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JK4人の異世界暮らし!  作者: 綿あめ真
北の魔眼の王と温泉勇者
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魔王城で結婚式!? 前編

 結婚式の準備は着実に進んでいた。

 仕事の合間に長椅子と教壇を買い、玉座の間を教会風にしたり。

 当日の司会はルコアさんに、神父役はダハクさんにしてもらうので、台本を書いて練習してもらったり。


 ほぼ魔王城の準備が終わり、そろそろ招待する人に声を掛けようと考えていると、銀髪眼帯の魔王ミユちゃんがいつものように温泉に遊びに来ていたので、結婚式に招待してみる。


「ミユちゃん、こんにちは」

「こんにちは。なの」

「ちょっとお話してもいいかな」

「いいの」

「私たちの結婚式にミユちゃんを招待したいんだけど、良かったらどうかな?」

「いつ?」

「たぶん数日中には」

「…わかったの。その間はここの宿に泊まるの」

「いいの?」

「きっと大丈夫なの」


 スイナさんに話したし、これで一応呼べる人は全員呼べたかな。

 その翌日、スイナさんから新しい従業員を雇ったので仕事は任せてもらって大丈夫と通達が。


 よし。あとは心の準備だけだーー!!


 最後の仕事を終えた日の夜。葵と芽衣の部屋に4人で集まる。


「明日からしばらく仕事は大丈夫みたいね」

「何だか寂しいね~」

「楽しかったよね」

「ん~」

「明日からどうしようかしら。今まで朝から夜まで仕事をしていたから何をすればいいのかわからなくなるわね」

「明日の予定なんだけど、やりたいことがあるんだ。私に任せてもらってもいい?」

「何をするの?」

「それは当日のお楽しみ」

「朝日がこそこそ何かやっていたことに関係あるのかしら」

「な、何のことかなー?」

「なんにせよ、楽しみにしているわ」

「芽衣もいい?」

「いいよ~」

「ありがとう!じゃあ明日は忙しいと思うからみんな早く寝てね!ほら、夕陽!部屋に戻って寝るよ!」

「ちょっと!手を引っ張らないで。芽衣、葵、お休みなさい」

「お休み!」

「「お休み(~)」」


 部屋を出て自分たちの部屋に戻る。

 あー緊張してきた…


「朝日がそんなにそわそわしているのは珍しいわね」

「まあね」

「そんなに明日は面白いことが起きるのかしら」

「夕陽には楽しんで欲しいな」

「それは内容次第だけど」

「まあ今は何も考えないで寝よう!」

「わかったわ。お休み、朝日」

「お休み夕陽」


 緊張して寝られないかもと思ったけど、意外にもすぐに寝ることが出来た。私って大物なのかも?


 起きて制服に着替える。夕陽はまだ寝てる。今のうちに招待客を転移して、待っていてもらおう。部屋を出ると葵が待っていた。


「おはよう」

「おはよ」

「ミユちゃんとスイナさんを魔王城に招待しようか」

「ん」


 スイナさんとミユちゃんには事前に伝えていたので、2人ともロビーで待っていてくれた。


「おはようございます」

「おはようさん」

「おはようなの」

「では、早速ですが式場に転移しますね」

「うむ」

「わかったの」

「葵お願い」

「ん」


 4人で魔王城に転移する。


「おお!ここかの!ずいぶん立派な…教会?かの?ここはどこじゃ?」

「えーと、ここはとあるお城で、今日の為に貸してもらったんです」

「ほう。おお、あちらにいるのは神父様かの。ずいぶんガタイがいい神父じゃの」

「ムキムキ神父なの」


 あんな神父が居てたまるか!

 なんちゃって神父ダハクさんがこちらに来て挨拶をする。


「今日はよろしく頼む。4人の晴れ舞台だ。立派に役を務めて見せよう」

「初めまして神父さん。あたしはスイナと言う。今日はよろしくの」

「ミユはミユなの。よろしくなの」

「うむ。我はダハク。朝日たち以外でこの城に来てくれる人間は珍しいのでな。歓迎しよう」

「神父様はまるで自分が同じ人間ではないかのように話すのう!面白い人じゃの」


 ちょっと!いきなり危険な発言しないでよ!ダハクさんに誤魔化してジェスチャーを出す。


「う、うむ。神父ジョークだ!!はっはっは」

「愉快な神父もしたもんじゃの。はっはっは」

「「はっはっは」」


 ふう。どうやら誤魔化せたようだ。

 タイミングを見計らったようにルコアさんがやってくる。

 ルコアさんも今日はシスターさんの格好をしてもらっている。万が一にも魔王だとバレてはいけないので。


「おはようございます。私はルコアです。本日は司会の役を務めさせていただきます。よろしくお願いしますね」

「これはこれは。スイナじゃ。よろしくの」

「ミユなの」

「ふふ。スイナさん。ミユさん。よろしくお願いします」


 スイナさんが品定めするような目で二人を見る。と言うか絶対鑑定でステータスを見ている。


「そんなに見られると照れるのう」

「なの」

「ふふ。これは失礼しました。2人とも可愛らしいのでつい見とれてしまいました。それはそうと朝日?これでお客様は全員?」

「あ、今2人呼びます」


 部屋から持ってきた二振りの刀を鞘から引き抜く。

 すると二人の男性が姿を現す。宗近さんとつなじいだ。


「うむ?ここはルコア様の城かの」

「ご主人が見当たらないが」

「2人とも。今日は結婚式をするので、お客さんとして呼びました」

「おお!ついにか。めでたいのう」

「女性同士で結婚か。趣があるな」

「今、夕陽と芽衣を連れてくるからちょっと待っていてね」

「うむ。わかった」

「知らない顔がいるね。待っている間に親睦を深めておこう」


 宗近さんとつなじいはスイナさんたちに挨拶をしに行った。

 私たちはそろそろ夕陽たちを連れてこないと。


「葵。そろそろ戻ろ」


 うか。と言おうとした瞬間。玉座の間に入るための扉がばあん!と開く。


「やいやい魔王!魔王はどこです!?ぶち殺しにやってきてやりましたよ!」


 サシャちゃんがダンジョン修行を終えてルコアさんにリベンジしに来ちゃった!

