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JK4人の異世界暮らし!  作者: 綿あめ真
西の白銀竜王とロリコン勇者
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ユニコーンが性的な目を向けてくる件

 とりあえずここは異世界だという前提条件で行動することになった。

 そうして私たちは街に向かって歩き出す。けどみんなちょっと待ってほしい。ここは、私の出番でしょ。変・身!


「みんな!私を見て!」

「どうしたのよ朝日…あんた…朝日なの?」

「えぇ!朝日ちゃん?」

「お馬さん」


 そう、私は馬に変身したのだ!野宿なんて嫌だし、今は一刻も早く街に行くべきだと思うから、歩くよりは馬になって走ったほうがきっといい。

 それに、せっかく面白いスキルが手に入ったのだから、たくさん使ってみたいじゃん?


「すごいわね朝日。確かにこれなら歩くよりかなり早く着くわね。でも、3人乗るのは難しいんじゃない?私たちただでさえ乗馬なんてしたことないのに。」

「そういうことなら私に任せて。召喚 ユニコーン」


 葵がそう言って、真っ白な、一本角を持った神々しい馬を召喚した。あれがユニコーン?なんかポニーをイメージした私が恥ずかしいんですが…そしてなんと!ユニコーンが話し出した!


「我を召喚せしうら若き乙女よ。汝の願いを言うがいい」

「街まで連れて行って」

「お安い御用だ。っむむ!わが主よ、そちらのかわいらしい牝馬はもしや我のために?」

「違う、彼女は私の友達。手出し禁止」

「むむぅ、ならばしょうがない」


 ユニコーンが私を凝視している。こ、これは貞操の危機?!初めてがお馬さんとかシャレにならんのですが…


「私と芽衣はユニコーンに乗るから、夕陽は朝日に乗って」

「あ、朝日に…乗る…しょ、しょうがないわね…」


 夕陽、しきりに髪いじってお馬さんプレイ?とかぶつぶつ何か言っているけど、これ恥ずかしいことするわけじゃないよね?そんな態度取られるとこっちまで緊張してくるんだけど。


「じゃ、じゃあ、乗るわね…」

「う、うん」


 スカートだから、夕陽のお尻の感触がダイレクトに当たる。弾力が!や、やわらかい!椅子になりたいとか言ってる人の気持ちがわかったよ。


「ちょっと!変なこと考えてないでしょうね!」

「だ、大丈夫だよ」


 せっかくだからこの感触を楽しもう。うふふ。そうこうしているうちにあっちの2人も何とか乗れたようだ。


「山の反対側を走って」

「うむ、承知した」


 ユニコーンは私を気遣ってくれているのか、かなりゆっくり進んでくれている。これぐらいのスピードなら私もついていける。

 そして走り始めて数十分。会話できるくらいには走ることに慣れてきた。


「夕陽、大丈夫?お尻痛くない?」

「ちょっと痛いわ。出来ればもうちょっと揺らさないでほしいのだけど」

「あーごめんね。気を付けるよ」


 そうこうしていると、街が見えてきた。かなり大きい街のようだ。そうしてなんともなしに街を見ているとユニコーンが近づいてきて葵が話しかけてきた。


「ここからは徒歩で行こう」

「どうして?」

「ユニコーンや、馬に変身している朝日が人に見られたら大変なことになる」

「ああ、言われてみればそうだね」


 ゆっくり速度を下して、止まる。夕陽を降ろしてから変身を解除する。あれ?夕陽と芽衣の様子が?


「うぅ、お尻痛いよぉ」

「こ、この移動方法は要練習ね…」


 二人ともお尻を抑えて呻いている。葵もよく見ると涙目だ。


「では、我の役目はここまででよいか?」

「ご苦労様」

「うむ、またいつでも召喚に応じよう。4人とも、いつまでも乙女であれ!」


 そういってユニコーンは消えていった。うん、あいつちょっと変態かもしれん。ユニコーンって全部ああいう感じなのだろうか…

 

「芽衣、回復魔法かけて」

「そうよ、こんな時の回復魔法じゃない!」

「あ、そうだね。えっと【ヒール】!」


 芽衣の手から光が出て、三人のお尻を包み込む。


「お、おぉ?痛くなくなったわね」

「芽衣、ありがと」

「うん、よかったぁ。うまくいって」


どうやら回復したみたいなので、4人で歩き始める。


「どんな街だろうね。日本と同じような街並みならいいんだけど」

「それは高望みしすぎじゃない?でも、魔法とかあるくらいだし、想像もつかないような技術とかはありそうね」

「ご飯が美味しければいいなぁ。おなかペコペコだよ」

「まずは宿屋」


 そんな会話をしながら歩いていると街の入り口が見えてきた。街の大きさは、かなりでかい。東京ドーム1000個分くらいは入りそう。そして、人が二人入り口の前に立っているけど、門番?


