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JK4人の異世界暮らし!  作者: 綿あめ真
北の魔眼の王と温泉勇者
35/100

更衣室に体重計があったらつい乗っちゃうよね

総合評価100ポイント到達しました!

わーい。

 お姉さんにスイナの宿の場所を聞き、途中買い食いをしながら宿に向かう。

 街の中心地にあるその宿は他の宿と比べても一際大きく、街一番の宿と言われても納得できる佇まいだった。


「これだね」

「宿というよりホテルのようね」


 そうなのだ。他の宿は1階から大きくても3階までしかないのに対し、スイナの宿は5階まである。それに敷地もかなり大きいし。


 宿の外見をしばらく眺めていると、宿から私たちくらいの年齢の女の子が現れた。

 黒髪で背は私くらい。着物を着ていて、可愛らしい顔立ちをしている。


「おや、お客様かえ?」

「あ、はい」


 可愛い声なのに口調がおかしいんですが!


「見ない顔じゃな。旅行かえ?」

「あ、はい」

「ちょうどダブルが2部屋空いたところだよ。運がいいさね。泊まっていき」

「あ、はい」


 顔と口調のギャップが凄い…

 そこでふと思い出す。もしかしてこの人が勇者なんじゃないかな?

 鑑定で確認してみる。




 スイナ 勇者 LV121

 HP51900   

 MP62800   


 攻撃力20590  

 防御力19780  

 魔法攻撃力25500 

 魔法防御力21400

 敏捷7830   

 運90(65+25)    


 称号

 温泉勇者

 街の救世主


 スキル 

 光魔法LV5

 土魔法LV5

 水魔法LV5

 付与魔法LV5

 直感LV5

 探知LV5

 自然回復LV5

 掘削LV5

 料理LV5

 交渉術LV5

 幸運LV5

 浄化LV5

 


 スキルポイント

 5200




 やっぱりこの人が勇者か。

 私たちくらいの時に何か偉業を為してレベル100を超えたから老化が止まり、見た目は10代なのだ。

 今はもしかしたら結構年齢を重ねているのかもしれない。


 それならおばあちゃん口調も納得。



「スイナさんがこの温泉街を作ったんですか?」

「ん?あたし名前名乗ったっけ?」

「スイナの宿をこの街の人に紹介してもらったときに教えてもらったんです」

「なるほどの。それじゃ、あたしが勇者だっていうことも知ってるのじゃな」

「はい」

「まぁ、勇者とは名ばかりで魔王退治に行ったことなぞないんじゃがの。宿の経営が忙しくて。はっはっは」

「北の魔王はどんな魔王かも知らないんですか?」

「誰も見たことがないんじゃて。魔王を倒しに行って、帰ってきた者がおらんからの。いや、一人おったか。石になった仲間を担いで泣きながら帰ってきた若者がの」


 北の魔王こっわ!ルコアさんのように優しい魔王だと決めつけないほうがいいかも?


 それにしても石化…バジリスクとかメデューサの魔眼しか思いつかない。

 あんまり会いたくはないけど、勇者にもすぐ会うことになっちゃったし…魔王とも関わり合いになりそうな予感がするのは私だけだろうか。


「その若者は魔王を見なかったのですか?」

「そうさの、錯乱していたのか、何も覚えておらんかったようじゃ。そやつは冒険者をやめてどこかに行ってしまったから本当に情報が無いのう」

「かわいそうですね」

「冒険者が引退する理由なんてそんなもんじゃて。それで、何泊するかの?」

「えーととりあえず1週間で」

「それじゃと、朝夕食事付きで4人で金貨28枚じゃな。かなり高いが払えるかの」

「うわぁ結構しますね」


 一泊一人10000円くらいかあ。


「一応この街で一番高いのう。それに見合ったサービスはさせていただくがの」

「それで大丈夫です!よろしくお願いします!」

「おや、値切り交渉しないとは張り合いがないのう。もっと吹っ掛けるべきじゃったか」

「ええ!」

「わっはっは。冗談じゃよ」

「怖いこと言わないで下いよー」

「はい28枚」

「うむ。ほれ、8枚は返しちゃる。まだ若いんじゃからサービスじゃ」

「スイナさんだって若いじゃないですか」

「何を言っとるか。あたしゃ、こう見えても100越えているんだよ」

「100歳!?」


 予想以上におばあちゃんだった!


