冒険者ギルドほんとに行くの(´・ω・)
屋台でお昼ご飯を済ませ、買った下着や服はアイテムボックスに入れて、ついに冒険者ギルドへ向かうことに。
「……もう2時なの?まだじゃないかな?」
「芽衣、諦めなさい」
「でもやっぱり怖いな~」
「何かあっても私が守るから安心して」
「葵ちゃん…わかったよ」
その後も芽衣は数分置きにやめとこ?と言い続けたがその願いは叶わなかった。
「はぁ~着いちゃった」
「よーし、レッツゴー」
勢い込んではみたけど芽衣のせいで私も怖くなってたからそぉっと扉を開ける。
時間帯が良かったのか、人はそれほど多くはない。冒険者っぽい人は20人くらいだろうか。全員こちらを見てざわついている。
「おい、かわいい子がきたぞ」「寝坊してよかったぜ」「あらかわいい」「天使たちが来たわ」「依頼しに来たのかな」「お前声かけろや」「わかった」「いや待てやっぱり俺が」「もし冒険者志望なら私たちのパーティーに誘ってみましょ」「そうね」
めっちゃ目立ってるー!芽衣が固まってしまった!意外に女性が多いけど、やっぱりガタイのいいおっちゃんもいて女子高出身の私たちには中々ハードな光景だ。
「あわわわわゎゎゎ」
「芽衣落ち着いて」
「そ、そうよ。こここれくらいどうってころないわ」
ビクついている芽衣と夕陽の手を引いてカウンターに向かう。
私たちのビビりっぷりが伝わっているのか誰も話しかけてこない。
「こんにちは。どのようなご用件でしょう?」
「冒険者になりたいんですが…」
後ろで歓声が聞こえる
「そうですか。冒険者になるには、何か一つ依頼を受けてもらい、達成できればギルドカードを発行するという形式になっていますが今日受けますか?」
「えーとどんな依頼がありますか?」
「後ろの左側の壁にあるボードに依頼カードが貼ってあるので、そこから依頼を選ぶのが普通なのですが、最初の依頼は常時受け付けている【ゴブリン5匹討伐】か【シュルツ草の採取5本】のどちらかをお勧めしています。期限も特にありませんので」
「期限無いみたいだし、とりあえず受けていいよね?」
「そうね」「うん」「大丈夫」
「えーと採取のほうでお願いします」
「かしこまりました。こちらが依頼カードです。依頼カードとシュルツ草5本を受付に持ってきていただいた時点で依頼達成となります」
「わかりました」
採取の依頼は葵の探知スキルでシュルツ草を簡単に見つけることが出来るのでぶっちゃけ楽勝だ。
「冒険者についての説明は今行いますか?依頼達成後でも大丈夫ですが」
「あー今お願いします」
「わかりました。冒険者にはランクがございまして、ランクに見合った依頼を受けていただくことになります。具体的には例えばDランク冒険者はE~Cランクの範囲で依頼を受けることが出来ます。初めはFランクからスタートで、一番高いランクはSSSですね。Cランクでベテラン冒険者です。ちなみに今この町にはAランクパーティーが5組いらっしゃいます」
勇者パーティーがAランクってどこかで聞いたなー。
「SとかSSとかSSSランクの人はいないんですか?」
「いないですね。Sランクは世界に10組程度しかいませんから」
へぇー
「話を続けます。ランクアップの方法ですが、自分のランクより1つ上の依頼を5回達成することが条件です」
「同じランクの依頼を何回受けてもダメ?」
「その通りです。ですが、焦って分不相応な依頼を受けないようにお願いします」
「わかりました」
「また、ギルドカードを通してパーティー編成を行うことが出来るのですが、パーティー内での経験値を共有することが出来ます」
おぉ、その機能いいんじゃないかな。
「あとは、そうですね。依頼を達成できなかった場合ですが、罰金が発生いたします。Fランクですと金貨1枚。というように決められていますのでご注意下さい」
「もし払えなかった場合は?」
「身体で払ってもらいます♪」
「……」
「説明は以上です。何かご質問はありますか?」
「えーと、ないです」
「では、ご依頼頑張ってください♪」
冒険者怖いなー。とりあえずギルドを出る。途中手伝おうか?とか今度一緒に依頼受けない?とか勧誘が多かったけど丁重に断った。
