表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JK4人の異世界暮らし!  作者: 綿あめ真
北の魔眼の王と温泉勇者
38/100

結婚式プロジェクト始動

 夕陽と芽衣はアイちゃんから接客業務を学び、私と葵は表向きは裏方の業務をすることになった。


「では、夕陽さんと芽衣さんはついて来てください!!」

「「はい」」


 2人をアイちゃんが連れていく。

 スイナさんは作戦が上手くいった!とニコニコである。


「さて、これである程度の時間は取れるじゃろ」

「ありがとうございます。スイナさん」

「ありがとう」

「バレるでないぞ」

「「はーい」」


 スイナさんは満足げに頷き、どこかへ行ってしまった。

 さて、これでフリーになったわけだけど…先ずはルコアさんに相談しに行こうか。


「葵」

「ん」


 葵が転移を発動して魔王城に移動する。

 玉座の間の中心に転移。

 そこではルコアさんとダハクさんが将棋を指していた。


「お邪魔しまーす」

「お邪魔します」

「む!?おお!朝日に葵ではないか。この前出て行ったばかりなのにもう遊びに来てくれたのか」

「2日ぶりですね。遊びに来てくれて嬉しいです」


 結構色々あった気がするけど、まだここを出てから2日しか経っていないのか。


「将棋はどうですか?」

「とても奥が深いですね。ですが、ダハクが弱すぎて相手になりません」

「そうなんですか」

「ええ。とりあえず10回ほど行いましたが、負けがありません。これではすぐに飽きてしまいます」

「姫はいやらしい攻め方をするのでな。いつの間にかどんどん駒が取られるのだ!はっは」

「はっはではありません。もう少し先のことを考えてから指しなさい」

「どうも難しいの。朝日か葵か。何かコツはないかの」

「朝日が得意」

「朝日。少々ダハクに指南してやってください」

「一応お教えしますけど、ハンデを付けるという方法もありますよ」

「ハンデですか。どうすればいいのでしょう」

「例えば、始める前にルコアさんの駒を減らしておくんです。飛車と角を無くしたり、歩を無くしたりですね」

「成程。その発想は無かったです」

「そうすることでよっぽど下手ではない限りいい勝負になるでしょうね」

「わかりました。これ以上一方的になるようでしたらその方法を取り入れましょう」

「では、そうならないよう朝日に教えを請おう。あっちに行くぞ朝日」

「はーい」


 うーん。私が最初に覚えた戦法でいいかな。


「わかりました。ちょっと将棋盤とダハクさんを借りますね。その間に葵はルコアさんに説明しておいてもらえるかな」

「わかった」

「なんでしょうか。悪巧みですか」

「違いますよ!」


 ダハクさんに将棋盤を持ってもらい、ルコアさんに声が届かないところまで移動する。


「さて、私が教えるのは棒銀戦法と呼ばれるものです」

「何?将棋には戦法が存在するのか」

「そうですよ。500年以上も将棋は行われていますからね。当然、その間に様々な戦法が作られてきたのです」

「ほう。そうなのか」

「はい。その中でも今回はダハクさんに合った戦法をご紹介します」

「我に合った戦法とな」

「飛車と銀を使ってガンガン攻める方法です」

「ほう!やはり守るより攻めよな」

「では先ず動きを説明します。最初はこのように飛車の前の歩をどんどん前に出して・・・」

「ほうほう」


 それからしばらく実際に駒を動かしながら説明していく。ダハクさんはルコアさんに比べると頭は良くないのだろうが、普通の人よりもずっと物覚えはいいと思う。


「……と、こうすれば飛車が龍に成るので角を取ったり桂馬を取ったりしていけます」

「成程な。早速次はこの戦法でやってみるとしよう」


 ダハクさんが分かってくれたようなのでルコアさんがいるところに戻る。


「あら、終わりましたか」

「はい」

「此方も話は聞きました。それでダハク?ちょっとはマシになったのでしょうね」

「もちろんだ。早速やるか」

「それもいいですが、もっと面白い話を葵から聞きました。そっちの話を詰めましょう」

「大丈夫そうですか」

「ええ。この城は使っていただいても構いませんよ」


 よかったー。


「実際に式を行うのはこの玉座の間でいいですか?」

「そうですね。ここが一番広いですし。参加するのはどれくらいになりそうですか?」

「えーと。私たち4人と、ダハクさんにルコアさん。宗近さんとつなじい…くらいでしょうか。もしかしたら後2人増えるかもしれませんが」

「いつものメンバーですね」


 スイナさんには協力してもらった手前、招待したいけど…魔王城に勇者を連れてきていいものなのだろうか。ミユちゃんは暇って言っていたから誘ってみてもいいかもしれない。


「ルコアさん。北の勇者を連れてきたら流石にまずいですかね」

「うーん。バレなければいいと思いますけど」


 いいんだ!?


