ロキの使徒
今後の展開ですが…
今回ヤバい人たちが登場しますけど、殺伐な雰囲気にする気はないんです!
あくまで朝日たちのラブコメがメイン。サブで世界観含めた戦闘…で進めたいです。
…目覚めると白い空間にいた。
 
目の前にはおかしな帽子を被った少年。
隣には俺の理想を体現したかのような少女がキョトンと此方を向いている。
もう少し俺が若かったら絶対に口説いただろうな。
だが俺はもう爺だしなぁ。はぁ。
隣にいる超絶美少女が俺に話しかけてくる。
「ユキ…なのか?」
「はあ?違うぞ」
「え?どう見ても…いや、すまない。人違いだった」
誰だよユキって?それにユキって女の名前だよな?
俺は男だし…ん?そういえば体の感覚が違うな。妙に若々しいというかなんというか。
自分の手を見ると女みてえに細い。皴が一つもない。
それに妙に胸のあたりに違和感が…
『そろそろいいかなー?』
「…何者だおめえは」
目の前の少年がニヤニヤしながらこちらに話しかけてくる。
コイツ叩き切ってやろうか?…と思ったが見た目のわりに強いなコイツ。
隙だらけなんだが…攻撃したらマズい。何度も味わった死の予感。いやもう死んだはずなんだがな。
『こんにちは。初めまして。僕の名前はロキ。どうしてこんな状況になっているか?それは君たち二人をある世界に転生させたいと思っているからです』
「転生だあ?」
『そうそう。君たちは日本で死んだけど、別の世界で生き返らせてあげようと思ってね。もう一度、全盛期の力を持って世界を楽しんでみないかい?』
全盛期の力か。日に日に衰えていく肉体。何度昔に戻れたらと思ったことか。
この体は女性のようだが、力が漲っているのがわかる。どこまで動けるのか今すぐ試してえくらいだ。
「悪くないな。転生させてくれるのなら感謝しかねえ。お前は?」
「俺も。もう一度やり直せるのなら、今度こそあいつを超える奥義を見出す」
あいつ?誰かと因縁でもあんのか?
『ちなみに、今の君たちの肉体は16歳に設定しているよ。あと、ケンカしてほしくないからお互いの理想の女性の姿に変わっているからね。くれぐれも仲違いしないでねー』
成程な。通りで隣の奴はこんなにも美人なのか。
口調からして俺と同じで元は男のようだが…もったいねえな。
「それで?別の世界ってんだから日本じゃねえんだろ?どんなとこだ?」
『よくぞ聞いてくれました!その世界には君たちの世界には存在しない魔法なる特殊な力が戦闘の基本となっているよ!それに、人間以外にも魔物と呼ばれる凶悪な存在や、人間の亜種、エルフやドワーフといった人型の別種族もいる不思議な世界だね!もしかしたら君たちの剣術は通用しないかも?』
「ほお!おもしれえ」
「…ふむ」
俺は人間とは飽きる程戦ってきたが、それ以外はあまり経験が無い。それに魔法が何なのかよくわからねえが、日本で経験したことがねえ戦闘が出来ることは間違いなさそうだ。
その中で俺の剣術がどれほど通用するか試せる…ワクワクしねえほうがおかしいだろ!
隣の奴は何か考え込んでいるようだが、口元が吊り上がっている。こいつも冷静ぶってるが楽しみに違いねえ。
『さて、以上の話を踏まえて、僕からお願いがあるんだけども』
「なんだよ?」
『ある人たちに会って欲しいんだ。出来れば戦って欲しいけど、まあ行動を縛るつもりはないから会ってからどうするか決めるといい』
そう言って少年…ロキだったか。が何もない空間から似顔絵を出す。
似顔絵ってより、上手すぎて本物にしか見えねえ…俺も絵を描くのは多少自信があるんだが…こいつ俺よりうめえな。
どうやら女の絵だ。4人いて、全員10代だろう。
どいつも別嬪だが…何で同じ服着てんだ?それに…
「4人とも素足晒して何考えてんだこいつら?下着が見えそうだぞ」
「痴女集団だな。間違いない」
『ぷふっ。その人たちも日本出身で、今から君たちが行く世界へ先に向かったんだ。ちなみにかなり未来の日本からの転生で、未来の日本ではこれぐらいの年齢の女性はこの服装を着ることを義務付けられているんだ。全員じゃないけどね』
この破廉恥な服装が制服だと?未来の日本どうなってんだ。
「まあいいや。それで、どうしてこいつらに会わないといけないんだよ?」
『ん?いや、面白い人たちだからね。会って損はないかなーってね』
なんだこいつ?急に歯切れ悪くなったな。
俺が訝しんでいると隣の奴が質問をする。
「この可憐な少女たちは…強いのか?」
確かにそれは大事だな。女でも強い奴なら興味はある。
『強いよ。間違いなくね。特に一番背の高い女性いるよね?その子は君と同じ二刀流を使うよ』
「…二刀流だと?」
急に会いたくなったな。なんせ俺も二刀流だ。未来の剣術に俺の剣術が通用するのか…気になるな。
『あと、その横にいる活発そうな女の子ね。星宮朝日さんって名前なんだけど。彼女はもしかしたら君の秘剣を破るかもしれない』
「…何?」
隣の奴が大きく反応する。
こいつ秘剣なんてあるのか。面白そうだな。
『だから、君たちがより強くなるにはいい相手かもね。その写真はあげるから、探してみるといい。あと、東西南北の端に魔王と呼ばれている魔物の頂点がいるからね。これまた強いから腕試しにいいかも?』
「魔物の王か。魔物ってのがいまいちよくわからねえが、機会があったら行ってみるか」
『僕からは以上かな。さて、これから剣と魔法の世界【アルズワルド】に飛んでもらうけど、特別に何か一つスキルを与えよう!何か欲しい能力はあるかい?何でもいいよ?せっかく魔法が使えるからね。魔法もありだし、オススメは楠葵が使っていたアイテムボックスかな。あれは便利だねー。あとは韋駄天とかの自己強化とか…あ、楠葵ってのはその写真の一番背の低い子ね』
すきるだあ?なんだそりゃ。
「そんなもんは要らねえから木刀でもくれ。2本な」
「俺も要らない。その代わり生前俺が使っていた刀があれば欲しい。無ければ近いものを」
『要らないんだ…ええと木刀ね。はい。あと君は…備中青江だっけ?はいどうぞ』
受け取った木刀を握る。
うん。いいな。馴染む。
『それじゃあ、第二の人生を楽しんでね!天下無双の剣豪、宮本武蔵。剣聖、佐々木小次郎』
「「なんだと!?!?」」
隣の奴の名前が…佐々木小次郎だと!?
 




