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JK4人の異世界暮らし!  作者: 綿あめ真
南の混成魔王と白百合騎士団~学校通うよ!~
72/100

葵VSサシャ

 葵視点


 姫路城もとい魔王城の屋根に転移する。

 そのまま城内部を探知魔法で把握。


 構造は6階建て(地下あり)。

 生命の反応は3階の大天守に1人。それ以外の反応…なし。


 門方面に視線を移すと騎士団が我先にと城に向かっている。突入まで数分といったところか。


 再び転移で3階に移動する。

 そこには1人の女の子がいた。

 身長は私くらい。紅い髪の少女が窓から城下を見ていたが、こちらに気づいたようで振り向く。


「…誰だい?」


 言葉数が少ない。私と同じタイプかもしれない。身長も同じだし。


「敵ではない。助太刀に来た」

「本当に?」

「ん」

「…ふむ」


 どこに信じる要素があったろう?自分で言っておいてなんだけど私なら絶対疑うけど…目の前にいる少女は私の言葉を信じたようだ。よくわからない。

 しばらく沈黙があった後、再び少女が口を開く。


「状況は?」

「騎士団約1000人が城に突入中。うち1人はレベル150越えで非常に危険。外では団長と副団長が交戦中。あと私の家族と悪神の使徒+勇者も戦闘開始」

「大変だね」

「そう。出来ればここはすぐに片づけたいところ」

「派手に戦ってもいいよ。私の魔法で復元(・・)できるから」

「ん」


 転移で2階に移動しようと思ったが、サシャが想像以上に速い。

 ここで迎撃するしかなさそうだ。




 本当に…次から次へと面白い。

 初めは地球で星宮朝日というイレギュラーの監視のためにやってきたのに、いつの間にか異世界に飛ばされ、私がまさか人間に恋をして子を成すなんて…


 あの退屈だった日々に終止符を打ってくれた3人に改めて感謝を。




「お!やっと見つけたです!って葵もいるじゃねーですか!なんです?勝負するです!?」

「ん。やろう」


 考え事は置いてまずは目の前にいるロリっ子をなんとかしよう。


 ステータスを確認する。


 サシャ 人の理を外れし者 LV171


 HP41900   

 MP125100(110100+15000)  


 攻撃力18700 

 防御力25700 

 魔法攻撃力75060 

 魔法防御力29100

 敏捷10060   

 運70    


 称号ドラゴンスレイヤー 

   エレメントマスター

   ダンジョン制覇者


 スキル 

 MP上限アップLV5

 MP回復量アップLV5

 火魔法LV5

 水魔法LV5

 風魔法LV5

 土魔法LV5

 獄炎魔法LV5

 氷結魔法LV5

 暴風魔法LV5

 大地魔法LV5

 複合魔法LV5

 従魔調教LV5

 魔力操作LV5

 魔力感知LV5


 スキルポイント

 15000


 全てを最高レベルまで高めている。まさに魔法使いの極致。


「全軍!私に続けです!」

「おおおお!」


 人が溢れて1階まで列を作っている。

 相手するのは面倒…


 私とサシャ、魔王を何もない草原に転移する。


「な!?」

「!」

「ここなら思う存分やれる」

「お得意のズル魔法ですか!まぁ広い場所に変わったのは好都合です!」


 この子の場合、城の中だろうが関係なく魔法を放つ。

 だから逃げ場の少ない城より開けた空間のほうが相手しやすい。


「魔王は下がって」

「お手並み拝見」


 私の指示に従って下がってくれる魔王。やはり危険な性格ではないよう。

 その間にサシャは魔力を練っている。

 

「まずは小手調べです。ファイヤボール!」


 小手調べと言いつつバスケットボールくらいの大きさの火球を一瞬で発動し投げてくる。

 その火球を空間魔法の穴に入れ、ここからは視えないが北東にある海に穴を繋げて放出する。


「やはりこれくらいではビクともしませんですか」

「ん」

「ならこれはどうです?」


 今度も火球で攻撃してくるようだ。

 ただし数が20個(・・・)

 サシャは巧みにすべての球を空中で操作し、私の周り全方向に漂わせ、一斉に私に向かって飛んできた。


 これは私の穴では防ぎきれない。

 穴は一か所にしか設置できないため、全方位攻撃には対処できないからだ。


 だがこういう攻撃のために私は結界魔法を取得している。


結界(プリズム)