「大抵ビックリされるがの。昔この街が無くなりかけていた時にあたしが温泉を見つけての。その時から見た目が変わらなくなったのじゃ」

「その時レベル100を越えたのですね」

「おや、どうして知っておるんじゃ」

「レベル100を超えると老化が止まる」

「ほう。そうなのか。レベル100なんてあたしだけだから知らなかったよ。もしかしてお主たちもそうなのかの」

「実は」

「ほーう。聞いてみるもんじゃの。それなら大金をポンと出せるのも納得じゃ。金貨8枚返せ」

「嫌ですよ!」

「わっはっは。冗談じゃ。ほれ、温泉にでも入ってくるがいい。旅の疲れが吹き飛ぶぞ」

「わーい!行ってきまーす!」

「入って右に女湯があるからの。上がったら店員に声を掛けてくれ。部屋の鍵を渡すからの」

「わかりました!」


 ずっとこの時を待っていたんだよ!

 温泉なんて久しぶり。地球でもあまり行ったことが無いから楽しみだ。


 女湯の暖簾をくぐり、更衣室に到着。

 木の籠に制服を入れる。タオルが備え付けであったので、手に取っていざ温泉!


「早く早く!」

「朝日は脱ぐの早すぎよ。髪纏めるからちょっと待って」


 みんな脱ぐの遅いよー。

 葵、夕陽、芽衣の順に脱ぎ終わり、入り口のドアを開ける…前に体重計が目に入る。


「最近体重チェックしてなかったわね」

「量らなくてもいいんじゃない?」

「だめよ。常にチェックしないといつの間にか太るんだから」

「別に太ってもいいんだけど」

「は?」

「ご、ごめんなさい!」

「わ、私は太らないスキルがあるから太ってない…はず」

「芽衣お腹出てきた」

「え“え”!?」

「大丈夫。ぽこってしてて可愛い」

「大丈夫じゃないんだけどぉ」


 体重の話は誰も幸せにならない。

 お互い体重計には乗らずに入り口を開ける。


「うわ!ひっろ!」

「いろんな種類の温泉があるのね」

「真っ白な温泉もあるよ!!」

「滑り台もある」


 全部で10種類くらい温泉がある!

 全部違う色で見ているだけでワクワクする。

 そして真ん中には子供用のお風呂なのか、底が浅く中央に滑り台があるお風呂もある。

 …ちょっとやりたい。


「どれから入る?」

「悩んじゃうね」

「全部入るのだから、順番でいいんじゃないかしら」

「そうだね」


 体を洗った後、一番左手前の青色の温泉に入る。

 奥の壁に効能が書いているので読む。


「この温泉はMPの回復が早まるらしいよ」

「…異世界らしい効能ね」

「ホントだね~」

「これは他の温泉がどんな効能なのか楽しみになるなー!」

「とりあえず浸かりましょう」


 ゆっくり肩まで浸かる。


「はぁー」「ふう」「んぅ」「ん」

「気持ちいいね~」

「MP全快だから効能の意味はないけどね」

「魔法使う?」

「他の人の迷惑になるでしょ」

「ならなきゃいい?」

「それはまぁ」


 変身魔法なら迷惑にならないよね。自分に猫耳を生やす。

 そして自分を鑑定してMPの回復量を確認する。


「おぉ。5倍くらい早く回復してる」

「結構凄い効果ね」

「この温泉に浸かりながら戦闘したら魔法を使い放題ね」

「そんな状況は嫌だー」

「戦闘脳すぎるよ夕陽。女子高生らしさ0だよ最近」

「え…そんなに?」

「最近戦いばっかりだったからねぇ」

「どんまい夕陽」

「戦闘脳…」


 いや、悪いって言っているわけじゃないんだけどね?

