冒険者ギルド?(ヾノ・∀・`)ムリムリ
評価ポイントつけてくださった方。
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朝、目が覚める。夕陽もちょうど起きたようだ。軽く挨拶して、昨日のことについて触れるが、どうやら大丈夫なようだ。
やっぱり夢じゃなかったねーとか話していたら葵と芽衣が部屋に入ってきた。
思った通り芽衣は昨日の夜泣いていたようだ。顔が腫れて真っ赤。
でもその目は昨日の不安がっているそれではない。一本芯が入ったような、そんな心強い顔持ちだ。これなら突っ込んでも大丈夫かな。
「芽衣、ちょっと大丈夫?めちゃ顔赤いよ!」
「えへへ、夜にやっと自分が死んじゃったんだなって実感してちょっと。化粧が出来ないから誤魔化しようがないね。でも、大丈夫。葵と話して、この世界で頑張ってみようって思ったから。これからも不束者ですがよろしくお願いします」
「こちらこそよろしく!」
「よろしくお願いするわ!」
「芽衣は私が守る」
さて、では朝ご飯食べて、冒険者ギルド行きますか。
朝食はパンと目玉焼き、ウインナーのような何か、そして野菜ジュースだった。美味しい。
「食べながら聞いて」
「どうしたのよ葵」
「自分のステータスを確認してみて」
言われて確認する。
星宮朝日 人族 LV3
HP5250(250+5000)
MP5250(250+5000)
攻撃力135
防御力115
魔法攻撃力130
魔法防御力126
敏捷100
運50
称号 女神ユリレーズの祝福を受けし者
スキル
鑑定
経験値アップ
HP上限アップ LV5
MP上限アップ LV5
変身魔法 LV5
スキルポイント
22400P
「あれ、レベル上がってるね」
「私も上がっているわ」
芽衣と夕陽も上がっているみたいだ。どういうことなんだろう?と思っていると、どうやら葵はなぜレベルが上がったのか把握しているようだ。女神様本に書いてあったらしい。簡単にまとめると…
レベルは何かを為すことによって経験値が溜まり、一定の基準に達すると上昇する。レベルが上がると基礎能力の上昇、スキルポイントの増加が起きる。何かを為すとは、例えば困っている人を助けたり、人の怪我を治したり、魔物を倒したり、物を作ったり色々だ。
私たちは昨日馬に変身したり、回復魔法使ったり、剣を創ったりしたからレベルが上がったようだ。
逆に、犯罪を犯すとレベルは下がる。物を盗ったり、罪のない人を殺した時などだ。そしてレベルがゼロになってしまったとき、その魂は無になる。だから女神様によると、この世界の犯罪率は地球に比べて圧倒的に少ないらしい。盗賊なんてやろうものなら日に日にレベルが下がって最後には勝手に自滅するらしい。
「つまり日本よりも治安がいいってことかしら?」
「私たち監視されているけどね」
「相手からしたら、危険人物をマークしているって考えだと思うから犯罪ではないわね」
例えば、宗教とかどうなんだろう。彼を救うには殺すしかないんだーって言って殺したらレベル下がるのかな?客観的にはレベルが下がるような行いでも、その人が正しいことをしているという認識ならレベルは下がらないのかな?ううん、この考え方が間違っているのかもしれないけど、抜け道がありそうで怖いね。
「まあともかく、街を歩く際必要以上に警戒しなくてもよくなったのはうれしい情報ね。じゃ、受付の人にギルドのある場所聞いて出かけましょ」
受付の人はサーシャさんと言うらしい。サーシャさんによると噴水の広場をさらに進むと中央広場という大きい通りに出るらしく、そのすぐ右側にあるらしい。大きいしすぐにわかるだろうとのこと。
宿を出て中央広場に向かう
「冒険者ギルドってどんなところなんでしょう?」
「うーん、私のイメージだと、筋骨隆々の男たちが跋扈している女子高生に優しくない世界だねー」
「「え」」
「そ、そうなの葵」
「たぶん」
「む、無理だよぉ」
「え、芽衣は男と男の熱い友情とか好きだから大丈夫だと思ってた」
「漫画と現実は違うよ!!」
「お、おう」
「…忘れてた。転生者は絡まれる可能性大」
「…みんな!やめよう!」
「うーん、私は行ってみたいんだよねー面白そうだし」
「芽衣の嫌なことはしたくない」
「じゃあ、人が少ない時間帯を狙っていくのはどうかしら」
「お、それいいんじゃない。たぶん朝依頼受けるから今の時間は人多そう。2時くらい?」
「そうね。男って早起きするイメージないし。午後のほうがいいかしら。どう?芽衣」
「まあ、それなら…」
時間がかなり空いてしまったので街を散策することにした。中央広場はとても広い公園だった。ちょうどベンチがあったので座って歩いている人たちを鑑定で眺める。
