勇者サイド②
勇者たちの話をちょくちょく挟んでいく予定です。
ご了承ください。
俺は勇者レイン。現在魔王討伐に向けて街を出発したところだ。
仲間は3人。一人は幼なじみでいつも俺を支えてくれているレイド。一人は聖女と呼ばれているマリィ。最後の一人は天才魔法使いの幼女サシャだ。
ところで俺には今まで誰にも言ったことがない秘密がある。
それは俺がロリコンだということだ。ライドですら知らない。
いつから俺はこんなことになってしまったんだろうか…覚えてはいない。
ただ、街で幼女に応援されると美人のお姉さんに応援されるよりもテンションが上がっている自分がいた。
行商人の馬車が魔物に襲われているところを助けたことがあった。その時馬車の中から幼女が飛び出してきて、俺に上目遣いでありがとうと感謝を伝えてくれた時があった。不覚にも興奮してしまった…
この秘密は生涯隠すつもりだ。なぜなら俺は勇者なのだから。もちろん手を出すつもりなんか絶対にない。あくまでもこの感情は表に出してはならない…いや、考えることさえしてはいけないのだ。
だが今、俺の目の前にはサシャと言う幼女が歩いている。しかも魔王を倒しに行く間、常に一緒だ。
いや、倒した後もか。街に帰るまで一緒だ。それはどれくらいの期間だろうか。1ヵ月…いや2ヵ月以上掛かるだろう。クソッ隠し通せる気がしない!!!
そんな俺の葛藤を知ってか知らずか、サシャがとんでもないことを言ってきた。
「ちょっとお花を摘みに行ってくるです。ちょっと待っててくれです」
……クソッやっぱり隠し通せる気がしない!!!
「それはいいけどよ、こんな何もない草原でお花を摘みに行くも何もないだろ。なぁレイン」
「そ、そうだな…どうするんだ?」
「お前たちに音が聞こえないところまで行って用を済ませるです。だからこっちみんなですよ?」
「ハハッ、お前みたいなちんちくりんの用を足すとこ見たってなにも思わねえよ!なぁレイン」
「そうだな。ははっは」
「いいからちょっと待ってろです」
そう言ってサシャは駆け出す。
物凄く思うところはありますけど?
はぁ、しんどいわ。これずっと続くのか…
会話の中でボロが出るかもしれないし、なるべくしゃべらないようにしよう。
「2人とも、サシャちゃんも女の子なんです。もうちょっと優しくしてあげてください」
「…確かに、子供相手に大人げなかったな。すまん」
「私ではなくサシャちゃんに謝ってくださいね。レインも。いいですか」
「ああ、わかった…」
「待たせたです」
「サシャ、さっきは悪かったな、ちんちくりんとか言ってさ」
「俺も」
「いいですよ。気にしてねーです」
再び歩き出す。
しかし20分後。
「ちょっとお花摘みに行ってくるです!」
「おいいぃぃぃ!?さっきも行っただろ!」
「またです!」
「トイレ近いご高齢者様でももうちょっと間が空くぞ!」
「しょうがないのです!我慢できないのです!」
「サシャちゃん、行ってきていいよ?」
「ごめんです!」
サシャが駆け出す。
「…子供ってのはあんな頻繁にトイレに行くのか?」
「いえ、人によって違うと思いますが…」
「帰ってきたらいつもこうなのか聞いてみるか」
「そうですね。こう頻繁に足を止めてしまうと流石にちょっと」
幼女のおしっこか…
「戻ったです」
「なぁサーシャ、お前いつもこんな頻繁にトイレ行ってるのか」
「そうです」
「理由を聞いてもいいですか?」
「…昔おしっこをずっと我慢していたことがあったです。トイレに行く時間を魔法の練習に使いたかったからです。でもその後ものすごくお腹が痛くなったです。それも1日中ずっとです。それから私はおしっこを我慢できない体になってしまったのです」
「…いや、もうちょい頑張れよ。せめて1時間は」
「ダメなのです!ちょっとでも我慢しようとしたらじょばっといってしまうのです!だから尿意を感じたらすぐに行動しないとダメなのです!」
じょばっと……
「いやでもな、今後強い敵と戦うときになってそれはまずいだろ。20分以上戦うことだってあるぞ普通に」
「強い奴と戦うときは事前にパンツ脱いでおくから問題ないです」
「問題しかないわけだが…」
「迷惑はかけないです。だから私のことは気にするなです」
めっちゃ気になるわ!戦闘に支障きたすわ!何とかできないか…
言葉をしっかり選びながら、会話に参加しよう。
「サシャ、過去の失敗に囚われていてはダメだ。ちょっとずつ我慢する練習をしよう。最初からできなくてもいいからさ」
「レインの言う通りだ。次はちょっと我慢してみようぜ」
「サシャちゃん。頑張れそう?」
「うぅ…わかったです。迷惑はかけたくないですから…」
そうして20分後…
「ヤバいです!ついにきたです!」
「頑張れ!サシャ!」
「お前ならできる!サシャはやるときはやる女だって俺は知ってる!」
「サシャちゃんならきっと大丈夫!」
「う、うおおおおぉぉぉぉです!」
ちょろぉ…
おしっこが太ももを伝う…
「あああ!やっぱり私は体が!本能が!止めるなと言っているです!」
「…まあ、最初からできるとは思っちゃいないさ。旅は始まったばかりだ。ちょっとずつ改善していこうぜ」
「魔王と戦う前には何とかできるといいな」
俺の為にも。
「サシャちゃん、替えの下着はある?」
「こういうことが多いから生活魔法を覚えたです。【クリーン】…はぁ、これがあるから私は今までソロで頑張っていたですよ」
「なるほどな」
「では、私たちが初めての仲間ですか?」
「そうです。思っていたより楽しいです!これからも迷惑かけると思うけど、よろしくです!」
「はは、よろしくな!」
「うふふ。よろしくサシャちゃん」
「よろしく。サシャ」
「はいです!」
旅の初日は思ったよりも進むことが出来なかった。
だがキズナは深まった。
俺はロリコンなのだと改めて確信した。
こいつらなんなの…(ドン引き)