 そんなに落ち込まないで欲しいな?


「だ、大丈夫だよ夕陽!どんな夕陽でも私は好きだから」

「朝日…」

「でも、しばらくは戦いから離れよう!」

「そ、そうね」

「もっと街の中歩いたりしたいよね」

「うんうん。たくさんお店開いてるから歩くだけで面白そう」

「活気ある」


 明日は一日街歩きもいいかもね。

 それから横の温泉に移動していき、傷に効く、湯冷めしにくい、火傷が治るなどの効能がある温泉に入っていく。


「最初の以外あまりいい効能が無いわね」

「えーと次は、肩こり回復の湯だね」

「あ、それいい~」

「……はぁ」

「え、どうしたの葵ちゃん」

「別に?」

「そう?ふぅ、肩こりが最近凄いから助かるよ~」

「チッ」

「機嫌悪い?葵ちゃん」

「別に?」

「まぁまぁ!葵!露天風呂行こうよ露天風呂!」

「うん」

「芽衣と夕陽はまだ浸かってていいから!じゃ、いこー!」

「おー」


 あのままでは葵のストレスがマッハだったので、葵と一緒に露天風呂に向かう。

 外に出るドアを開けると冷たい風が体に纏わりつく。


「うひゃあ。さむううう。早くお湯に浸かろう!」

「一応北だから」

「西よりは寒い気候なんだね」

「ん」

「あ、先客がいる」

「私より小さい」

「親御さんが居ないみたいだけど…」


 まだ小学生くらいの、眼帯を付けた女の子が空をぼーっと眺めながら半身浴していた。

 髪はタオルで纏めているが、白い髪が少し飛び出ている。それにかなり盛られているから多分超ロングヘアーだ。


 個性凄いな!!


「声かけてみようか」

「ええ…」

「だって子供一人だと危ないじゃん?」

「ん」


 近くに行って声を掛ける。


「こんにちは」

「……」

「こーんにちは!」

「…私?」

「そうそう」

「なに?」

「お名前聞いてもいいかな?」

「ミユ」

「ミユちゃんね。私は朝日だよ!こっちは葵」

「アサヒとアオイ」

「そうだよ。それでミユちゃんはお母さんと一緒に来たのかな?」

「ママは死んじゃったの。だから一人で来たの」


 ひゃあああ!地雷踏み抜いたあああああ!!


「あ、ごめんね」

「いいの」

「じゃあ一人でこの宿に来たの?」

「そうなの」

「へぇ~凄いね。ミユちゃんは何歳なのかな?」

「ん~……わかんないの」

「そっかぁ」

「アサヒとアオイは?」

「私たち?16歳だよ」

「ふーん」

「お姉ちゃんって呼んでもいいよ?」

「私のほうが長く生きてそうなの」

「え?」


 どういうこと?たぶん10歳前後だよね?


「うっそだ~」

「ホントなの」

「じゃあ大体何年くらい生きているのかな?」

「20年くらいだと思うの」

「はいウソー!」

「朝日ウザ」

「ごめんなさい」


 まあ、子供は背伸びしがちだよね。わかるわかる。話盛っちゃうよねー。

 一応ステータス見てみようか。基本的に年齢高い人のほうがレベル高い傾向にあるからね。

 これは戦い続けているとかそういうことではなくて、この世界では何かを為すことが経験値に繋がるから、人生経験が豊富な人ほどレベルも上がっているのだ。


 さてさて、30レベル越えていたらその話を信じてあげようかね。




 ミユ 魔眼の王 LV101


 HP31200   

 MP1427000   


 攻撃力4020  

 防御力4980  

 魔法攻撃力285350 

 魔法防御力72100

 敏捷3820   

 運21    


 称号

 魔眼の継承者


 スキル 

 魔眼

 闇魔法LV5

 必中LV5


 スキルポイント

 90000




 「!?」


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ポンコツお姫様姉妹と巡る異世界譚
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