「女の人が多いね」
「そうね、あと歩いている人のステータス見てるけど、みんなレベルが高いわね」
「そだねー。でもそれにしては持っているスキルは少ないね」
「ポイントをもらえる量が少ないのかも」
確かにそんな印象を受ける。ちなみに、平均的な人のステータスはこんな感じだ
〇〇さん 人族 LV35
HP1200
MP600
攻撃力400
防御力350
魔法攻撃力200
魔法防御力180
敏捷180
運8
スキル
生活魔法 LV3
スキルポイント
400P
えーと、私は生活魔法を100Pで取れる。3人も同様のようなので、仮に100Pで取得してLV3にするには3100P掛かる。ということは、スキルポイントの残りと合わせると3500P持っていたということになる。この人はLV35だから1レべ上がるのに100Pしか増えていない計算になる。ほかの人も大体がこんな感じだ。たまに200P貰っている人がいるくらい。
つまり結論…1レベルアップで300P貰っている私たちは超優遇されている!
「最初から50000P貰っていた私たちはちょっとズルいね…」
「ちーと」
「まぁ、その分いろいろ面白いことが出来そうだから神様には感謝だね!」
「朝日ならそう言うと思ったわ。私たちはレベルが上がるたびに300Pずつ貰えるようだし、ほかの人よりは今後も多くスキルが取れそうね」
「とりあえず生活魔法取ってみる?取ってる人多いよね」
「私取ってみるね」
芽衣が取ってどんなスキルか調べてくれるようだ。
LV1…ライト(部屋とかを明るくできる)
LV2…クリーン(なんでもきれいにできる)
LV3…ファイア、ウォーター、ウィンド、アース(火、水、風、土の初級魔法)
LV4…スリープ、アウェイク(よく眠れる、清々しい目覚め)
LV5…リテンション(保持)
「ほうほう、便利だねー」
「特にLV3は凄いわね。LV5はよくわからないけど、私も取ろうかしら」
「…ポイントがない」
「葵ちゃん!すぐ取れるようになるよ!」
「クリーンで思い出したんだけど、私たち昨日の下着のまんまだよね……」
「はっ!気にしないようにしてたら忘れてたわ」
「芽衣、クリーンかけて」
「うん。任せて!【クリーン】」
おお、これはッ!スゲーッ 爽やかな気分だぜ。新しい下着をはいたばかりの正月元旦の朝のようによォ~~~ッ。
「芽衣、すごいいい感じだよ!ついでに服買いに行こうよ服!」
「そう言えば、ずっと制服のままね。夜下着でうろつくのははしたなかったわね」
「昼間はもう制服のままでもクリーンできれいにできるからいいかもしれないけど、夜着は必要だね」
「地球にいた頃の思い出の服だし、制服はなるべく着たいね」
「賛成」
「とりあえず、下着とパジャマ買いに行くってことで。服屋へレッツゴー」
というわけで歩いている人に尋ねてお洋服屋さんを見つけた。結構大きい。大型スーパーくらいある。正直期待してなかったけどこれは掘り出し物があるかもしれない。早速下着コーナーに向かう。
「おぉー、かわいい下着あるじゃん!」
「日本までとはいかないけど、なかなかね」
「…私はパンツだけでいい」
「ダメだよ葵ちゃん!今からつけない癖がついちゃったら大変だよ?」
「…どうせこれ以上大きくならない」
「葵ちゃんにはできればそのままでいて欲しいけど…オシャレだと思って、ね?」
「見えないから関係ない」
「もぉーーー!!」
芽衣と葵がいつもの会話をしているのをBGMにしつつ私と夕陽もそれぞれのものを選ぶ。
「夕陽には…これだね!黒の紐ショーツ!」
「またそうやって私にエッチなものを…あ、ノンワイヤーブラとショーツがあるわ。朝日ノンワイヤーのほうが好きよね。これどう?」
「わかってるね―夕陽。ラクなのが一番だよ!それいい!」
何点か選んでお互いに渡していく。
そうして物色していると店員さんがこっちに近寄ってくる。
「気に入ったものはございましたか?」
「そうですねー、思ったよりいいのがいっぱいあります」
「それは良かったです。【ラブジュール】というブランドがここ数年で人気急上昇でして。可愛らしい下着が最近凄く増えたのでお勧めですよ」
「へー。あ、見当たらなかったんですけどブラトップ置いてます?」
「……存じ上げない名前なのですがどういったものでしょうか?」
「えーと、簡単に言うと服の内側にブラジャーの機能がついている感じですかね?ラクで個人的に必須アイテムなんですけど」
「……もう少し詳しく聞きたいので少々お時間いただけます?」
なんか店員さんめっちゃ食いついてきた!
