えて」


 俺のためにも!


「ありがとうございます!」


 てててっと服があるところまで歩いていくリルちゃんを眺める。

 はあ。もっと動じないようにしないと。ライドにこの性癖がバレたら終わりだ。


 …バレてないよな?


「あ、あの!」

「ん?」


 ライドをチラチラ見ていると、いつの間にか遠くで見ていたはずの女の子2人が近づいてきていた。

 まだ5歳くらいの女の子だ。なんだろうか?


「どうしたの?」

「私たちとも」

「戦ってください!」

「へ?」


 幼女と2連戦…だと…


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