メアちゃんと学校行くの楽しみ~!
私はユア!
好きなものは朝日ママと夕陽ママと葵ちゃんと芽衣ちゃんとスイナさんとアイちゃん!
一番好きなのはメアちゃん!
嫌いなものはナシ!毎日楽しい!
私の朝は早い。
5時に起きて、夕陽ママと剣の稽古をする。
木の棒で稽古するんだけど、夕陽ママの後ろに稽古の時だけ出てくるおじさん二人が私の動きで悪いところを教えてくれる!
だからダメだったところがすぐわかるの!
それから朝日ママが起きたら一緒に3人で温泉に入りに行くの!温泉大好き!
小さいお風呂のゴエモンブロ?にざっぶーん!って入るのが好き!
「ユア?今日の稽古はどうだった?」
「すっごい楽しかった!」
「そう!よかったねー」
「うん!」
「いやーユアもこんなに大きくなっちゃって。朝日ママは感激だよ」
「毎日言っているわよ。朝日」
「そう?あはは」
朝日ママはいつもニコニコしていて楽しそう。
きっと私と一緒だ!
「今日はなにしよーかなー」
「それなんだけどね。ユア。今日は大事なお話があります」
「え?なに?」
「ユアはこの前5歳になったから、そろそろ学校に通ってもらおうと思うの」
「学校?」
学校ってなんだろう?
「学校はね、ユアみたいに小さい子が集まって、いろんなことを勉強する場所なんだ」
「私たちも通っていたのよ」
「ママたちも!?」
「ええ」
「まだ現役のつもりだけどね!」
ママたちも学校に行ったことがあるんだ!
それなら私も!
「行きたい!」
「ユアならそう言ってくれると思ってたよ!でもメアちゃんがね-」
「まだ嫌だって?」
「芽衣と葵が説得しようとしてるんだけどね、スイナさんたちと離ればなれになるのが嫌みたい」
「スイナさんと会えなくなっちゃうの?」
「ここは北の街なんだけど、学校があるのは南の街なんだよ。だから毎日会うのは難しいかな?」
「でも葵の転移でいつでも戻ってこれるわよ」
「そうなんだ」
スイナさんとアイちゃんに会えなくなるのは寂しいけど…葵ちゃんの魔法で戻ってこれるなら学校ってところに行ってみたい。
「メアちゃんとお話ししてくる!」
「あ!ユア!?」
メアちゃんとお話ししないと!
ゴエモンブロから上がって急いで着替えてメアちゃんのいるお部屋に向かう。
部屋の前でドアをトントンする。
この前勝手に入ったら葵ちゃんに怒られたからドアをトントンするようになった!私偉い!
中から芽衣ちゃんの声が聞こえてくる。
「は~い」
「ユアです!」
「今開けるね~」
ドアを開けて芽衣ちゃんが出てくる。
「ユアちゃんは毎日早起きさんだね~。今日はどうしたのかな?」
「メアちゃんに会いに来ました!」
「そっか~。まだ寝てるから起こしてあげて?」
「わかった!」
葵ちゃんと一緒に寝ているメアちゃん。
葵ちゃんとは反対側のお布団に入ってメアちゃんを後ろからぎゅってしてあげる。
「メアちゃーん!起きてー!」
「イタい!!何!?誰!?」
「ユアだよ!」
「その起こし方やめてっていつも言ってるよね~?ユア」
「だってこれが一番早く起きてくれるんだもん」
「次やったら許さないから」
寝ぼすけさんなのがいけないのに…
「それでどうしたの?」
「学校の話なんだけど!一緒に行こうよ!」
「え~やだよ~。メアずっとここでのんびり生きるって決めてるし。学校ってすごい遠いところにあるってママが言ってたし」
「そんなのつまんない!」
「メアはつまるの!」
「つまんない!」
「つまる!」
もう!メアちゃんはいっつも頑固でわからずや!
「じゃあどうしたら行ってくれるの!」
「え~。そんなのわかんないよ」
「考えて!」
「う~ん…ママ?ユアをなんとかして」
「え~。私もユアには学校に行ってほしいんだけど~」
「味方がいない…葵ちゃん起きて」
「葵ママって呼べ」
「葵ママもメアを学校に行かせたいの?」
「行ってみてから決めれば?嫌だったら私の魔法で帰れるし」
「そっか。葵ちゃんの転移魔法…」
「葵ママって呼べ」
「それならスイナさんともいつでも会えるの?葵ちゃんの転移魔法で」
「葵マ…」
「出来るってママ言ってた!」
「う~ん…」
「メアちゃんと一緒がいいの!」
「ちょっと…考えてみるけど」
「やった!ママたちに教えてくる!」
「あ!ユア!決まったわけじゃないから!」
部屋を出て温泉に戻る!
走っている途中でスイナさんを見つけたから挨拶する。
挨拶は大事!ってママにいつも言われているからね!
「スイナさん!おはようございます!」
「おはようユア。挨拶できて偉いぞ」
「えへへ」
「じゃが廊下を走ったらだめだと何度も言っておるよな?」
「あ…」
急いでたから忘れてた!