「門番?がいるね」

「私たちは出会わなかったけど外には魔物がいるみたいだし、門番がいるのは当然じゃない?」

「やっと私たち以外の人に会えたね」

「第一村人発見」


 向こうも私たちに気づいたみたいで、こちらを見ている。そのまま私たちが通り過ぎるくらいまで近づいて行って「こんにちわー」と言いつつすれ違って街に入ろうとすると「こんにちわーって、ちょ、ちょっと待ってください!」と慌てながら止められた。え?なに?


「初めて見る顔ですね。あの、通行証かギルドカードか身分証明書を見せてください」


 え、街に入るのに必要なものあるの?聞いてないんですけど!


「あ、あのどれも持っていないのですが…どうすれば街に入れますか?」

「え、通行証もですか?そうなると、発行という形になるのですが、お1人金貨10枚掛かりますが…お持ちですか?」


 き、金貨10枚…だと…無一文ですが何か?

 確か、この世界のお金は日本円に当てはめると、銭貨1枚で10円、銅貨1枚で100円、銀貨1枚で1000円、金貨1枚で10000円くらいの価値って女神様本に書いてあったね。つまり、通行証1つ発行するのに10万円、4人で40万円?大金じゃん!とりあえず話し合いをする。


「ど、ど、どうしよう?」

「これは予想外」

「女神様からお金は……やっぱりもらってないよね」

「門番さんを誘惑してただで入れてもらう?ほら、私たち中々かわいいし」

「ちょっと朝日、はしたない!」

「とりあえず、門番さんにお金持ってないこと伝えてどうすればいいか聞いてみよう」


 門番さん、優しそうだし、大丈夫…だよね?


「あの、私たちお金がなくて…何とか街に入ることはできないですか?」

「ええ?うーん、そうですね、何か売れるものがあれば、私たちが換金してくることはできますが…あとは、魔物の討伐部位などがあれば、賞金をお渡しできるのですが」


 売れるものかぁ、売れるもの。バッグの中には教科書、ノート、筆記用具、スマホに財布が入っているけどとても40万円も換金できるとは思えない。

 芽衣と葵も同じようで考え込んでいるけど……あれ?夕陽がいない?と思ったら後ろでこそこそ何かやっている。そして終わったみたいでこっちにニヤニヤしながら近づいてきた。これは、何か秘策が?と期待の目で見ていると「ふふん、私に任せておきなさい!」と何やら自信満々な様子。もしや、その後ろ手に持っている剣を売ろうとしているのかな?と考えているとやっぱりそうだったようで門番さんと交渉している。


「この剣は?」

「門番さん、この剣はただの剣ではないの。試しに振ってみて頂戴」

「??わかりました……な、これは!!」

「そう、この剣はなんと、振ると火魔法が発動する、属性剣よ!これはいくらになるかしら?」

「ちょ、ちょっと待ってください!属性剣なんて見たことも聞いたこともないです!本当にこの剣を売ってしまってもいいのですか?」

「ええ、問題ないわ!」

「そうですか……私ではどれほどの金額になるか予想がつかないので、少々お待ちください!」


 そんな会話が聞こえてくる。聞いた限り、とんでもないことをしているような…あ、夕陽がどやどやしながらこっちに来た。


「もし、あの剣で金貨40枚にならなくても、何本でも作れるからみんな安心して!」

「いやぁ、門番さんの反応を見る限りすごい金額になりそうな…」

「あまり目立つのは良くない」

「そ、そうかしら、私もしかして間違った?」

「でもでも、夕陽ちゃんのおかげで何とかなりそうです!夕陽ちゃん凄いよ!」

「そ、そうよね!」


 もう1人の門番さんはかなりこちらを警戒しながら見つめてくる。まぁ、私たちツッコミどころ満載だし怪しすぎるよね。そんな微妙な空気の中待つこと数十分、さっきの門番さんが如何にも上流階級ですよと言わんばかりの着飾った中年を連れてやってきた。


「この剣を持ってきたのは、あなたですか?これはどこで手に入れたのでしょう?」

「ええ、これは私の「父の形見」……」


 夕陽が答えようとしたところを葵が言葉を被せる。夕日が胸に手を当ててふんぞり返っている姿勢で固まっている。


「そうかですか…お持ちなのはこれ一本だけですか?」

「そう」

「父君の形見ということですが、本当に売ってしまってもいいのですか?」

「大丈夫」

「では、こちら光金貨10枚で買い取らせていただきますがよろしいですか?」

「……もう一声」

「15枚」

「取引する」

「では、こちらが光金貨15枚です。そのうち5枚は金貨にしてお支払いいたしましょう。光金貨だけですと買い物がしづらいと思いますので。それと、通行証4枚です。こちらはタダで構いません」


 そう言って葵に光金貨10枚と金貨500枚を渡し、通行証を一人一人に渡すおじさん。ええと、光金貨って言った?確か本には金貨の上で、1枚で100万円の価値って書いていたような…つまり15枚で1500万円かぁ、ふーんすげぇ。え?いいの?


「みなさん、キールの街へようこそ!歓迎します」

「あ、はい」


 そうして私たちは呆然としながら異世界で初めての街へ踏み出した。


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ポンコツお姫様姉妹と巡る異世界譚
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