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JK4人の異世界暮らし!  作者: 綿あめ真
北の魔眼の王と温泉勇者
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ワカサギ料理を満喫!&遂に温泉湧き出たー!

 宮殿へ戻り、負けた赤チーム(夕陽)にワカサギを調理してもらうことに。

 アイテムボックスから今回釣ったワカサギを出す。


 今夜はたくさんワカサギがあるので、天ぷらやシンプルに塩焼きにして食べるみたい。


「小麦粉とか油ってこの世界にあるの?夕陽」

「あるわよ。パンとか食事でよく出るでしょ?街でたくさん買ってあるわ」


 言われてみれば、朝食にパンが出ることが多かった。

 パンは小麦粉から作られているんだっけ?

 作ったこと無いから知識が乏しい。


「最初はワカサギの天ぷらよ!」

「「「おお!」」」


 ワカサギと言えば天ぷらだよね!食べたことないけど!


「天ぷらとは何ぞや?」

「ええとですね…今夕陽が作っているように、てんぷら粉をワカサギにコーティングして、油で揚げる料理です」

「うーん見当がつかんのう」

「出来たわよ」

「食べてみましょう!そうすればわかります!」

「お腹空いたの!早く食べるの!」


 お皿いっぱいに盛られたワカサギの天ぷらをそれぞれ手に取って食べる。


「おー!美味しいの!」

「サクサクで美味しいね~」

「ちょっと苦い?」

「内臓の処理をしていないからかもしれないわね」

「でも甘さもあるね!美味しい!」


外はサクサクで中は…ししゃもみたいな味かな?甘みがあって美味しい。


「まだまだお代わり作るからね」

「「「やった!」」」


 お皿に盛られていたワカサギはみるみるなくなり、第2弾を待つことに。


「美味しいわねぇ。スノー」

「ちょっと魚を舐めていたわね。こんなに美味しいなんて知らなかったわ。エレーア」

「これは釣りたてですからね。鮮度抜群なので普通よりもおいしいと思いますよ」


 アイテムボックスの中は時間の流れが止まっているので、本当についさっきまで泳いでいた状態なのだ。美味しくないわけがない。


「もっと食べたいの!」

「今出来上がるからね。ちょっと待ってね」

「ふむ。魚ももちろん美味しいが、この天ぷらなる調理方法も美味しさを引き立たせておるな。今度あたしの宿の食事にも取り入れてみたいのう」

「スイナさんの宿はお刺身がありますからね。天ぷらもあるとメニューもより一層充実しますね!」

「うむ。最近何かいい料理が無いか試行錯誤していたところじゃ。夕陽よ。あとで調理の仕方を教えてくれんかの?」

「いいわよ」


 私たちも泊まっている宿だし、メニューが増えることはいいことだね!