 タイミング悪いよ!魔王とか言っちゃってるし!!


「魔王?魔王がいるのかの?」

「近くに住んでいる子供が魔王と勇者ごっこをやっているのです。最近流行っているらしいですよ」

「おお、そうじゃったのか。いやあ。仕事ばかりで最近の流行がわからんものでの」

「ふふ。魔王がそんな近くにいるわけがないでしょう?」

「はっはっは。それもそうじゃ」


 ルコアさんナイス!


「何を言っているのですか魔王!今日は強くなった私がお前を倒す記念すべき日なのです!サッサと構えろです!あ、ダンジョンにいた2人もいるじゃないですか!やっぱりあの時いたサングラス集団だったのですね!」


 サシャちゃん空気読んで!!

 葵が転移して目の前に移動する。


「ずるっ子!お前から相手になるです?」

「ちょっと今日は忙しいから。明日また来て」

「そんなの関係ないです!戦いに忙しいもへったくれもないのです。出会ったら即戦場なのです!」


 ヒートアップしてるよ!マズいマズい。

 私もダッシュでサシャちゃんの近くまで行く。


「はあはあ。おはようサシャちゃん」

「お前も明日にしろと言うつもりです?」

「そうなんだけどね。今日は戦いよりも楽しいことをするんだ。良かったらサシャちゃんも参加しない?」


 葵が信じられないと目で訴えてきているけどしょうがないよ!なるようになれ!


「戦いよりも楽しいことです?一応話は聞いてやるです」


 どうやら話は聞いてくれるようだ。良かった。


「実は今日結婚式をするんだ。ここで結婚式をするんだけど…サシャちゃんにも見て行って欲しいんだよ。どうかな?」

「それがどう面白くなるんです?どうせ私は座ってみているだけでしょう?つまらなそうです」

「式が終わったら最高に美味しいご馳走が出るんだよ!」

「ご馳走…ですか。ゴクリ」

「しかも!とんでもなく美味しいケーキも食べれます!」

「ケーキとは何です?」

「とっても甘くて、食べたら絶対幸せな気持ちになる魔法の食べ物だよ!」

「そ、そんなに美味しいのですか」

「そうだよ?ルコアさんと戦うのはいつでもできるけど、ケーキとご馳走は今日しか食べることはできないよ?賢いサシャちゃんならどうすればいいかわかるよね」

「賢い心の中の私がここは抑えろと言っています!」

「よし、契約成立」

「今日だけはお前の口車に乗ってやるです」


 戦闘は避けられた…

 サシャちゃんはずんずん歩いてルコアさんの前に立つ。


「やい魔王!今日は見逃してやるです!明日ぶっ倒してやるから覚悟しておくです」

「ふふふ。わかりました。明日遊びましょうね。サシャ」

「サシャちゃんと言うのかの。あたしはスイナじゃ。こう見えても本物の勇者なのじゃよ!かっこいいじゃろう?」

「お前勇者なのです?勇者ってのはどいつもこいつも弱そうなのです」

「よ…弱そう…じゃと…」


 スイナさんがショックを受けている。


「私はミユ。魔王なの。えへん」

「な!?その目に着けているのはなんですか?超かっこいいのです!」

「そうなの!これは秘められた力を封印するためのアイテムなの。かっこいいの」

「カッコイイです!私も欲しいです!」

「予備があるの。貸してあげるの!」

「いいのです!?あ、ありがとうです!」


 ミユちゃんとサシャちゃんが急速に仲良くなっていく!

 スイナさんはいいのぅ…と仲良さげにしているサシャちゃんとミユちゃんを羨ましそうに見てる。ドンマイですスイナさん…


 ミユちゃんとサシャちゃんが眼帯を付けて決めポーズの練習をしている。

 姉妹みたいで可愛い。


 さて、ちょっとしたハプニングはあったけど、もう戻らないと夕陽と芽衣が心配してしまう。


「ルコアさん、私たちは一旦戻りますね」

「はい。いってらっしゃい」


 葵と部屋に転移する。夕陽は既に起きていて葵たちの部屋に来ていたようだ。


「もう朝日!起きたら居なかったから心配したじゃない!」

「ごめん夕陽!」

「もう!それで、今日はこれからどうするの?」

「うん。葵に転移してもらってルコアさんのところに行きます」

「あら、ルコアさんのところ?久しぶりね。ダハクさんも元気にしているかしら」

「1週間ぶりくらいだよね~。遊びに行くって約束していたからね」

「うん。もう行ける?」

「私は今からでも大丈夫よ」

「私も」

「じゃ、葵お願い」

「ん」


 葵の転移で玉座の間の前にある一室に転移する。


「あら、どうしてこんな部屋に転移したの?葵」

「着替える」

「制服じゃダメなの?」

「今日は特別衣装だよ。変身!」


 私と葵はタキシード。夕陽と芽衣はウエディングドレスに変身魔法で服装を変える。


「「これは!?」」

「今日はサプライズ結婚式だよ!さあ、行こう!」

「「ええ!?」」


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ポンコツお姫様姉妹と巡る異世界譚
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