勇者サイド⑤ サシャのターンです!その1
勇者パーティーの幼女、サシャ回です。
サシャが好きすぎて分割することにしました。
ご了承くださいませ。
やっと私のターン!サシャ回です!
私は今魔王をぶっ飛ばす旅に出てるです!でも油断はしてないです。いくら私が強くても相手はあの魔王。1人で行くような無茶なことはしないのです。
私の旅について来ているのは勇者のレイン。口うるさいレイド。回復役のマリィの3人です。
3人ともそこそこ強いようですが、まだまだですね。魔王の首は私が頂くです。
あ、私のステータス見ますです?はいどーーーん!!
サシャ 人の理を外れし者 LV105
HP18500
MP64900(49900+15000)
攻撃力10400
防御力14800
魔法攻撃力36920
魔法防御力14200
敏捷6060
運70
称号
ドラゴンスレイヤー
エレメントマスター
スキル
MP上限アップ LV5
MP回復量アップ LV5
火魔法 LV5
水魔法 LV5
風魔法 LV5
土魔法 LV5
獄炎魔法 LV3
氷結魔法 LV3
暴風魔法 LV3
大地魔法 LV3
複合魔法 LV5
従魔調教 LV3
スキルポイント
2500
どうです?あの3人よりも強いでしょう?当然です。私はそれだけ頑張ったですから。
さて、いよいよ旅も大詰め。この山を越えた先に魔王がいるです。
私が育ったこの山の向こう側に。
おっと。レイドが何やら話があるようです。聞いてやるです。
「さて、いよいよ【ドラゴンの棲み処】と言われている山なんだが…この山は竜に必ず遭遇すると言われている。迂回して進むのも手だが…どうする?」
「当然、まっすぐ行くのです」
「サシャ。ここは今までとは比べ物にならんほど危険なとこだ。俺とレインだってここまでは来たことないんだ」
「私は何年もこの山で生活していたです。問題ないです」
「…何?もう一度行ってくれ」
「私はここで人生の半分を過ごしています。だからさっさと行くですよ」
「サシャちゃん。それ本当?」
「マリィまで疑ってるのです?」
アホのレイドならまだしもマリィまで私を疑うなんて!
やはり一発でかい魔法を見せつけるべきです?
「そりゃあな。この山に入った奴の生還率知ってるか?1%だぞ?それを山の中で過ごしてましたなんて言われても信じないほうが普通だ」
「だが…もしそれが本当ならサシャの強さも頷ける」
「確かにな…もしかして、サシャもドラゴンを倒した経験があるのか?」
「ドラゴンを食って生きてきたです!」
「お前…やべえな」
「うふふ。サシャちゃんらしいです」
「…うし。山のルートで行くか?これ以上旅が遅れるのも問題だしな」
「もう少し強くなっておきたい。俺も山を通るべきだと思う」
「道案内は任せろです」
「私も。覚悟を決めます」
「決まりだな。基本はサシャ先頭、レイン、マリィ、俺の順番で行くぞ」
やれやれ。とんだチキン共です。
私は物心ついた時にこの山へ行こうと決めたですのに。
でも、懐かしいですね。何度ここで死にそうになったか…どいつもこいつも私を食べようとしてくるドラゴンども。返り討ちにできるようになるまでは夜も眠れませんでした。
でも私は強くなった。そして…ついに竜たちの親玉、白銀竜の魔王をぶっ倒せるまでになりましたです。
くっくくくくははははははははははは!
あ、おしっこ。
「山に行く前に、おしっこしてくるです」
「「「いってらー」」」
おしっこを我慢するといいことありませんからね。
3人から離れたところに移動します。もはやおしっこする位置取りも完璧です。あいつらにギリギリ音が聞こえない距離、尚且つ絶妙に私が見えないように障害物を置く!です。
よし。ここがべスポジです。
いつも思うのですが、パンツって必要です?脱いだり履いたりするの、とっても面倒なのですが。何のために履いているのでしょうか。
別になくても問題ない。どころか時間短縮になると思うのですが。レイドのアホも時間勿体ないからもうちょっと我慢しろと言ってくるですし。
そこで私は考えたです。おしっこの間隔はこれ以上伸ばせない。ならばそれ以外の部分で時間短縮すればいいです!