「はい、お代わりできたわよ」

「わーい!なの!」

「小さいからいくらでも食べられそう」

「私がたくさん釣りましたらねぇ。いくら食べてもなくなることはないと思うわよ」

「釣った?」

「ちょっと語弊があるわね」

「まぁまぁ。エレーアさんのお陰でこうして幸せな気分になれているんだから細かいことは気にしない気にしない」


 そしてお代わりも完食し、次の料理へ。


「次はワカサギの佃煮よ」

「「「「「おお!」」」」」



 ワカサギが亜麻色に塗られ、先ほどのサクサクしていそうなワカサギさんと違い今度のワカサギさんはしっとりしている。


「ん~♪これもとっても美味しいの!」

「甘辛くてさっきと全然違うわねぇ」

「ちょっと私には味が濃いわね」

「作りたてですからね。数日したら馴染んで丁度よくなると思うわ」

「私はこれぐらいが好きだよ!」

「どっちも美味しい」

「いくらでも食べられるね~」

「うんまいのう」


 佃煮ってこんなにすぐ作れるものなんだ。

 私のイメージだと何日も熟成(?)させてじっくり作らないとできないと思ってたよ。


「次はワカサギの南蛮漬けよ」

「南蛮漬け?また聞いたことのない料理じゃな」

「から揚げした魚を酢漬けにした料理ね」

「おお!野菜がいっぱい入ってる!」

「彩がいいわねぇ」

「よだれが出てきたわ」

「酢の物ですからね」


 今までのワカサギオンリーとは違い、いろんな野菜と一緒に食べれるのがいいね。


「あっさりしてて美味しい!」

「野菜も一緒に食べれるからいいわね」

「薄味でちょうどいいわねぇ」

「ちょっとお酒が飲みたくなるわね」

「これも数日したら味が馴染むから、またしばらくしたら食べましょう」

「時間が経って味を比べるのも楽しみの一つだよね」


 カレーとかね。味が熟成されて美味しくなるとか。

 でも私、カレーは作った日が一番美味しいと思う。

 異論は認める。


 みんなハイペースで食べていたので、さすがに箸の進みが遅くなってきた。

 そんな中、本日最後のワカサギ料理が登場する。


「最後はシンプルに塩焼きよ」

「ラストにふさわしいね!シンプルイズベスト!」

「これならあたしも作れそうじゃ」

「焼くだけだから」

「いただきまーす!」


 みんなで食べる。


「うん!おいしい!魚の味がする!」

「魚の味って何よ」

「本来の?旨味的な?素材を生かした味」

「朝日ちゃんに食レポは出来ないね~」

「美味しければいいんだよ!感想は言葉にしなくても!」

「骨ごと食べられるのがいいわよねぇ」

「ちょっと体に良さそうね」

「全部美味しかったの!」


 骨ごと食べられるってことはカルシウム不足の解消になるかもしれないね。

 美味しいし一石二鳥!


 計4品をぺろりと完食してしまった。

 夕陽の料理スキルが最大値なのも関係しているかもだけど、どんどん夕陽の料理が美味しくなっている気がする。

 

 満足したー!


 お腹がちょうどいい具合に膨れてまったりしていると、スイナさんそっくりの土人形さんがやってきた。


「わが主。温泉が湧き出まシタ」

「皆の衆!温泉が湧き出たぞ!」

「おお!行こう行こう!」

「1週間かからなかったわね」

「わーい!なの!」


 遂に温泉が!早速見に行こう!

 みんな楽しみなのか、走って宮殿の裏側に向かう。


「本当に湧き出てる!」

「すご!こんな風になるんだ!」

「これで温泉入り放題なの!」


 宮殿の裏側には小さな湖があった。ただし、湯気がもくもく出ていて温かいことがわかる。


 直径25メートルくらいかな?広すぎでしょ!

 どれだけ広範囲に掘ったのこのゴーレムたち!

 泳げちゃうよ!


 心なしかゴーレムがやり遂げた感を出しているように見える。汗を拭う仕草をしているゴーレムも。キミ土でしょ!汗かかないよね!?


「どれ、温度を確認してみるかの」


 スイナさんが温泉に手を入れる。


「ふむ。ちょっとばかしぬるいが、どうじゃ?」

「うーんと、これぐらいでもいいの!長湯できるから!」


 どれどれ?私も温度を確認してみる。

 うん。38度ないくらいかな?体温よりちょっと温かいくらい。

 これなら半身浴とかしてのんびり過ごすのにちょうどいいかもしれない。


 ミユちゃんは温泉に浸かりながら空をぼーっと見るのが好きみたいだから絶好の温度だね。


「なら調節はしなくもよいかの。では次の作業じゃ」

「次は何をするんですか?」

「温泉の周囲を岩で囲むとな、それっぽくなるのじゃよ。【アースクェイク】!」


 スイナさんが土魔法を発動させる。

 温泉の周囲に岩が並べられ、見た目が一気に露天風呂っぽくなった。


「温泉だこれ!?」

「見た目でこんなにも変わるのね。驚いたわ」

「ねえ!皆で入りたいの!」

「ミユちゃんナイスアイディア!」

「着替え持ってきてもっかい集まろう!」


 一度屋敷に戻ってパジャマを取りに行く。

 ミユちゃんはよっぽど嬉しいようで鼻歌を歌っている。


 部屋に戻って下着やらパジャマやらタオルを持って再び裏庭に。

 脱衣所は無いから温泉の近くで服を脱ぐ。


 それはつまり開放的なお外で裸になるわけで…


「な、なんかいけないことしてるみたいだね」


 こんな外で服を脱ぐことなんてないから!


「言われてみればそうね…」

「でも何だか気持ちいいような?」

「芽衣。その扉は開いてはいけない!」

「危険」


 芽衣が軽く顔を赤らめてうっとりしている。

 そっちの趣味はマズいよ!


 ミユちゃんはテキパキ服を脱いでぴょんぴょんしている。


「ねえねえ!飛び込んでもいいの?」

「特別じゃぞ」

「わーい!」


 ざぶーん!