「えーと、友達も今選んでるのでちょっと…」
「いえ、すぐに終わります!あ、今選んでいる商品全てタダで差し上げますから!」
怖いよこの人!グイグイ来るよ!
「夕陽助けて~」
「あら、行ってきていいわよ?あの二人には私が伝えておくわ」
「ほら、お連れの方もこう言ってくれていることですし!ささ、どうぞこちらへ」
そう言ってスタッフルームに引っ張られていく私と笑顔で見送る夕陽。どうしてこうなった。
「申し遅れました。わたくし【ラブジュール】社長のシオンと言います」
「私は朝日と言います。昨日この町に来たばかりで。あ、さっき聞いた急上昇ブランドの」
「はい、市場調査でこのお店に来ていました。提携しているので。それで早速なのですが先ほど仰っていたブラトップなるものの説明を詳しく聞きたいのですが…」
別に言っても減るものじゃないしせっかくだからしっかり情報提供する
「ふむふむ、なるほど。部屋着でラクに過ごしたい人向けと」
「そうそう、特にこれから暑くなりますし布一枚で過ごせるからいいですね~」
「……これは絶対売れますよ!キますよこれはッ!」
店員さん、もといシオンさんのテンションが高すぎて怖い。
「あの、ウチで作ってみてもいいですか?あ、もちろん情報量はしっかりお支払いしますし、売り上げの何パーセントかもお支払いします!」
話が大きくなってきたよ!?
「私は構わないのですが…売れなかったらこちらに何かあるとかありますか?」
「仮に売上0でもこちらが負担いたしますので!ありえないですが!」
「そうですかぁ。私は作ってくれるなら私も欲しいのでいいですよー。あ、でもでも今後街を離れるかもしれないので売り上げ分のお金は要らないです」
「ありがとうございます!ではこの情報料と売上予想でですね…光金貨30枚でどうでしょう?」
光金貨30枚=3000万円
「えーと、そんなに貰えるのデスカ?」
「はい、むしろ少ないかもしれませんが」
「いえいえ、とんでもないですはい」
「ただ今はちょっと用意できないので、明日お伺いしてもいいですか?アサヒさんは今どちらに?」
「銀波亭と言う宿ですね」
「あ、知っています。何時くらいがいいですか?」
「そうですねー9時までは宿にいるかと」
「では9時にお伺いします」
何かわからんがあれよあれよと決まっていく。
くっ、これが大人のビジネスか!
「それでは、お連れ様のところに戻りましょうか。今日のお代は私が持ちますので」
「あ、はい」
スタッフルームを出て3人に合流する。
「あら、朝日。お帰りなさい」
「朝日様とは大変有意義なお話が出来ました。今後とも懇意にしていただけたらと思います。あ、皆様商品は決まりましたか?今回の商品はプレゼントいたします」
「え、いいんですか?」
「はい、少々お待ちくださいませ」
シオンさんが商品を抱えていなくなる。
「朝日やるじゃない。うまく説明できたみたいね?」
「うん、まぁ」
「?歯切れ悪いわね。他にも何かあったの?」
「…情報料として光金貨30枚明日貰うことになりましたー」
「「「30枚!?」」」
「ちょ、ちょっとどういうこと?」
シオンさんについて説明。
「へー朝日ちゃんラッキーだったね」
「…芽衣と朝日は運が高いから」
「確かに、鑑定で多くの人を見たけどこの二人以上に運が高い人って見たことないわね」
「関係あるかもね」
シオンさんから商品を受け取ってお店を出る。いやー買い物に来たのになぜかお金が増えるという謎現象。