その第一段階がパンツの廃止です。これで5秒は縮められるです。
あと、今まで私走ってましたが、ファングに乗っておしっこポイントまで移動するのもアリですね。これは次回から採用しましょう。
よし。おしっこ終わり!早速ファングに乗って帰ってみますか。
指輪からファングを呼び出すです。
おっと。指輪から魔物をどうやって出しているのか気になるですか?これは私のスキル、従魔調教の力です。
私は従魔調教のスキルを持っているので、気に入った魔獣などがいれば、戦い、弱らせ、私を主だと認めさせることが出来れば従魔として使役することが出来るようになるです。
ファングとはこの山で出会い、ボコボコにして私の従魔にしたです。
ちなみに、魔物を使役するにはもう一つ、召喚魔法もあるです。こちらは魔力さえあればどんな魔獣でも使役することが出来るです。
ただ、この二つの魔法にはそれぞれメリットとデメリットがあるです。
まず、従魔調教は実際に戦わないといけないし、さらに強さを示さないといけないです。
その代わり一度契約すればそれ以降は魔力なしで使役できますし、契約が長ければ長いほど信頼関係も生まれてくるです。
次に、召喚魔法は魔力さえあれば好きな魔獣を呼び出すことが出来るです。
ならこっちのほうがいいのでは?と思うかもですが、使う魔力が多いのです。私は自分で魔法をぶっ放して敵を倒したいので召喚に魔力を使うこっちは取らなかったです。
それに、召喚するために魔獣に自分の魔力を流し込むのですが、その時に魔獣がその魔力を気に入らなければ召喚に応じない場合もあるそうです。
これが従魔調教と召喚魔法の違いですかね。
さて、考えている間にファングが3人と合流したのでおしっこの時間短縮についてもう少し考えますですか。
他には…うーん…とりあえずパンツ脱ぐです…
「どうしたのサシャちゃん?考え事?」
「マリィですか。マリィはパンツ履いてますです?」
「そりゃ履いていますよ。どうしてそんなことを聞くんですか?」
「どうして人はパンツを履かなきゃならないのです?」
「…え?」
「パンツを履く意味が分からんのです」
「え…それは…スースーするから?」
「そんなしょうもない理由なのです?じゃあ脱ぐです!」
「わーわー!!待って待って!!」
「どうした?何やってんだお前ら?」
「サシャちゃんがパンツ脱ごうとしてます!」
「離せです!こんなものいらんのです!」
「お前は相変わらず発想がヤバいな…なんで脱ぎたいんだ?」
「よりスムーズにおしっこをする為です!これは皆の為でもあるのですよ!」
「意味不明なんだが」
「サシャちゃんはパンツがなぜ存在するのかを疑問に思っているようなんです」
「そうです!お前はなぜパンツを履く必要があるのか説明できますか?」
「はぁ?そりゃ、スースーするからだろ?なんか履いてないと不安になるし」
「私はスースーしてむしろ風が気持ちいいですし、不安なんて感じませんですむしろ喜びしか感じないので脱ぐです!」
「ばか!やめろ!レイン!説明してやれ!」
「え…履くのが当たり前…だろ?履いてない奴なんて聞いたことないし…」
「私はそこらの有象無象とは違うのです!皆がしているから私もしなきゃなんて発想は私にはない!です!むしろ自分は他とは違うことがしたいです!誰もやったことがないことを私がする!くはははははははは!!これはもうパンツ燃やすです!」
3人に聞きましたがどれもやっぱり履く理由にはならないです!
「確かに…何でパンツ履いてるんだろうな?」
「レイド…お前まで…正気に戻るんだ!」
「いや、サシャの言い分も間違ってないような気がしてな…洗い物も減るし、履かなくてもいい気がしてきたぞ…」
「いやだが…俺は勇者だぞ?勇者がノーパンって…聞いたことないぞ…」
「レイン。お前は自分は勇者勇者って勇者に縛られてないです?」
「…なに?」
「勇者だからこれはしちゃいけないだとか、勇者だから期待に応えなきゃいけないだとか、はっきり言ってしょーもねーです」
「サシャちゃん?言いすぎじゃない?」
「いーやこの際だから言わせてもらうです!レインは勇者って肩書あるですがレインはレインです。勇者だからこれはしちゃいけないだとか、お前は勇者世界代表かなんかです?違うです!レインはレインです!お前はもっと好きに生きろ!です」
「…俺は俺?いや…勇者じゃない俺なんて今更考えられない…」
「勇者をやめろなんて言ってねーです。ただ、パンツを履かない勇者もいる。誰の期待も背負わない勇者もいる。魔王を倒さない勇者もいる。つまりはこーゆーことです」
「パンツを履かない勇者もいる。小さい女の子が好きな勇者がいたっていい。そういうことなのか…」
「いや、何を言っているのかしらレインは…」
レインは泣いていた。私の言葉が響いたようです。
そう!もっと自由に生きたっていいのです!
「ははっ。俺はいつまでもいつまでも何を悩んでいたんだか…小さい男だな。どんな勇者がいたっていい…か。心が澄み渡っていくようだ…こんなに心地いい気持ちは本当に久しぶりだよ。サシャ…いや、師匠!これからは師匠と呼ばせてくれ!」
「いいですよ!」
「レイン…俺には相談すらしてくれなかったが、どうやら答えは見つかったようだな。これでお前を縛っていたものはなくなった。お前はもっと自由に、大きくこれから成長するだろうぜ…俺はついていけなくなるかもな」
「何言ってんだライド!俺とお前は一心同体。お前がいないと始まらないだろ」
「…ああ。もっと強くなって、2人で伝説のSSSランク目指そうぜ!」
「おう!今ならやれる気がする!」
「展開についていけないけどとりあえずレインとライドがいい!いいぞもっとやりやがってください!そのままがっちり腕組み合って!」
師匠ですか!いい響きです!テンション上がってきたです!
「よし!では山行くですよ!」
「「「おー!!」」」
こうして私たちは意気揚々と山に入っていったです。
山に入ってなかったんかい!
次山越える予定です。
たぶん…




