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JK4人の異世界暮らし!  作者: 綿あめ真
北の魔眼の王と温泉勇者
45/100

温泉が気持ちよすぎて街がヤバい

 結婚式を挙げてから数日。私たちは穏やかな日々を送っていた。

 温泉に入ったり、街をぶらぶら散歩したり、温泉に入ったり…


 結婚初夜?もちろん滅茶苦茶イチャイチャしたよ。



 そんなこんなでのんびり休暇ライフを送っていたのだけれど、街ではある噂で持ちきりだった。

 魔物が最近増えてきて、凶暴になっていないか?と言う噂だ。

 今日も街を4人で散策しているのだけど、冒険者らしき人が不安げに立ち話をしている。


「昨日もゴブリン20匹討伐の依頼だったのに、いざ行ってみると100匹以上いたらしいぞ」

「最近依頼と実際の数が合わないな」

「ロウのパーティが大怪我して帰ってきたらしいぞ」

「マジか。ロウって言ったらCランクだろ?何があったんだ…」


 どうやら魔物が増えているのは本当のことみたい。

 魔物が増えている原因として考えられることは一つ。ミユちゃんが魔王のお仕事をサボっているからに他ならない!


「ミユちゃんを説得して魔物の制御をしっかりしてもらうように頼まないとマズいね」

「そうね。このままだと危険な気がするわ」

「でも、ミユちゃんは魔王城がつまらないから街まで来てるんだよね」

「魔王城でも楽しく暮らせる娯楽を提供しないといけないってことね」


 ミユちゃんは週一で温泉に入りに来るくらい魔王城に居るのがつまらないみたいだ。


「とりあえず、ミユちゃんと話をしてみようか」

「そうね。とにかく一旦魔物を制御をしてもらわないと。いつ魔物が暴走してもおかしくないわ」


 と言うわけで、宿に戻って露天風呂に行くと、案の定ミユちゃんが居た。


「ミユちゃん!魔物が増えてきて被害が出てるよ!魔王城に戻って魔物を制御しないと」

「…でもおうちはつまらないの」

「そもそもここで魔物の制御は出来ないのかしら?」

「神様に聞いたことがあるけど、それは出来ないの。魔王が魔王城にいることで魔物は統率されるらしいの」

「じゃあやっぱり戻らないと!」

「でも~」

「お姉ちゃんたちも心配しているんじゃないかしら?」

「うう」

「このままだったら魔物が街を襲っちゃうよ?そうなったら温泉に入ることも出来無くなるよ!」

「!!」

「温泉を守れるのはミユちゃんしかいないんだよ!」

「…わかったの。しばらく温泉のことは忘れるの」


 ミユちゃんが残念そうに立ち上がる。

 ちょっとかわいそうだけど…


 それから5人でロビーまで行くと、人だかりが出来ていた。


「…やっぱりあたしが行くよ」

「止めてくれスイナちゃん!俺たちがもっと頑張るからよ!」

「そうだぜ!スイナちゃんにもしものことがあったらこの街はどうなるんだ!」

「考え直してくれ!」


 何やらスイナさんが出ていくのを男の人たちが止めようとしているようだ。スイナさんの後ろから声を掛ける。


「スイナさん!どうしたんですか?」

「おお!お主たちか。最近魔物が増えてきているだろう?温泉の経営も軌道に乗ってきたことだし、そろそろ勇者として活動しようと思っての」

「ええ!?まさか…」

「そのまさかじゃ。魔王を倒しに行こうかと思っての」


 あなたの目の前にいるぼーっとしてる子が魔王ですけど!?

 ミユちゃん(魔王)がスイナさん(勇者)に話しかける。


「…スイナは魔王を倒したいの?」

「それで魔物が減るのならの。街の平和を守るためなら一肌でも二肌でも脱ぐわい」

「魔物が減るなら倒さなくてもいいの?」

「そうじゃのう…いずれは倒さんといけん気がするがの」

「わかったの。それは私たち5人で何とかするの。だからスイナは温泉の管理を頑張ってなの」


 勝手に数に入れられてる!?

 いいけども!


「お主たち5人で魔物を減らすと?たった5人でどうやってじゃ」

「秘密なの」

「むぅ…お主たち4人はレベル100を超えておるのじゃったか…」


 レベル100!?とスイナさんを止めようとしていた人たちが驚いているけど、気にしないようにする。


「わかったのじゃ。その秘密の作戦に頼るとしよう」

「ありがとうなの」

「ただし!」


 ただし?


「あたしもその作戦に参加させてくれ!これでも勇者だから何かと役に立つはずじゃ!人に任せっぱなしと言うのも気分良くないしの」


 ミユちゃんと一緒に居たら魔王だってことがばれちゃいそうだけど…ここで断るにしても理由が無いんだよね。


「…わかったの。スイナにも手伝ってもらうの」

「(大丈夫なの?スイナさん勇者だよ?)」

「(たぶん…なの)」


 もしバレてしまったとしても、いざとなれば私たちが上手く取り繕おう。

 こうして魔物を減らそう!作戦が開始されることになった。


 スイナさんはしばらく宿を留守にするので従業員の皆さんに引継ぎをしなくてはいけないらしく、しばらく別行動だ。


 その間に5人で部屋に戻り、話し合いをする。


「それで、これから具体的に何をするの?ミユちゃん」

「先ずは、私が魔王城に戻って魔物を制御するの」

「うんうん」

「でも、一度増えてしまった魔物を減らすことは出来ないから、4人とスイナには魔物をたくさん倒してもらいたいの」

「なるほどね」

「私が魔物を統制して1か所に集めるから、5人でドカーンて倒してなの」


 つまり、最初に6人で魔王城に行く。その後ミユちゃんが魔物を1か所に集めて、大魔法なりで一気に倒すと。


「スイナさんを魔王城に連れていくことになるけど大丈夫かな?」

「そこが一番の問題ね」

「いっそミユちゃんが魔王だってバラしちゃうとか?」


 ある程度2人は面識があるし、大丈夫だとは思うけど…


「ミユちゃんはどう思う?」

「魔王の私が温泉入りに来てもいいの?もしダメって言われたらどうしようなの」

「うーん…ダメとは言わないと思うけど…」

「でもダメって言われたら立ち直れないの。だから…」

「だから?」

「お姉ちゃんたちを魔王役にして、やられてもらうといいと思うの」


 ミユちゃんのお姉ちゃんか。3姉妹なんだっけ?勝手に決めていいのかなあ。

 話し合いの結果、こんな作戦になった。

 

 先ず私たち4人とスイナさん・ミユちゃんで魔王城に行き、ミユちゃんのお姉ちゃん(魔王役)と6人で戦う。

 その隙にミユちゃんが魔王城に魔物を集めて、お姉ちゃんたちを倒した後に魔物退治をして、魔物の数を減らす。


「大丈夫かしら」

「なるようになるんじゃないかな!」

「きっと大丈夫だよ~」

「頑張るの」

「ん」


 なんとかなるよね!

 いざ、北の魔王城!


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ポンコツお姫様姉妹と巡る異世界譚
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