「はぁ、疲れたわ」
「ホントだよぉ」
「思ったより女の人が多かったけどね」
「私も気になった」
「とりあえず採取に行く?葵の探知で見つけられるよね?」
「…どんな草か正確にイメージできないと探せない」
「おっと。そうなんだ。えーとどうしよう」
「図書館とか無いのかしら?本屋さんでもいいのだけれど」
「聞いてみよう!」
聞いてみたら冒険者ギルドの反対側に図書館があった。見えていたのに恥ずかしい。
図書館は入館料銅貨5枚で持ち出し禁止のようだ。4人で手分けしてシュルツ草について書かれている本を探す。
探している途中でこの世界の歴史についての本を見つけたので気になって開いてみる。どれどれ~
―箱庭世界アズルワルドの歴史―
もともとこの世界には動物と人型の生物しかいなかった。
山にはドワーフが住んでおり、森にはエルフと獣人、それ以外の場所には人族が住んでいた。人族同士で領地の取り合いはしていたが比較的平和な時が流れていた。
ある時、数匹の魔物が突然生まれた。魔物は他のどの生命体よりもステータスが高く、動物は食い荒らされ、人型の生物にも多くの犠牲が出た。多くの犠牲を経て各種族は協力して魔物を討伐しようと決意する。
しかし時はすでに遅く、その間に大量に増えてしまった魔物の中に強力な個体もいたこともあり、連合軍は為すすべもなく敗北する。
王都キングスト以外の地域は魔物に埋め尽くされるという絶望的な状況で、もはや神に祈るくらいしかできることはなかったその時、奇跡は起こった。
自分たちのステータスにスキルとスキルポイントという欄が現れたのだ。
その後スキルの恩恵による超常の力によって徐々に魔物を押し返すことに成功。絶滅は何とか免れた。
人々は神に感謝し、その後は少しずつ数を増やし現在に至る。
―世界地図―
現在は世界の中心に王都【キングスト】があり、その周辺に町や村が多数点在。そしてその外側の東西南北4か所に大きな街がある。これは東西南北の世界の端に魔王が存在しているため、防波堤の意味がある。
…成程。結構すごい情勢だねこの世界!魔物強いんだなーやっぱり。今私たちがいる街は西側の防波堤でもあるキールの街だね。この街が魔物に突破されると王都が危なくなるってことかぁ。
西の魔王の情報ってないかな?…ありました。この本凄いな!
―魔王についてー
魔王は人々がスキルを覚えた後誕生したといわれている。現在確認されている個体は5体で、それぞれが隔絶した戦闘能力、さらに複数のスキルも使用する。
東にはサキュバスとインキュバスの2人の魔王がいるとされている。
西にはドラゴン種の魔王の存在が確認されている。勇者による討伐が実行されたが失敗。
南にはメデューサの魔王がいるとされている。
北にはキマイラの魔王がいるとされている。
西の魔王討伐に失敗したことで魔王の怒りを買い街が一つ滅んだ。このような経緯もあり魔王への接触は現在禁止されている。
ドラゴンの魔王か。いくら私たちが能力的に優遇されていると言ってもどうしようもなさそうだし、近づくことはないかなー。
そうこう読みふけっていると葵は目的の植物関連の本を読んでいていつでも探しに行けるようになった。
でも今日はもう夕方だし明日採取に行こうということに。
そしてところ変わって銀波亭での夕食
「今日も色々あったねー」
「もう冒険者ギルドには怖いからいきたくないんだけど…」
「…芽衣、困っている人の依頼を受けるにはギルドが一番。だよ」
「う…そうだよね。そういう依頼は受けたいけど」
「まぁ、ぶっちゃけお金はあるし無理して行くことはないよね。パーティー編成だけはしたいからギルドカードは貰っておきたいけど」
「そうね。明日はとりあえずギルドカードを受け取ったらさっさと出ましょ」
「えーと、じゃあ明日の予定は9時にシオンさんに会って、その後シュルツ草を取りに街を出て、ギルドカード貰って終わりかな」
「なんだか早く終わりそうね」
「早く終わったらまた街を散策しよう!」
「いいと思う」
「うん、わかったよ」
よーし、今日は明日に備えて早く寝よっと。
この時私はこう思っていた。夜に女神様からラインが来るとも知らずに…