「それで転んでケガでもしたら朝日と夕陽が悲しむじゃろ」
「うん」
「じゃから走ってはだめだぞ」
「はーい」
「うむ。またな」
スイナさんがどこかに行っちゃう。
走っちゃだめなのはわかるけどじゃあ急いでたらどうすればいいのー!
頑張って歩きながら速く足を動かしてみる。
これならかなり早いし走ってない!
「私天才!」
早歩きという新しい技を身につけた私は急いで温泉に向かう。
そしたらちょうどママたちが温泉から出てくところだった。
「ユア!温泉で走ったらだめって言ったでしょ?心配したんだからね!」
「ごめんなさい!」
「それで?メアちゃんはどうだったの?」
「行けるって!」
ママたちが顔を見合わせて驚いている。
「てっきりメアちゃんは折れないと思ってたよ」
「意外ね。ユアのおかげかしら」
「じゃあ細かい日程の話を朝食の時にしよっか」
「ええ」
ご飯はいつも6人で食べている。
たまにスイナさんもいて7人の時があるけど。
私の横にはいつもメアちゃんがいる。
スイナさんが私たちのために作ってくれたオリジナルメニューのお子様ランチをもぐもぐ食べる。
おいしー!
「それで、いつ行こうか?」
「そうね…そもそもその…白百合学園?何歳から入学とか決まっているの?」
「スイナさん情報だと、5歳から20歳までの女の子ならいつでも入学していいみたいだね。年齢によって初等部、中等部、高等部に分かれるみたいだけど」
「じゃあメアとユアはぎりぎり合格ね。何か条件とかあるのかしら?」
「基本女の子なら大丈夫みたいだね」
「そう」
「それじゃ、もう行く?」
「え?早くない?」
「善は急げだよ!今日にスイナさんたちに挨拶していっちゃおうよ!」
「ママ!善は急げって何?」
「良いことは早くやっちゃおう!って意味だよ」
「良い言葉!」
朝日ママは素敵な言葉をいっぱい知ってるから好き!
「今日行こう!」
「よく言ったユア!よっし!スイナさんに急いで食べて報告だー!」
「うん!」
「ユア!よく噛んで食べなさい!おなか壊すわよ。朝日の真似はしないで!」
「うん!」
夕陽ママは物知りだから好き!
それからみんなでスイナさんがいるロビーに。
「そうか。学校に行くのか。いいと思うぞ」
「今までお世話になりました!」
「なんだかんだで結構この街にいたわね」
「居心地よかったよね~。温泉もあったし」
「永住希望」
「ふふ。喜んでくれて何よりじゃ。いつでも遊びに来るといい。歓迎するぞ。…ん?どうしたメア」
メアちゃんがスイナさんの服を引っ張っている。
「やっぱりスイナさんと離れたくない」
「メア?またすぐ遊びに来れるから。ね?」
「やだ」
「メア。わがまま言わない」
「やだやだ!うわーん!」
あーメアちゃんが泣いちゃった!
こうなったメアちゃんはなかなか泣き止まないんだよね。
ちなみに私は泣いたことないよ!えっへん!
いっぱい泣いて疲れたところに、スイナさんが優しい顔でメアちゃんに話しかける。
「メア?あたしも寂しいけどね。メアには学校に行ってたくさんのことを学んできてほしいんじゃよ」
「ぐすっ。私と離れて寂しい?」
「もちろんじゃとも。じゃがな、学校にはたくさんのお前たちくらいの子がおるからの。たくさん友達を連れてあたしの宿に連れてきてくれると嬉しいのう」
「本当?喜んでくれる?」
「ああ。じゃから早く一人前に成長するんじゃぞ」
「いつでも遊びに来ていい?」
「もちろんじゃ」
「…わかった。めんどくさいけどメア頑張る」
メアちゃんが涙をぬぐってスイナさんに抱き着く。
うんうん。メアちゃんはかわいいなー。
「よーし!話がまとまったところで行きますか!」
「どうやって行くの?」
「ここは北の街で目的地は南の街でしょ?まっすぐ行くと王都を通ることになるんだけど、今回は西の街を経由していこうかなって」
「なんで?」
「だって順番に行きたいじゃん?私の計画だと東の街も堪能してから最後は王都がいいんだよね~」
「なにそのこだわり…」
「それに西の街にも久しぶりに行きたいじゃん!銀波亭のサーシャさんとかさ。ファッションブランドのシオンさんとか、遊びに行くって言って全然行ってなかったし」
「確かにそうね」
「だからまず西の街に転移して、そっから南の街目指したいな私は」
「ん…私もそれでいいわよ。みんなは?」
「いいよ~」
「異議なし」
「ママに任せる!」
「わかった~」
「じゃあスイナさん!今までお世話になりました!」
「うむ。メア。ユア。頑張るんじゃぞ」
「「うん!!」」
「ではでは!」
葵ちゃんが魔法を使う。
私も早く魔法使ってみたいなー!
気が付いたらお外にいた。
「ママ。ここは?」
「ここは西の街の入り口近くの草原だね」
「少し歩いたら西の街の門に着くわ」
初めてお外に出た!うわー!どこ見ても何もない!
あ、ちっさく何か見える!あれが門かな?
これから何が起きるんだろう!すっごく楽しみ!