 ダイヤモンドをイメージした結界を展開し、火球全てを防ぐ。

 私の周囲の草は燃やされ、地面がむき出しになってしまったけど。


 後ろで見ていたフェスが感嘆の声を上げる。


「あれほどの火魔法を使えるとは。そしてそれを完璧に防いだ彼女もすごい」

「ふん。これはまだ準備運動です!でもその結界は厄介ですね…一点集中ならどうです?【火線(レーザー)】!」


 かなりの魔力を練ってからの一点集中魔法。

 私の結界で防げる自信は…ない。


 転移で躱す。


「あの攻撃は防ぐ自信がないのですね!では今後の攻撃は(・・・・・・)あの威力を基準(・・・・・・・)に放つです!」

「…」


 さらっと恐ろしいことをいう子だ。

 これで結界魔法は封じられた。

 あとさっきから魔法妨害をサシャに向かって発動しているが妨害できていない。


 魔法妨害とは、相手の魔力の循環を乱して魔法そのものを使えなくするスキル。

 しかし以前サシャに会ったとき魔法妨害を行使したが、サシャの卓越した魔法統制能力で乱した魔力の循環を自力で制御されてしまったことがある。


 あの頃よりも魔力の管理は上達しているのだろう。

 もはやこの子に魔力妨害は通用しない。


 …思った以上に厄介な子。もしかしたらこの世界で一番苦手かもしれない。うるさいし。


 ちなみに私が覚えているスキルは、


 経験値アップ

 アイテムボックス

 HP上限アップLV5

 MP上限アップLV5

 探知LV5

 空間魔法LV5

 召喚魔法LV5

 結界魔法LV5

 魔法妨害LV5


 だ。戦闘で使えるスキルは下の5つだけど…ほとんどを攻略されている。

 どうしよ…


 そうこう考えているうちにも次々と魔法を撃ってくる。

 魔法の種類も様々で全属性を偏りなく放ってくる。


「そりゃそりゃそりゃーー!です!」

「…」


 転移で避けつつ距離を取る。魔法使いであるサシャに対して距離を取ることは有効ではないけれど、私も近接が苦手な為止む無しだ。


「四聖獣召喚」

「ほほーう!」


 攻撃の合間を縫って召喚魔法を発動。

 呼び出すのは青龍、朱雀、玄武、白虎、玄武。

 どうやら召喚魔法は召喚者の魔力の大きさによってその強さを変えるらしい。


 私の魔力は4人の中で一番高い。だからある程度は召喚獣も強化されている。

 玄武の防御力をサシャの魔法が上回っていないことを祈ろう。


 四聖獣の攻撃で隙を生み出し、転移で距離を詰めて一気に勝負を着ける。

 玄武を前に出して青龍と白虎で左右から挟撃。朱雀は上空から火炎放射。


 術者の戦術を理解してくれるのか頭に思い描いたとおりに動き出す。


「「「「GAAA!」」」」

「甘いです!」


 だが魔法使いのサシャに一斉攻撃はさして意味を為さない。

 朱雀をウォーターカッターで倒し、青龍と白虎はエアブラストで弾き飛ばし、玄武を土魔法で地面を陥没させて身動きを取れなくされた。


「上手くいったです!」

「チェックメイト」


 だがその間に私を視線から外したことを確認して転移でサシャの真後ろに移動。

 そのまま抱きしめて直接(・・)魔力を乱そうとするが…


「!?」


 私の足元から炎が生まれ、そのまま焼き尽くさんと這い上がってきた。

 間一髪転移で逃れる。


「前と同じ手はくわねーです!葵はズル魔法を使うとき魔力が完全に消えます!その後魔力が突然生まれたポイントに魔法を撃ちこめば倒せるって寸法です!はずしましたですけど!」


 …なるほど。魔力感知のスキル。

 まさか転移まで攻略されるとは。


「加勢しようか?」

「いや、いい」


 魔王フェスの提案は断る。次で決める。

 私のこの世界で覚えたスキルは悉く抑えられた。

 では地球で覚えたスキルを使うまで。


「あ。あんなところにルコアさんが」

「うええええ!!??どこです!?ごめんなさい!逃げたわけじゃないんです!」

「隙あり」


 これぞ日本で覚えたスキル【騙し討ち】。

 完全に動揺しているサシャに近づいて抱き着く。

 離れていると無力化されるが、密着しての発動は事情が変わる。

 直接体内魔力をぐちゃぐちゃにかき回すイメージで魔法を発動する。

 

「あばばばば」


 失禁しているのか地面が濡れているけど仕方ない。初めての経験だろうから。

 そのまま気絶したサシャを地面に置く。

 一応何とかなったけど、二度と戦いたくはない。たぶん次はこのままだったら負けるだろう。


「ふう」

「お見事」


 魔王のフェスがゆっくりとこちらに近づいてくる。


「魔法を無力化できるんだね」

「企業秘密」

「キギョウ?」

「なんでもない」

「ふむ。それでこれからどうするの?」

「この子がいなければあとはどうとでもなるはず。ちょっと待ってて」


 サシャと一緒に街まで転移する。

 気絶しているサシャを宿に置いてきて再び戻ってくる。


「便利だね」

「ん。あなたを魔王城に戻して、私は仲間のところに戻る」

「そうか。あいわかった」


 フェスと一緒に魔王城の三階に戻ると、騎士団が殺到する。


「隊長をどうしたんだ!」

「なぜ隊長だけ戻ってこない!」

「隊長をどこにやった!」


 ギャーギャーうるさい。


「それじゃ」

「うん。またね」


 フェスにその場を任せて芽衣のところに転移する。


「葵ちゃん!」

「ん。大丈夫?」

「私たちは何とか。でも朝日ちゃんが!!」


 ひどく混乱している芽衣。朝日が戦っているであろう方向を見ると…


「ふむ。躱せなかったか」

「だから無理って言ったのにー…」


 両手両足を切断されて地面に倒れている朝日が目に映った。


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ポンコツお姫様姉妹と巡る異世界譚
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