 …しばらくしてざばっと浮かび上がってくるミユちゃん。


「結構深いの!ビックリしたの!」


 私たちも温泉に入ってみる。

 お、確かに普通の温泉より深い。立ってちょうどいいくらい。


「あれだね。温水プールみたい」

「温度的にもそんな感じね」

「泳ぎたくなってくるね!」

「確かに」

「ミユちゃん。これぐらい深くても大丈夫なの?」


 ミユちゃんが立つと丁度首まで浸かる深さだ。


「これもまたよし!なの!」


 どうやらお気に召した様子。ニコニコである。

 しかし私たちにはかなりの違和感が。


「温水プールを全裸で入っている気分?」

「また朝日はそういうこと言う…」

「一気に恥ずかしくなってきたよ~」

「変態プレイ感」

「あ、でもそれがいいような…(ぞくぞく)」


 芽衣が完全にそっちの趣味に目覚めかけている件。


「ちょっとちょっと!葵何とかしないと!」

「芽衣が良いなら」


 えぇ…

 戦慄していると遅れてエレーアさんとスノーさんがやってきた。


「これが噂の温泉なのねぇ」

「裸で入るのちょっと恥ずかしいわね」


 2人が服を脱ぐ。

 2人ともかなりの巨乳で、スタイルもいい。

 ザ・お姉さん。


「はぁ~。気持ちいわねぇ」

「気持ちよすぎてちょっと眠くなるわね。これはミユがハマるのもわかるわ」

「お姉ちゃんたちと一緒に入れてうれしいの!」


 3姉妹が仲良く湯に浸かっている。

 これから毎日入り放題とか羨ましい!


「どうやら満足してくれたようじゃの」

「最高なの!スイナ!ありがとうなの!」

「気にするでない。喜んでくれて何よりじゃ」


 スイナさんかっこいいなぁ。

 こんなすごいものを作ったのに当たり前ようにしているなんて。

 普通の人なら見返りを要求するよね。これが勇者たる所以なのか!


「泳いでもいいの?」

「よいぞ」

「スイナも一緒に泳ごうなの!」

「あたしも!?」


 ミユちゃんとスイナさんは泳ぐようだ。

 これだけ広いから全力で泳げるね。


「私も泳ごうかなー?」

「いってらっしゃい」

「夕陽もだよ?」

「…私泳げないわ」

「教えるから!ね?」

「もう。しょうがないわね」


 夕陽とみんなに水しぶきが掛からないように移動する。


「私本当に泳げないのよ」

「だから今までプールとか海行っても泳がなかったんだ」

「そうよ。バレるの恥ずかしいし…」

「可愛いなぁ夕陽は。大丈夫。手を掴んで溺れないようにするから」

「離したら怒るから」


 夕陽の手を取る。


「まずは体を浮かせてみて」

「こ、こうかしら…」

「そうそう。それで足を交互に動かして」


 バタバタ。


「ちゃんとバタ足も出来てるよ。泳げるんじゃない?」

「手を離されたら絶対うまくできなくなるわ」

「ちょっと離してみる?」

「溺れそうになったらすぐに助けてくれるのなら…」

「わかったよ。いくよー!はい!」

「あ…!」


 手を放す。

 すぐに今までスムーズだったバタ足が不規則な動きになり体が沈んでいく。


「ちょっ!!助けっ!」


 急いで夕陽の脇の下から手を入れて抱き上げる。


「けほっ!けほっ!」

「大丈夫!?」

「うう…お湯を飲んじゃったわ…」


 よっぽど怖かったのか、コアラみたいに抱き着いてくる夕陽。

 顔もキスできるくらい近いし、そんなに密着されるとムラムラしてくるんですけど…


「はぁ。やっぱり泳ぐのは怖いわ。せっかく練習に付き合ってもらったのに」

「ううん。いいんだよ。それで、私たちすんごく密着してるんだけどそれについてどう思う?」

「え?…!ごめんなさい!」

「待って!」


 離れようとする夕陽を強く抱きしめる。

 夕陽が慌てて小声で抗議してくる。


「(ちょっと朝日!皆いるから!)」

「(大丈夫だよ。芽衣と葵も泳ぐ練習してるし、ミユちゃんとスイナさんは反対側まで泳ぎに行っちゃったし。エレーアさんとスノーさんもまったりお話してるから誰もこっち見てないよ)」

「(だからってここじゃなくても!)」

「(夕陽ががっちり抱き着いてくるからだよ?ほら、口開けて)」

「(ちょっ!ん…)」


 そのままキスしながら背中に回していた手でおしりを触ろうとするとがっちり手を掴まれた。


「(ん…はぁ…続きは部屋で…ね?流石にここでは恥ずかしいわ)」

「(え~)」


 それからみんなに合流し、上がることに。

 そして上がった後にあることに皆が気付く。


「ねえ、なんか肌すべすべじゃない?」

「…本当ね」

「温泉の効能かしらぁ?これなら毎日入るわよぉ」

「ちょっと凄くない?」

「ラッキーじゃの。どうやら美白効果のある温泉を引き当てたようじゃ」

「「「「おお!」」」」


 女の子には嬉しい効能第1位(私調べ)!

 テンションアップでホクホクしながらパジャマに着替えて、今日はもうお休みをすることに。


「じゃあ、また明日ねー」

「おやすみなさい」

「おやすみ~」

「ぐっない」


 部屋に戻る。ドアの鍵を閉める。

 ふっふっふ。

 お楽しみタイムはこれからだ!


 きっと振り向いた時の私の顔はかなり邪悪だったのだろう。

 夕陽がビクついていた。


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ポンコツお姫様姉妹と巡る異世界譚
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