「葵の転移で移動すれば場所はわかりませんよね。あとは私が魔王だとバレなければ…力を落とす魔具でも作ってみましょうか…」

「では、一応招待してみます」

「神父はどうしようか」

「ダハクさん」

「我か?」

「当日言って欲しいセリフがあるんですけどいいですか?」

「別に構わんぞ」

「では、次来る時にセリフを書いた紙を渡しますね」

「うむ」


 後は何が必要だろうか…

 当日の流れを想像してみよう。先ず新郎新婦(新婦新婦?)が入場。私と夕陽、葵と芽衣は一緒に入場しよう。衣装は私の変身魔法でどうとでもなるから大丈夫。


 それで座って、新郎新婦の紹介…は要らないか。身内しかいないし。

 その後ウエディングケーキ入刀…ウエディングケーキ用意しないと!


「どうしよう葵。ウエディングケーキが必要だよ!」

「…夕陽しか作れない」

「それに、そもそも材料があるかわからないし…」

「ケーキとはどういったものなのでしょう?」

「えーと、甘くておいしい食べ物なんですけど…」

「説明になってない」

「甘味ですか。私は甘味を作ったことがないので再現するのは難しそうですね」


 ですよね。どうしようか。

 あ、結晶石が温泉に行ったから5個溜まっているな。女神様に出るようにお願いしてからガチャを回すのはどうだろうか。


 今までの景品を見るに、ある程度女神様が操作していてもおかしくはないと思う。

 てことで、ラインで女神様に頼んでみる。


 朝)ガチャを回すのでウエディングケーキ出してください!!


 さあ、どうだ!?

 すぐに返信が来た。


 神)面白いことしながらガチャを回してみて


 ほう。私を試すということか。面白い。

 ガチャ画面を起動してから渾身のギャグを繰り出す。


「イジリー〇田の真似いきます!レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ」


 どうだ!?

 レロレロしながらガチャを回す!タワシ!?ホワイ!?


「何で駄目だったんだろう?」

「あれはイジリーみたいな人がやるから面白いのであって、朝日がやったら普通に卑猥。しかも長い。滑っているのに同じネタを続けるのは場がしらける。スッパリ止めることも大事」


 あの葵が長台詞でダメ出しだと!?

 女神様からの返事も「ないわー( ゜Д゜)」だった。

 ウソでしょ?めっちゃ家で練習したあの時間は何だったの?


「次は葵だね」

「なんでや」

「ウエディングケーキ」

「……」

「欲しくないの?」

「……」


 葵がスマホを弄っている。やる気のようだ。


 葵)女神様は私の顔見えているのですか?(>_<)

 神)ばっちり(`・ω・´)b

 葵)面白い顔しながらガチャ引きます(`・ω・´)ゞ

 神)ガンバ(*‘∀‘)


 なんかほのぼのするやり取りだなー

 葵がこちらに背を向けている。きっと今頃凄い顔をしているのだろう。


 いつも無表情の葵が顔を崩すところは正直かなり見たい。

 見たいけどここは自重しよう。葵がわざわざ顔を背けているのは私に見られたくないから。私は空気が読める女なのだ。


「キタ」

「葵ナイス!見せて見せて!」


 葵がアイテムボックスからウエディングケーキを出す。

 うわ!凄い!!


 イチゴのショートケーキが7層になっているのだけど、ただの7層じゃなくて、螺旋階段みたいに繋がっているのだ!その階段の上にイチゴが飾られている。


 そして頂上には何と!私たち4人のミニ人形がッ!!

 こんな素晴らしいウエディングケーキを女神様に用意させるとは、いったいどんな変顔だったのだろうか。葵恐ろしい子!


「ありがとう葵。戻してもいいよ」

「ん」


 式場も抑えた。ウエディングケーキも用意した。ドレスも何とかなる。大体は揃ってきたのではなかろうか。


「あと何か必要なものあるかな?」

「結婚指輪」


 ああ!結婚指輪ね。これはどうやって用意すればいいのだろうか。

 ダイヤをカットする技術はこの世界にはないんじゃないかと思うのだけど。


 結晶石作戦はもう使えないし。

 うーん…


「指輪でお困りですか」

「そうですね」

「でしたらお役に立てるかもしれません」

「本当ですか!?」

「ええ。私は魔具作成のスキルを持っていますから。当然魔具には指輪型もあり、石に能力を埋め込むタイプもあります」

「「おお!」」

「ただし、きれいな石を準備する必要があります。私が持っている石でも作ることはできますが、一生の記念になるものです。どうせならいいもので作ったほうがいいでしょう」

「ですね」

「そこで、お二人には鉱石ダンジョンに行ってブリリアントストーンを入手してきて欲しいのです。いやなに、お二人の実力なら楽勝ですので」


 ダンジョン…だと…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポンコツお姫様姉妹と巡る異世界譚
こちらもよろしくお願いします
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